【意味拡張】平成29年度日本語教育能力検定試験Ⅲ問題2の解説

H29試験Ⅲ
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問1の解き方【同じタイプの意味拡張】

日本語教育能力検定試験の大好きな比喩の種類の問題ですね。

まずは下の動画【比喩の種類(意味の拡張)】をどうぞ。

試験対策動画なので過去問などのテキストを持っていなくても大丈夫です。

オリジナル問題も入っていますのでチャレンジしてみてください。

名称性質例文
メタファー(隠喩)全然違うものに類似性を見つけて表現・顔が曇った(本来「曇った」は天気。天気と顔は全然違う)
メトニミー(換喩)近いものなのでよく考えないと比喩と気づかない・村上春樹を読んだ(よく考えたら村上春樹じゃなくて「村上春樹の書いた本」)
シネクドキ(提喩)グループの一部です・花見(「花」の中でも「桜」)
・お茶しない?(「コーヒー」とか他の飲み物でも可)
シミリ―(直喩)「まるで~みたいだ/ようだ」等の比喩の言葉を使っています・安物のチーズケーキみたいに顔がむくんでいた

下線部Aを見ると

「花」は「桜」だけじゃないのに「桜」に限定しているので、シネクドキ―です。

各選択肢を見てます。

選択肢1

「パトカー」で「パトカーに乗っている人(警察官)」を表しています。

近いものを表しているのでメトニミー(換喩)

選択肢2

「天気」で「いい天気」を表しています。

「天気」というグループの一部が「いい天気」なのでシネクドキ―(提喩)

選択肢3

「背中」で「背中の汚れ」あるいは「背中の泡」を表しています。

近いものを表しているのでメトニミー(換喩)

選択肢4

人間は「卵」じゃないので全然違うもの。

ですが将来成長して医者になるので、「成長する」という点で類似性があります。

メタファー(隠喩)

よって、答えは2

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問2の解き方【<意思>の解釈ができる辞書形の用法】

問2のように用法について説明している問題は

実際に例文を作ってみると答えが出ます。

例文作成能力が求められる問題です。

では、各選択肢の例文を作ってみましょう。

選択肢1

・昨日のことは忘れよう

→忘れようとする<意思>が感じられます。

選択肢2

・ねえ、ラーメン食べよう!

・海、行こ(う)!※意向形の「う」はカジュアル会話では省略されることも多い

→<勧誘>している場面が思い浮かびます。

選択肢3

・明日はビーチに行くつもりです

→「その場」ではなく「すでに」決めたプラン

選択肢4

「海、行かない?」「行く!」

→「行く」という自分の<意思>を聞き手に伝える意図が感じられます。

よって、答えは3

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問3の解き方【発話の解釈いろいろ】

これは想像力が問われる問題でしょうか。

実際の場面をイメージしてみましょう

選択肢1

教授「新入社員は、先輩より20分早く出社して、掃除をしなければなりません」

学生「そうなんですね! 勉強になります」

助言ですね。

選択肢2

部長「新入社員は、先輩より20分早く出社して、掃除をしなければなりません」

新入部員「かしこまりました!」

命令ですね。

選択肢3

社員「新入社員は、先輩より20分早く出社して、掃除をしなければなりません」

社長「へえ。そうなの。知らなかった」

説明ですね。提案じゃない。

選択肢4

レポーター「新入社員は、先輩より20分早く出社して、掃除をしなければなりません」

→事実として伝えている断定ですね。

※断定とは、「明日は雨だ」の「だ」のように確定した判断。例えば「明日は雨かも」は断定じゃない。

よって、答えは3

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問4の解き方【ネガティブ・ポライトネス】

ポライトネス理論も日本語教育能力検定試験の大好きなやつですね。

下記の動画で詳しく説明しているのでよかったらどうぞ。

テキスト持ってなくても大丈夫です。

ポライトネス理論は7分25秒ぐらいから。

ポジティブ・ポライトネス方略とは、距離を縮める方法。共感や好意を示す。

ネガティブ・ポライトネス方略は、相手の気分を害しないように配慮する方法

相手への共感・好意と思ったらポジティブ・ポライトネス方略

相手への配慮だと思ったら、ネガティブ・ポライトネス方略

シンプルですね。

なお、方略はストラテジーともいいます。

選択肢1

「よね」で共感を求めています。共感は友達のように仲良くなる方法なので、ポジティブ・ポライトネス

選択肢2

相手の共感の求めに対して応じているので、ポジティブ・ポライトネス

選択肢3

相手へのプレゼントや貸与は好意を表すので、ポジティブ・ポライトネス

選択肢4

「いつも悪いね」と相手に配慮しているので、ネガティブ・ポライトネス

よって、答えは4

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問5の解き方【ポライトネス方略が使われていない時は?】

相手に共感・好意を示している→ポジティブ・ポライトネス

相手に配慮している→ネガティブ・ポライトネス

相手にことを考えているか各選択肢を検討します。

選択肢1

相手(子)じゃなくて、お客さんに配慮しているので、

どちらの方略も用いられていません。

選択肢2

「今」じゃなくて「明日」までと相手に配慮しているので、ネガティブ・ポライトネス

選択肢3

「今」じゃなくて「時間があるときでいい」と相手に配慮しているので、ネガティブ・ポライトネス

選択肢4

「手伝う」のは共同作業、近づきますのでポジティブ・ポライトネス

よって、答えは1

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試験勉強を日本語教師の仕事に役立てよう

問2の選択肢4は辞書形の練習で行う1語QAを思い出しました。

辞書形の練習になる1語QAのやり方

①トランプサイズの絵カードをいろいろ用意します。

例)「ラーメンの絵」「コーラの絵」「ディズニーの絵」

②2人、3人でグループになります。

③一人が絵カードをとって他の人に聞きます。

A「(ラーメンの絵を取って)食べる?」B「うん、食べる」

※Yesのときは「うん、食べる」、Noのときは本当は「食べない」だけど、まだナイ形はやっていないと思われるので「ううん」のみ。

「うん」がYES,「ううん」がNOというのは、意味が全然違うのに音が似ているので、外国人学習者にとっては面白い。

けっこう盛り上がります。

プライベートのオンラインレッスンではpptにイラスト(写真)をいろいろ用意して、教師と学習者交互に質問し合うのもいいと思います。

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