平成25年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題9は【ステレオタイプ・偏見・差別】です。
問1
1,国際化とインターネットの浸透により、以前に比べ、お隣の国に関する情報がたくさん入ってきていますが、ステレオタイプが修正されたり変化したりはしていません。
2,逆です。自身の所属集団のほうがよくわかっているので、違いを知っています。外の人々には詳しくないので、単純で極端な考えになりがちです。
3,「イギリス人男性は紳士だ」のように肯定的なステレオタイプもあります。
4, ステレオタイプに基づく反応を避けようとして(意識しすぎて)、逆にステレオタイプ化が促進されることは、ありそうです。
よって、正解は4です。
問2
1,相手と親密になれば偏見も変化するでしょう。
2,逆です。偏見といえば感情的な要素です。
3,実際にイギリス人と関わったことがなくても、イギリス人男性は紳士だと思っていることはありそうです。
4,相互に協力しあっている国際的な集団内でも、「○○の奴らは☓☓だ」なんて会話が交わされていそうですね。
よって、正解は2です。
問3
空欄(イ)は、「表面化し行為になったもの」 とあります。
「偏見」「ステレオタイプ」「差別」のうち、行為になったのは「差別」だけなので、空欄(イ)には「差別」が入ります。
よって、正解は2です。
問4
1、ステレオタイプが形成された場合、それとは一致しない情報は記憶されにくくなるため、ステレオタイプは維持されやすいです。例えば、先日のサッカー、ロシアワールドカップアジア最終予選の日本対イラク戦において、韓国人審判は日本にかなり有利な判定をしました。しかし、韓国人は日本に不利なことばかりすると思っている人は、このことをすぐに忘れるでしょう。
2,少数派の人は、目立つ行動をしたら、その行動の原因が集団全体の特徴のように思われやすいため、ステレオタイプが形成されやすいです。海外では日本の代表として行動していると思えって言いますよね。日本人が一人しかいない場所では、あなたの特徴が日本人全体の特徴として認識されるということです。
3, 一度ステレオタイプが形成されると、そのカテゴリーに該当する情報によって自動的に活性化されるため、維持されやすいです。例えば、「ラティーノは陽気」というステレオタイプが形成されると、ラティーノがはしゃいでいるニュースや現場を見て、「ラティーノは陽気」というステレオタイプが自動的に活性化されます。
4, 統制側である「勢力者」は、統制される側である「非勢力者」に注意を向けやすいので、「非勢力者」のステレオタイプを形成しやすいです。
よって、正解は3です。