令和3年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題2(5)の正答率
令和3年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題2(5)の正解率は84%でした。
令和3年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題2(5)の解き方
誤用を直してみます。
どこにゴミを捨てれば(捨てたら)いいですか。
「たほうがいい」ではなく「~れば」あるいは「~たら」を使うべきです。
同じように選択肢を直してみます。
1 どちらを買ったほうがいいですか。
「が」→「を」
2 何を勉強すれば/勉強したらいいですか。
「たほうがいい」→「すれば」/「したら」
3 誰に相談すればいいですか。
「たほうがいい」→「すれば」/「したら」
4 どう調べたらいいですか。
「たほうがいい」→「すれば」/「したら」
よって、答えは1
日本語を教える時に役立つ豆知識【「たほうがいい」を多用する誤りは多い】
何らかの行為を勧めるときに「~したほうがいいですよ」を使うと教えているテキストや日本語教師の方がいるために「~したほうがいいですよ」の誤用が多いのだと私の師匠は嘆いていました。
「~したほうがいい」というのは「~」をおすすめするときに使う表現です
という教え方を私はしません。
「~しないのと~するのとどっちのほうがいい」という表現だと伝えます。
・犬と猫とどちらのほうがいいですか。
・勉強するのと遊ぶのとどちらのほうがいいですか。
のように二者択一で使うのが「ほうがいい」です。
単純な勧めではありません。
「~したほうがいい」→~しないと悪いことがあるよ
「~しないほうがいい」→~すると悪いことがあるよ
という表現です。
ですから下のような場面で使います。
A:ごほごほ。
B:え、Bさん、大丈夫ですか?
B:いえ…39℃の熱があります。
A:えー。病院に行ったほうがいいですよ。(行かないと悪いことになる)
このように場面を見せて伝えれば
学習者の誤用は減ると思います。