平成23年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題3のDは【日本語と視点】です。
⒃
1,可能表現
「英語の本を読む」→「英語の本が読める」
格関係に変更が生じています。
2,〜てある
「窓を開ける」→「窓が開けてある」
3,〜たい
「iPhone7を買う」→「iPhone7が買いたい」
4,〜ておく
「窓を開ける」→「窓を開けておく」
格関係に変更が生じていません。
よって、正解は4です。
⒄
日本語教育能力検定試験完全攻略ガイド第3版93頁が参考になります。
受身には「直接受身」と「間接受身」があります(持ち主の受身を別立てにして三分する節もある)。
直接受身は、動作の主体と動作の受け手を入れ替えます。他動詞のみ。
能動文…猫が僕をかじる。
直接受身…僕が猫にかじられる。
間接受身とは、能動文にはなかった名詞が現れて主語になる受身です。自動詞も他動詞も使えます。
能動文…雨が降る。
間接受身…(私が)雨に降られる。
よって、正解は3です。
⒅
間接受身は、自動詞の文も受身にできます。
よって、4が正解です。
⒆
「くれる」は与え手の行為を、受け手(話し手)の側から描写する形式です。
よって、1が正解です。
⒇
1,日本語では、与え手のほうがガ格になりやすく、また、話し手のほうがガ格になりやすいので、与え手でも話し手でもない他者が、ガ格をとるdに相当する動詞は存在しないといえます。
2,表中のcのように、受け手をガ格に据えても、受身表現は使いません。
3,表中のbのように、他者をガ格に据えることはできます。
4,「猫が僕になでられた(部分を毛づくろいしている。そんなに嫌なのだろうか)」のように、話し手がかかわる動作を述べる場合でも、話し手をガ格に据えなければならないとは限りません。
よって、正解は1です。