【異文化受容とは】平成29年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題8の解説

H29試験Ⅰ
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H29(2017年度)日本語教育能力検定試験 試験Ⅰの問題8【カウンセリングや異文化受容等】の解説です。

問題8あたりは毎年、異文化関係が多いです。

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問1の解き方

こんにちはラポールさん!

平成28年度日本語教育能力検定試験Ⅲ問題9問5選択肢2からの1年ぶりですね。

ラポールとは何か?

大辞林さんに聞いてみましょう。

ラポールとは、互いに親しい感情が通い合う状態。打ちとけて話ができる状態。

つまり、

カウンセリングにおけるラポールとは、カウンセラーと相談との間の信頼関係のことです。

よって、答えは1です。

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問2の解き方

カウンセラーが行う傾聴とは、自分が聴きたいこと引き出そうとせずに、相手の話に耳をけて丁寧にくこと。

相談者は、思いを言葉にして、カウンセラーに話すことで、今まで気が付かなかった自分自身に対する理解を深めることができ、自身の納得する判断に到達できるようになります。

よって、答えは1です。

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問3の解き方

周辺化?

中心から離れた周辺に行ってしまうこと?

一人ぼっち?

選択肢を見てみると

自文化と留学先の文化について触れられています。

ということか。

周辺化とは、自文化と留学先の文化、いずれとも中心から離れて周辺に行ってしまうことだろうと推測できます。

よって、答えは3です。

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ベリーが提唱した4つの文化受容態度とは?

ベリーさんもよく会いますねえ。

平成30年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題8でも

令和2年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題8でも

会いました。

来年もお会いするかもしれないので

ベリーさんのことを理解しておきましょう。

ベリーが提唱した四つの文化受容態度とは、別の文化の人たちが入ってきたときに受け入れ側がどのように対応するか、あるいは参入側がどのように対応するか、4つに分類したものです。

特によく出題されるのは参入側です。

今回も「留学生のおける文化受容」なので参入側ですね。

参入側の四つの文化受容態度は以下の通りです。

ベリーの文化変容とは 統合 同化 周辺化 境界化 分離 離脱
4つの文化受容態度【参入側】

周辺化とは、自文化、異文化どちらからも離れてしまうこと(自文化×、異文化×)。赤本では境界化と書かれています。選択肢3

分離とは、自文化を保持して、異文化から離れること(自文化〇、異文化×)。赤本では離脱と書かれています。選択肢4

同化とは、自文化から離れて、留学先の文化に近づくこと(自文化×、異文化〇)。選択肢2

統合とは、自文化と留学先の文化の双方に関心を持ち、それらをうまく調和させること(自文化〇、異文化〇)。選択肢1

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問4の解き方

文化相対主義とは、みんな違ってみんないい絶対的なランク付けはできないよね、ということ。

文化相対主義の考え方の例)

日本人「へえ。アメリカ人は部屋の中で靴を脱がないんだ。そういう文化もあるのね」

反対の考え方に、自分化中心主義があります。

自文化中心主義とは、自文化を基準に他の文化を判断すること。

自文化中心主義の考え方の例)

日本人「アメリカ人は部屋の中で靴を脱がないから汚い人たち」

選択肢を見ていきましょう。

選択肢1

他の文化も認めるのが文化相対主義です。

選択肢2

価値判断をしない。優劣をつけないのが文化相対主義です。

選択肢3

それぞれ違う。肯定否定、優劣はない。対等が。

まさしく文化相対主義です。

選択肢4

人は属する言語によって行動や思考を規定されているというのは、サピア・ウォーフの仮説の強い仮説です。「文化」はどうでしょうか。

サピア・ウォーフの仮説は令和2年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題12で出題されました。

詳しくはこちらの記事をどうぞ。

以上より、答えは3です。

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問5の解き方

またまた来ました。

高コンテクスト文化と低コンテクスト文化

高コンテクスト文化とは、空気を読む文化。言わなくても察する文化

低コンテクスト文化とは、空気を読まない文化。言わないことは察しない文化

すでに何度か解説していますので、詳しくは下のリンクを要チェックです。

令和元年度はYouTube動画、令和2年度はブログ記事に飛びます。

令和元年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題8

令和2年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題13問2

選択肢を見ていきましょう。

選択肢1

空気を読んで「察し」のスキルを使うのは高コンテクスト文化です。

選択肢2

人々の移動が多く、結びつきが弱いと、共有していることが少ないので察するのが難しいです。東京人は冷たいなどと言われるのはそのせいでしょうか。

選択肢3

共通の価値観や前提の共有が少ないと、察するのが難しいです。ですから異文化と関わる時は、しっかり言葉にする必要があります。

選択肢4

高コンテクスト文化と低コンテクスト文化は、どちらのほうがコミュニケーションが効率的であるとか、優劣をつけるものではありません。

以上より、答えは1です。

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試験勉強を日本語教師の仕事につなげよう

今回はカウンセリングと異文化受容の話でした。

これらの知識は、外国人学習者と関わる時に役立ちますね。

学習者の話を聞く時は、傾聴を忘れずに。

留学生が問題を抱えているときは、ベリーの4分類に基づいて分析してみる。

留学生の文化が日本の文化とかなり異なっていたとしても、文化相対主義の精神で。

日本は高コンテクスト文化ですが、低コンテクスト文化の人と関わる時はしっかり言葉にすること。

留学生との関わり方も教えてくれるのが日本語教育能力検定試験です。

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動画で過去問の解き方を解説

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