【ARCSモデル】平成29年度日本語教育能力検定試験Ⅲ問題6の解説

H29試験Ⅲ
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ARCSモデルとは?

ARCSモデルとは、学習意欲を向上させるためのモデル。教師は、注意(Attention)、関連性(Relevance)、自信(Confidence)、満足感(Satisfaction)という4つの側面を意識して、学習者の学習意欲を引き出す。4つの頭文字をとって、ARCS、アークスモデルと読みます。

注意
Attention
「おもしろい!」「もっと知りたい!」と学習者が思うか
関連性
Relevance
「あ、この場面よくある!」学習内容が学習者にとって身近か
自信
Confidence
「やればできそう!」と自信が持てるか
満足感
Satisfaction
「やってよかった!」と満足感が得られるか
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問1の解き方【ゲームを授業に取り入れる際の留意点】

選択肢1

しりとりやジェスチャーゲームでボキャブラリーを増やすとかゲームにも教育的な要素は十分あります。

選択肢2

コミュニケーションが活発かどうかはゲームの種類によります。コミュニケーション活動じゃないから競争を取り入れるというロジックもよくわかりません。

選択肢3

確かにゲームになじみのない学習者もいますから、どうしてゲームを行うのか、活動の目的を事前に伝えることで、ただ遊ぶために行うんじゃないよ、教育目的だよ、と理解してもらう必要があります。

選択肢4

難しい言語形式を使うかどうかはゲームの種類によります。

よって、答えは3

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問2の解き方【ARCSモデルの満足感】

選択肢1

例えば

簡単な問題「1+1=?」

ができたところで満足感は上がりません。

選択肢2

努力を認めらもらえると嬉しいですよね。満足感上がります。

選択肢3

10時間働いたのに、1000円しかもらえなかったら、満足感は下がります。

選択肢4

同僚と同じくらい頑張っているので、同僚ばかり給料が上がり、私だけ給料が低いままだと、公平に扱われていないと感じ、満足感が下がります。

よって、答えは1

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問3の解き方【ARCSモデルの関連性】

関連性という観点から選択肢を検討します。

選択肢1

学生がレストランで働いているなら関連性があるでしょうが、「2週間の短期高校留学」なので働いてないでしょう。

選択肢2

確かに、高校生だったらレストランよりも、ファストフードのほうがよく利用しそうです。関連性が高いです。

選択肢3

教師がエプロンを着けたら、盛り上がるかもしれませんが、関連性とは関係ありません。

選択肢4

日本らしさは関連性と関係ありませんん。高校生が「和食懐石」のお店に行く機会はあまりないと思われるので、関連性は低いです。

よって、答えは2

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「レアリア」と「生教材」の違いとは?

「本物のメニュー」のように、授業で用いる実際の社会で使われているものは「生教材」や「レアリア」といいます。

レアリアと生教材は同じような意味で使われているときと、意味が区別して使われているときがあるので注意が必要です。

意味を区別して使う時は以下のような違いがあります。

レアリアとは、授業で用いる実物の実物そのものに注目する場合

生教材とは、授業で用いる実物に含まれている情報に注目する場合

「レアリア」と「生教材」の例

例えば、教室に醤油のボトルを持ってきて

「これが醤油です」と見せた場合はレアリア

醤油のパッケージから原材料を読み取らせるときは生教材

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問4の解き方【実際の社会で用いられている物を授業で用いる際の利点】

選択肢1

確かに、本物のメニューは学習者の興味関心を引きつけることができます。

選択肢2

本物のメニューは実際の使用場面に近づけた練習ができます。

選択肢3

例えば

メニューに水がないのを見て

「日本のレストランではだいたい水は無料だよ」

などの関連した文化的な情報も教えることができます。

選択肢4

本物のメニューは情報量が多く、教えたい言葉や情報以外も乗っているので、そこ以外に注目してしまう恐れがあります。変なイラストとか。

よって、答えは4

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問5の解き方【授業を改善する観点】

選択肢1

ARCS(アークス)モデルは、学習者の学習意欲を引き出すためのモデルです。

問3のように学習者の身近なファーストフード店に設定したり

問4のように本物のメニューを使うことで

学習意欲の向上を狙っています。

選択肢2

学習者のレディネスとは、学習者がどんな人か、今までの経歴、趣味趣向、勉強スタイルなど。

今回はレディネスは関係ないです。

レディネスについて詳しくは下記記事参照

選択肢3

授業中の緊張を緩和する方法などを検討していたらこの選択肢でしょうが…。

選択肢4

学習者の学習ストラテジーとは、学習者が行ううまく学習するための工夫です。

今回は学習者ではなく教師の工夫です。

学習ストラテジーについて詳しくは下記記事参照

よって、答えは1

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試験勉強を日本語教師の仕事につなげよう

ARCS(アークス)モデルは、教案を書く際に常に意識したいですね。

教案を作る時は

つい

導入はスムーズにできるだろうか

説明はうまくできるだろうか

時間通りに終わるだろうか

など、自分視点でばかり考えがちですが

アークスモデルのことを思い出して

学習者視点に立ちたいですね。

私個人的には

「注意」と「関連性」は得意なのですが

「自信」と「満足感」がおろそかになりがたいなので

忘れないようにしたい。

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