H29(2017年度)日本語教育能力検定試験 試験Ⅰの問題2(2)の解説です。
問題の解き方
【】内がどんな誤用か検討
「担当者」を「たんとうもの」と読んでいます。
たしかに「者」は「もの」とも読みますが、「担当」と一緒に読むときは「しゃ」です。
これは「しゃ」と音読みすべきなのに、「もの」と訓読みした誤りです。
各選択肢が同じ誤用か検討
選択肢1 「切手代」を「切手たい」
「だい」と読むべきを「たい」と読んでいます。
濁音(有声音)→清音(無声音)
選択肢2 「保証金」を「保証かね」
「きん」と読むべきを「かね」と読んでいます。
音読み→訓読み
選択肢3 「出身国」を「出身くに」
「こく」と読むべきを「くに」と読んでいます。
音読み→訓読み
選択肢4 「入国時」を「入国とき」
「じ」と読むべきを「とき」と読んでいます。
音読み→訓読み
よって、正解は1です。
音読みと訓読みを見分ける練習問題
音読みとは、メイドインチャイナ。中国語由来の読み方。
訓読みとは、メイドインジャパン。日本語由来の読み方。
という意味は知っていたとしても
音読みと訓読みの違いを区別するのは難しいですよね
ルールはあるのでしょうか。
絶対的な判別法は存在するのでしょうか?
というわけで問題です。
以下の漢字の読みは
「音読み」と「訓読み」のどちらでしょうか。
- 駅(えき)
- 服(ふく)
- 本(ほん)
- 日(ひ)
- 身(み)
答えはCMの後です。
訓読みと音読みの見分け方
訓読みと音読みの見分け方は結構難しいです。
私みたいな漢字が苦手な者にとっては。
なぜか?
訓読みか音読みかを
100%区別できるルールがないからです。
学生にも時々、聞かれますが
「100%のルールはない」
と伝えています。
ショックで青ざめる学生
ですが
ご安心ください。
だいたい見分けられるルールならあります。
音読みのルール
①読み方が一つしかない
読み方が1つしかない漢字は音読み
例)
駅(えき)、服(ふく)、肉(にく)、席(せき)
漢字は中国から伝わってきたので
中国語をベースにしている音読みは始めから存在しています。
そこに日本語の音をのせたものが訓読みです。
ですから
日本語の音をのせなかった場合
音が1つしかない場合
音読みとなります。
②「ン」で終わる
例)
本(ほん)、損(そん)、線(せん)、新(しん)
訓読みのルール
①送り仮名がある
例)
新しい、優しい、
②漢字一文字の音を聞いて意味が分かる
例)
日(ひ)、身(み)、山(やま)、川(かわ)、海(うみ)
学生に聞かれたときは
上のルールをさらにシンプルにしたものを
相手によってアレンジして伝えています。
音読みと訓読みを見分ける練習問題の答え
- 駅(えき):音読み
- 服(ふく):音読み
- 本(ほん):音読み
- 日(ひ) :訓読み
- 身(み) :訓読み