令和3年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題4の正答率



問1の解き方【読解授業において行うトップダウン処理】
トップダウン処理については下の記事をどうぞ
トップダウン処理の読み方には、上記記事の通り、大意を読む「スキミング」と自分が欲しい情報を探す「スキャニング」があります。
選択肢1と選択肢2を選んだ人が多いので2つを検討します。
選択肢1を選んだ人は、これを「スキャニング」と考えたのだと思います。
ですが、スキャニングとは「自分にとって必要な情報のみを拾い出す読み方」 (平成25年度日本語教育能力検定試験Ⅲ問題11問3)です。
スキャニングをする前に自分が欲しい情報(キーワード)を知っている必要があります。
選択肢1では読む前は、定型表現を知らないことも考えられますので、スキャニングできるとは限りません。
例えば、読む前に、全体で、レストランに出てくる定型表現を確認した後、それを探す読解をやるのであれば、スキャニングだと思いますが、選択肢1にはそんなことは書いてありません。
一方、選択肢2の場合は「行きたいコース」です。
例えば、スノーボードに行きたいと思っているときは、頭に「スノボ」「雪」などのキーワードがありますから、それを探して読むことになります。
これがスキャニングです。
よって、答えは2
平成25年度日本語教育能力検定試験Ⅲ問題11問3で類似の問題が出題されていますので見ておいてください。
また、平成30年度日本語教育能力検定試験Ⅲ問題5の<資料>にはトップダウン処理の聴解授業のガイドラインがありますので見ておいてください。
平成28年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題6問1ではトップダウン処理の読み方の一つである「スキミング」の活動例が問われていますのでそちらも見ておいてください。
問2の解き方【多読教材を選ぶときの注意点】
多読については下の記事をどうぞ
よって、答えは1
多読については、平成28年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題6問3でも問われていますので見ておいてください。
問3の解き方【再話】
再話については下の記事をどうぞ
再話とは、テキストについて理解したことを自分の言葉で話す活動です(平成24年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題5問4)。
選択肢1
人によって再生できることが違うことで自分の理解が正しいか確認できるのでグループ活動を避ける必要はありません。
選択肢2
再話のポイントはインプット(聞く読む)した後に、自分の言葉でアウトプット(話す書く)することにあります。書いてもいいです。
選択肢3
再話はインプットしたストーリーを自分で組み立てないといけないので段落間の関係性の把握が不十分だとうまくできません。
例えば、桃太郎の話でどうして桃太郎が鬼退治に行くのかストーリーの流れを理解しておかないと、桃太郎が鬼ヶ島に旅行に行って友達をたくさん作って帰ってきたという再話になるかもしれません。
選択肢4
例えば、桃太郎の話を読んだら、どうして桃太郎は鬼ヶ島に行ったのか、どうして犬は桃太郎についていくのかなど、物語として筋が通るように組み立てる過程を経て、理解が深まります。
よって、答えは4
再話については
でも問われていますので見ておいてください。
問4の解き方【読解テストを作る際の留意点】
各選択肢を見て変なことを言ってないか探す。
選択肢3
「書く技能の評価もできるように」
「読解テスト」は漢字の通り「読み解く」力をテストします。
書く技能の評価は読解テストの目的ではありません。
よって、答えは3
問5の解き方【クローズテスト】
クローズテストとは、文章に一定間隔で設けられた空欄を適切な文字や語で埋めるテストです(平成28年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題6問5より)。
よって、答えは4
クローズテストは平成28年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題6問5でも問われているので見ておいてください。
テストの種類については下の記事をどうぞ
令和3年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題4と問題5のポイントを動画で見る
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