【社会方言とは】平成29年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題12の解説

H29試験Ⅰ

H29(2017年度)日本語教育能力検定試験 試験Ⅰの問題12【いろいろな社会方言】の解説です。

社会方言とは、性別の違い(ジェンダー)、年齢の違い(若者言葉)、階層の違い、職業の違い、教育の違いなど社会的立場が違えば言葉が違うよね

地域方言とは、地域が違えば言葉が違うよね

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問1の解き方【男らしさ女らしさとは】

男と女だから生物学的?

というひっかけ問題です。

この問題で重要なのは「男」「女」ではなく

「らしさ」です。

社会は、それぞれの属性に基づく「らしさ」を求めます。

大人には大人らしさを

子どもには子どもらしさを

赤ちゃんには赤ちゃんらしさを

学生には学生らしさを

男には男らしさを

女には女らしさを

例えば、日本は女人禁制の島があります。

「その島に入ると女性だけが病気になる」のであれば、生物学的に入れないと言えますが、そうではありません。

ただ、歴史的に、社会文化的に、昔から女人禁制とされてきたので、今も女人禁制というわけです。

このように社会文化は、それぞれの属性に基づく役割を求めてくることがあります。

よって、答えは1です。

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問2の解き方【感動詞や終助詞に現れるジェンダー】

ポイントは2つ

①ジェンダーが表れているか(男しか使わない? 女しか使わない?)

②感動詞あるいは終助詞か?

各選択肢を見ていきます。

選択肢1

男「ちょっと、落としたよ」

女「ちょっと、落としたよ」

違和感なし

選択肢2

男「あ、それあたしの!」

女「あ、それあたしの!」

男性の「あたし」に違和感

ですが

「あたし」は感動詞あるいは終助詞ではありません。

「あたし」は女性がよく使う一人称代名詞です。

選択肢3

男「ええ、君誰だっけ?」

女「いいと、君だれだっけ?」

違和感なし

選択肢4

男「おい、先に行くぞ」

女「おい、先に行くぞ」

女性の「ぞ」に違和感

「ぞ」は男性が使うと言われている終助詞です。

私は使いませんが。

よって、答えは4です。

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問3の解き方【女房詞とは】

女房詞とは、宮中に使える女房が使い始めた言葉。語頭に「お」がつけて丁寧にしたり、語尾に「もじ」をつけて婉曲的に表現することが特徴。読み方は「にょうぼうことば」。

  1. ひや
  2. でん
  3. しゃもじ
  4. さじ

よって、答えは4です。

丁寧じゃないのはどれかという観点から答えが出せるでしょうか。

知らない時は直感で選んで、すぐに次の問題へいきましょう。

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問4の解き方【てよだわ言葉とは】

てよだわ言葉とは、「よろしくてよ」「すてきだわ」など明治の女学生に流行った言葉。現代ではアニメ等でお嬢様を表現する役割語として活躍している。

今回はその中でも「てよ」の特徴に関する問題です。

選択肢1

「よろしくてよ」は「いいですよ」

強い断定はしていません。

強い断定を表す終助詞は「だ」でしょうか。

例)これは私のだ!

選択肢2

「よろしくてよ」は命令表現ではありません。

軽い命令といえば、「ちょっとは手伝ってよ」「マッサージしてよ」などの表現が思い浮かぶかもしれませんが、これはお願いするときのテ形「ちょっと手伝って」「マッサージして」に終助詞の「よ」がついたものであり、「てよだわ言葉」ではありません。

選択肢3

過去:「昨日は素敵だったわ」

現在:「(目の前のものに対して)あら、素敵だわ」

「だわ」は過去だと「だったわ」になります。

ところが「てよ」は…

過去:「昨日のテストはどうでしたか」「よろしくてよ」

現在:「じゃあ、今からテストしてもいいですか」「よろしくてよ」

過去でも現在でも「よろしくてよ」です!

おもしろいですねえ。

選択肢4

「てよ↑」は上昇調ですね。

よって、答えは3です。

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問5の解き方【地域方言や社会階層に由来する役割語】

役割語とは、「そうじゃ」は老人、「よろしくてよ」はお嬢様、「そうある」は中国人など特定の人物イメージに結び付く言葉づかい

この問題は難しかったです。知らない時は直感で選んで、すぐに次の問題へ。

選択肢1

「明治期にフランスに留学した女性たち」いうのが怪しいです。

森鴎外など明治期にドイツに留学した男性ならわかりますが。

「ざんす言葉」は、もともと吉原の遊女達に使われていた言葉(遊里言葉)が、山の手の奥様方が使う言葉になり、現代ではスネ夫のお母さんに受け継がれています。

選択肢2

これは本当っぽくて難しい選択肢でした。

たしかに、宜蘭クレオールという台湾原住民と日本語の接触によって生まれた言葉はあるようです。

なお、ピジンとは、違う言語をも話す人たちがコミュニケーションするために生まれたお互いの言葉をミックスして作られた言語です。それが次世代に引き継がれて、文法的に整理されると、クレオールと呼ばれます。

ですが

「あるよ言葉」は、幕末から明治にかけての外国人居留地で、西洋人や中国人が使っていたピジン化された言葉に由来します。

選択肢3

「じゃ言葉」は、近世の上方方言や上方方言の流れをくむ武家言葉に由来します。

選択肢4

「たまえ言葉」は、明治時代の書生言葉に由来します。

よって、答えは3です。

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試験勉強を日本語教師の仕事につなげよう

若い人が使う言葉は、ジェンダーの差が縮まっている気がします。

みなさんはどう思いますか?

それでも男女差はあります。

日本人彼女と同棲している外国人が

女性っぽい日本語になってしまって困っているという話を聞いたことがあります。

男性の言葉を知りたいので

講師は男性がいいという男子学生もたまにいます。

日本語講師は女性が多いので。

学生と話すときは、ジェンダーで違いがある言葉は気を付けた方がいいかもしれません。

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