H29(2017年度)日本語教育能力検定試験 試験Ⅰの問題1の(9)は【行為要求のモダリティ】です。
問題の解き方
行為要求のモダリティ?
何だか難しい言葉が出てきたぞ…
と焦ったら負けです。
難しい言葉を使ってビビらせてくるので日本語教育能力検定試験のやり口です。
知らない言葉は知っている言葉から意味を推測
行為要求とは、行為を要求すること。何かをするようにお願いすること。
これだけで解けます。
モダリティの意味を知らなくても解けますが、モダリティは日本語教育能力検定試験に頻出する単語なので意味を確実に理解しておきましょう。
モダリティとは何ですか?
この後の答えを見る前に考えてください。
では、選択肢を見てみましょう。
1 こっちに来な
相手にこっちに来る行為を要求していますね。
2 こっちに来るな
相手にこっちに来ることをやめる行為を要求していますね。
3 こっちに来ないね
相手に行為を要求していません。
猫カフェで「ネコ、こっちに来ないね」
猫がこっちに来ないことを一緒に来た友達に確認しています。
悲しいですね。
4 こっちに来てくれ
相手にこっちに来るように要求(お願い)しています。
5 こっちに来てください
相手にこっちに来るように要求(お願い)しています。
よって、答えは3です。
行為要求のモダリティとは
モダリティは、日本語教育能力検定試験で毎年のように出てくるので、覚えておきましょう。
文には主観的な部分と客観的な部分があり、主観的な部分のことをモダリティと言います。
主観的、つまり、思っていること、それがモダリティ
行為要求のモダリティとは、相手に何らかの行為をお願いしたいという気持ちの表現です。
問題1)文の主観的な部分をモダリティ、では、客観的な部分のことは何と言いますか?
問題2)下の文にはモダリティ表現がありますか。あるならどこですか?
例)あの猫は人間が嫌いらしい。
答えはこの記事の最後です。
試験勉強を日本語教師の仕事につなげよう
「そうですね」「そうですよ」
これらの表現は、日本語を勉強して初めてすぐに出てきます。
「そうですねの『ね』は何ですか?」「そうですよの『よ』は何ですか?」
これらもモダリティなわけですが、どんな思いを表しているでしょうか。
この本は、『ね』や『よ』などの終助詞の意味も簡単に説明してくれつつ、すぐに使える表現が会話とともにのっているのでとても実用的です。説明は日本語・英語・中国語があります。
問の答え
問1)客観的な部分は命題
問2)「あの猫は人間が嫌い」は命題、「らしい」はモダリティ