簡単に動詞のグループを見分ける方法
日本語教育では「ナイ形」にして動詞を見分けることが多いです。
①書く→書かない (kakanai) anaiはグループ1
②見る→見ない(minai) inaiはグループ2 /寝る→寝ない(nenai) enaiもグループ2
③「する」「来る」の2つはグループ3
簡単ですね。
動詞のグループが分からなくなったらやってみてください。
一方、国語学・国語教育では、
動詞を分類するとき、
動詞の活用に基づく2つの分類方法があります。
①活用語尾の母音の変化で分類する方法
②語幹の末尾で分類する方法
活用語尾の母音の変化に基づく分類方法
活用語尾の母音の変化に基づいて動詞を分類すると①五段動詞(1グループ)②一段動詞(2グループ)③不規則動詞(3グループ)に分けられます。
五段動詞とは【1グループの動詞】
五段動詞とは、活用語尾の母音が五段に変化する動詞です。五段活用動詞。強変化動詞、Ⅰ型動詞とも。
日本語教育では、1グループの動詞、グループ1の動詞といいます。
五段動詞の例)
遊ぶ→遊ば(ない)・遊び(ます)・遊ぶ・遊べ(ば)・遊ぼ(う)
切る→切ら(ない)・切り(ます)・切る・切れ(ば)・切ろ(う)
一段動詞とは【2グループの動詞】
一段動詞とは、活用語尾の母音の変化が一段しかない動詞です。一段活用動詞。弱変化動詞、Ⅱ型動詞とも。
日本語教育では、2グループの動詞、グループ2の動詞といいます。
上一段活用の動詞の例)見る・着る・落ちる
見る→見(ない)・見(ます)・見(る)・見(れば)・見(よう)
着る→着(ない)・着(ます)・着(る)・着(れば)・着(よう)
下一段活用の動詞の例)見える・寝る・食べる
寝る→寝(ない)・寝(ます)・寝(る)・寝(れば)・寝(よう)
食べる→食べ(ない)・食べ(ます)・食べ(る)・食べ(れば)・食べ(よう)
不規則動詞とは【3グループの動詞】
不規則動詞とは、語尾が不規則に変化する動詞です。変格活用動詞。
日本語教育では、3グループの動詞、グループ3の動詞、Ⅲ型動詞といいます。
3グループのグループに属するのは「来る」と「する」だけです。
・カ行変格活用動詞の「来る」
・サ行変格活用動詞の「する」
語幹末尾の形態的特徴に基づく分類方法
動詞の分類方法には、語幹の末尾の形態的特徴に基づく分類方法もあります。
語幹とは
語幹とは、語尾が変化する語の変化しない部分。語形変化の基礎となる部分のことです。
母音語幹動詞とは
語幹末尾はローマ字で確認します。一段活用の動詞の語幹は、「着る(ki-ru)」のように母音(「着る」の場合はi)で終わっているので、語幹末尾による分類では母音語幹動詞(母音動詞)に分類されます。
「着る」の活用→着ない(ki-nai)・着ます(ki-masu)・着る(ki-ru)・着れば(ki-reba)・着よう(ki-you)
子音語幹動詞とは
五段活用の動詞の語幹は、「切る(kir-u)」のように子音(「切る」の場合はr)で終わっているので、語幹末尾による分類では子音語幹動詞(子音動詞)に分類されます。
「切る」の活用→切らない(kir-anai)・切ります(kir-imasu)・切る(kir-u)・切れば(kir-eba)・切ろう(kir-ou)