H29(2017年度)日本語教育能力検定試験 試験Ⅰの問題1の(9)は【形容詞の格】です。
問題の解き方
【】内を確認
形容詞の格?
格というのはよく分からない言葉だけれど、「格」がついている言葉で記憶にあるのは格助詞
格助詞とは、名詞と述語の関係を表す助詞
というこうとは、
格とは、名詞と述語との関係を表すものか。
形容詞も述語の一種だから
形容詞の格とは、名詞と形容詞の関係のことか!
では各選択肢の形容詞と名詞の関係を見てみます。
選択肢1 故郷が恋しい
1 故郷が恋しい
故郷を思い浮かべると恋しくなりますね。
故郷というものの性質=恋しい
主体の(故郷)を「恋しい」で形容しています。
そのため、「恋しい故郷」と言い換えることができます。
選択肢2 魚がうまい
2 魚がうまい
主体(魚)を「うまい」で形容していますね。
「うまい魚」と言い換えることがでいます。
選択肢3 太陽がまぶしい
3 太陽がまぶしい
主体(太陽)を「まぶしい」で形容しています。
「まぶしい太陽」と言い換えることができます。
選択肢4 水が欲しい
4 水が欲しい
水を「欲しい」で形容しているのではなく、
「欲しい」の対象が「水」です。
「欲しい水」と言い換えると意味が変わってしまいます。
選択肢5 薬が苦い
5 薬が苦い
主体(薬)を「苦い」で形容しています。
「苦い薬」と言い換えることができます。
よって、4のみ形容詞の主体ではなく対象なので、答えは4です。
試験勉強を日本語教師の仕事につなげよう
「欲しい」という言葉はよく使うので、日本語学習者は初めの方に習います。
ところが厄介なのは、日本語の「欲しい」というのは形容詞なんです。
英語で「欲しい」は何ですか?
want
そう。動詞ですね。
そのため、「欲しい」に違和感を覚える学習者がいます。
「英語では動詞だけど、日本語では形容詞なんですよ」
これを日本語教師が理解しておけば、学習者を正しい方向へ導くことができるでしょう。