「大きな猫が好きです」の「大きな」は連体詞ですが「大きい猫が好きです」の「大きい」は形容詞なのはどうして?
連体詞とは何か、連体詞の一覧、連体詞の覚え方、連体詞と形容詞の違い
について説明します。
連体詞の意味
連体詞とは読んで字のごとく、体言(名詞)に連なる詞(ことば)です。必ず名詞を修飾します。
連体詞と形容詞の違い
同じく名詞を修飾する形容詞は、美しい、美しかった、美しくなる、美しければ、のように語尾が変化します(活用する)が、連体詞は変化しません。頑固者です。
連体詞と形容詞の見分け方
連体詞なのか形容詞(形容動詞)なのか分からない単語が出てきた場合、2つの方法で見分けることができます。
①活用するかどうか
練習問題:「静かな」「大きな」「大きい」は連体詞ですか形容詞ですか?
静かな→静かだ、静かに、と活用するので、ナ形容詞(形容動詞)
大きな→大きだ☓ 大きに☓ と活用しないので、連体詞
大きい→大きかった、大きくない、大きければ、と活用するので、イ形容詞
②名詞以外が後に続くかどうか
練習問題:「おかしい」「おかしな」は連体詞ですか形容詞ですか?
おかしい→おかしいです、と名詞以外も後に続くので、イ形容詞
おかしな→おかしなです☓ 名詞以外は後に続かないので、連体詞
連体詞と副詞の違い
副詞は、連体詞と同じように活用しませんが、主に用言を修飾します。
用言とは、動詞、イ形容詞、ナ形容詞(形容動詞)のことです。
副詞の例
ずっと(副詞)→ずっと好きでした(「好き」というナ形容詞(形容動詞)を修飾)
たいへん(副詞)→たいへんよくできました(「よい」というイ形容詞を修飾)
連体詞の例
例の(連体詞)→例のブツです(「ブツ」という名詞を修飾)
たいした(連体詞)→たいした違いはない(「違い」という名詞を修飾)
連体詞と副詞の見分け方
練習問題
例題:たいして違いはない、の「たいして」は連体詞ですか。
答え:副詞です。
解説
たいして違いはない、の「たいして」は、名詞の「違い」ではなく、形容詞の「ない」を修飾しています。副詞は直後の言葉を修飾するとは限らないので注意しましょう。
「たいした違い」といえるので、「たいした」は「違い」を修飾している。
「たいして違い」とはいえないので、「たいして」は「違い」を修飾していない。
「たいして〜ない」といえるので、「たいして」は「ない」を修飾している。
副詞の例外は、ズッ友(^^)
ややこしくなってまいりましたが、まだ終わりではありません。
副詞は原則として用言を修飾しますが、面倒くさいことに、ズッ友の例外があるのです。
「わたしたち、ずっと友達だよ!」
前述の例のとおり「ずっと」は副詞なのに、ここでは名詞である「友達」を修飾しているのです。
勘弁してくれい! と叫びたくなります。日本語楽しすぎるよ。こうなったら連体詞を暗記するほかありません。
重要な連体詞の一覧
よく出てくる連体詞の例です。
「たいした・たった・とんだ」
「大きな・小さな・おかしな・いろんな・ろくな」
「わが」
「この・その・あの・どの・例の」
「ある・あらゆる・いわゆる・いかなる」
連体詞の覚え方
上記連体詞の一覧それぞれのグループの語尾をとって、タナガノル(棚が乗る)で覚えましょう。連体詞の語尾は必ず、タナガノルになります。語尾がタナガノルじゃない言葉は連体詞ではないというルールは使いやすいですね。