【中級のプロジェクトワーク】平成29年度日本語教育能力検定試験Ⅲ問題5の解説

H29試験Ⅲ

試験Ⅲの問題5から数問は毎年、

教室活動の事例が問題になります。

資料が多く、ヒントが散りばめらています。

この過去問解説では

資料からどうやってヒントを探し、答えにたどり着くのか。

私の思考過程を出し惜しみせず、さらけ出します。

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問1の解き方【タスクを設定する際の留意点】

プロジェクトワークについては上記記事参照

プロジェクトワークのことをよく知らなくても

資料を見れば

タスク「『大学情報マップ』を作り、オープンキャンパスで配布する」とあり

各授業の流れも、いろいろなところ「インタビュー」するなど

かなり実践的な内容であることがわかります。

そのような観点から各選択肢を見てみましょう。

選択肢1

文法学習を目的とするのは実践的じゃないですね。

選択肢2

資料を見ると、タスク(目的)のために、90分×4の準備をしています。目的を変えてしまったら、これらの準備が無駄になってしまいます。

選択肢3

目的はタスクの達成であり、学習者の苦手な技能の克服ではありません。

選択肢4

タスク「『大学情報マップ』を作り、オープンキャンパスで配布する」というのは、大学の留学生にとって、現実の生活や興味に結び付いたものです。

よって、答えは4

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問2の解き方【学習者同士で話し合う活動を取り入れる目的】

選択肢1

「学習者同士で話し合う」ことが「言葉の正確さの重要性を理解」することにつながるというロジックが分かりません。

選択肢2

プロジェクトワークにとって大切なのは学習者の主体性です。

教師が決めたことを行うのではなく、学習者が主体となって、どんなタスクをするか、そのタスクを達成するためにどのような過程が必要か、話し合います。

選択肢3

学習者同士の話し合いに、日本人は出てきませんし、社会的関係の構築も体験できないでしょう。

選択肢4

「学習者同士で話し合う」ことで「他の学習者の日本語力をお互いに確認」することはできます。

ですが、それは目的ではなく、副次的なものです。

よって、答えは2

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問3の解き方【会話の聞き手行動の指導内容】

インタビューの聞き手が気を付けること。指導すべきこと。

これは日本語教育というよりも、インタビューの作法を問う問題です。

選択肢1

「それは…ということでしょうか」「つまり…ということですね」など、誤解がないように、相手の発言内容を自分の言葉で言い換えて、理解が正しいかどうか確認することは大切ですね。

常に言い換える必要はないと思いますが、理解が正しいかの確認が必要です。

選択肢2

「わかりません」とはっきり何度も言われると、話し手は気分を害しますね。日本語のインタビュー作法として明らかに不適切です。

わからなかったときは、「すみません、もう一度言っていただけますか」「すみませんが、それは…ということでしょうか」などと聞き返せばいいと思います。

選択肢3

「オーバーラップ」は平成30年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題12問4等で出題されました。ときどき出てくる言葉なので意味を理解しておきましょう。

平成30年度の問題によると

オーバーラップとは、相手と同時に発話して、相手との連帯感を強めること。

平成30年度の文章には「発話の順番が交替されることによって会話は展開されるが、オーバーラップが生じることもある」とあります。

実際の会話を聞いてみるとわかりますが、相づちや質問が相手の発話と同時になることはあります。

これをしないようにすると会話のテンポが悪くなるのではないでしょうか。

あるいは一方的に話す人に対しては、相づちや質問のタイミングもなくなってしまうかもしれません。

よかったら試してみてください。

選択肢4

これも実際の会話を意識して確認すればわかりますが、無言でうなずくことはよくありますし、聞いていることを相手に示せれば無言でも構いませんね。

よって、答えは1

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問4の解き方【教室外活動を行う効果】

選択肢1

社会言語行動とは、社会での言語行動。例えば、インタビューをするために知らない人に話しかけることです。

教室外活動のインタビューをすることで、教科書や教室の中では学べない社会言語行動を身につけることができますね。

選択肢2

規範的な日本語とは、教科書にあるような「正しい日本語」のこと。文法の誤りがないなど。しかし、教室外の世界では、文法的には誤りだったり、くずした日本語を使うこともあります。一時期、流行っていた「わかりみ」「やばみ」「つらたん」などの言葉も規範的な日本語とは言えませんね。

選択肢3

例えば、教室外活動で知り合った日本人とコース終了後も交流をはかったり、教室外活動で行ったことをコース終了後も自分で行ってみたり、自律的に日本語の学習を継続できるきっかけを得ることができますね。

選択肢4

教室外活動を行うことで、教室の中ではチャンスがなかった実生活で要求されるコミュニケーション能力育成の機会を得ることができます。

よって、答えは2

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問5の解き方【大学情報マップを配布する目的】

選択肢1

具体的なゴールがあると達成感が得られます。

選択肢2

「オープンキャンパスで『大学情報マップを配布』」することは実際のコミュニケーション場面といえます。

選択肢3

下線部Eの後をみると、「フィードバックを得る」とあります。このフィードバックの目的は、「大学情報マップ」が実際に役に立ったか調べるためでしょう。

選択肢4

プロジェクトワークの目的は実際に役立つ物を作ることです。日本語の誤りを確認することではありません。

よって、答えは4

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試験勉強を日本語教師の仕事につなげよう

私は2つの日本語学校で働いています。

1つの日本語学校ではプロジェクトワークのようなことはやっていません。

もう1つの日本語学校では中級以降のクラスで週に2回、活動の時間があり

そこでプロジェクトワークを行っています。

私は担当したことはありませんが

主体的な学生が少ないクラスではなかなか大変なようです。

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