【過去問解説】平成29年度日本語教育能力検定試験Ⅲ問題16【2017年】

H29試験Ⅲ
LINE友だち募集中!
はまをフォローする

時事問題の知識問題

時事問題は範囲が広い上に、覚えていないとできない知識問題が多いので、できなくても気にしなくて大丈夫です。

よく出題される知識だけチェックしておきましょう。

第1段落が国内

第2段落が海外

国際交流基金の「海外日本語教育機関調査」は毎回試験に出るので要チェック

スポンサーリンク
LINE友だち募集中!
はまをフォローする

問1の解き方

最近増えてきた外国の人はどこの国だろう?

と考えれば解けるでしょうか。

在留外国人統計】で最新の数字(2020年6月末)を確認

国籍2020年6月末人数構成比2016年6月末人数2014年6月末人数
1中国786,83027.26%677,571648,734
2韓国435,45915.09%456,917508,561
3ベトナム420,41514.57%175,74485,499
4フィリピン282,0239.77%237,103213,923
5ブラジル211,1787.32%176,284177,953
6ネパール95,3673.3%60,68936,107

ベトナムの伸びが目立ちます。

よって、答えは4

スポンサーリンク

問2の解き方

「地域日本語教育コーディネーター研修」なので

地域の日本語教室をイメージします。

私だと以下のようなイメージが浮かびました。

①年配の方がメインの団体が②公共施設やビルの一室を借りて③ボランティアでやっている。

各選択肢を見ます。

選択肢3の「会計状況の把握」や「財務の管理」は

ボランティアと合いません。

よって、答えは3

地域日本語教育コーディネーターに必要とされる五つの役割については下記記事参照

スポンサーリンク

問3の解き方

どの選択肢も実施していそうな事業でこれは難しいですね。できなくても大丈夫。

選択肢1

ODA(政府開発援助)といえば、JICAです。

JICAが実施しているのは海外協力隊の派遣。

「日本語教育」隊員もいますが

「日本語教育の専門家派遣」ではありません。

日本語教育の専門家派遣」をしているのは

国際交流基金です。

選択肢2

海外で日本語教育に従事する教師の訪日研修を実施しているのは、国際交流基金です。

選択肢3

日本留学試験の実施をしているのは、JASSO(日本学生支援機構)です。国内も海外もJASSOです。

国内と海外で実施団体が異なるのは日本語能力試験(JLPT)です。

国内の日本語能力試験:日本国際教育支援協会

海外の日本語能力試験:国際交流基金

選択肢4

短期プログラムで来日する留学生への奨学金の支給は、SISF(佐藤陽国際奨学財団)などが実施しています。

よって、答えは2

スポンサーリンク

問4の解き方

細かい知識問題なので、できなくて大丈夫。

問4と問5は古い情報の知識問題なので気にしない。2018年度の情報をチェック。

中国で学習者が減少した理由(2015年度国際交流基金『海外日本語教育機関調査』23ページ)

『中国では2001年に日本の学習指導要領に相当する「全日制義務教育英語課程標準」が制定されて以降、初等教育における英語導入・強化が進み、また中等教育においても外国語科目として英語を選択する機関が増加している。この潮流は高等教育にも及んでおり、今回の調査においては「英語科目の重視が日本語科目の運営に影響を及ぼしている」と回答した機関が多くみられた。このような英語志向の高まりを背景に日本語専攻の学科・学生数が減り、全体の学習者数減少につながった』

インドネシアで学習者が減少した理由(2015年度国際交流基金『海外日本語教育機関調査』25ページ)

『世界第2位の学習者数を抱えるインドネシアについては、機関数、教師数は微増だったものの学習者数が減少する結果となった。同国においては、2013年の教育課程改定によって、中等教育段階において必修科目だった第二外国語が選択科目になった結果、同教育段階の学習者数が減少し、国全体の学習者数減の要因となった。ただし、中等教育段階でも規模を縮小しつつ日本語の授業を継続した機関や新規機関があったため、国全体の機関数は微増となっている。なお、高等教育では日本への文化的関心などから日本語の履修者が増加し、前回比22.2%の学習者数増加があった。』

選択肢3は「第二外国語科目が廃止」となっていますが

正しくは「必修科目だった第二外国語が選択科目になった」です。

よって、答えは1

参考までに

2018年度国際交流基金『海外日本語教育機関調査』の中国とインドネシアに関する記述は以下の通り

中国

『世界で最も学習者数が多い中国では、2015 年度調査に比べて機関数、教師数および学習者数の全てが増加している。教育段階別にみていくと、初等教育は規模こそ大きくないものの、全教育段階の中で各項目の増加率が最も高い。幼少時から国際的視野を涵養する教育、また中等教育における日本語教育の先行導入を目的とし、初等教育から日本語クラスが設置されている事例が複数の地域でみられる。これまで小学生向けの日本語教材は地方レベルの出版社での刊行に留まっていたが、2017年には中国教育部傘下の人民教育出版社より小学生向け教材『らくらく小学生日本語』が発刊されている。
 また、中等教育においても同様に機関数、教師数、学習者数が揃って大幅に増加している。理由としては、中国語話者にとって比較的学習しやすい日本語を大学入学試験の外国語科目として選択する学生の増加が影響したことが挙げられる。特に南方地域(広東省、貴州省、江蘇省、浙江省等)においてこうした傾向が顕著で、学習者数が著しく増加している。
 一方で、高等教育では機関数、教師数、学習者数のいずれも程度の差こそはあるものの前回調査よりも減少している。背景として、一時期乱立した学科の整理統合のほか、大卒以上の就職市場における必要スキルとして英語が依然最重要視される傾向があり、大学入試を日本語で受験した学生が入学後に学習を継続しないケースもしばしばみられる。
 学校教育以外のカテゴリでは機関数、教師数、学習者数ともに増加している。また、円安や査証取得条件の緩和等による訪日観光客の増加等も背景に、成人層含む民間の教育機関等における学習者が増加しており、昇進や各種資格の取得試験のために日本語を学習する人も引き続き多くなっている。』

インドネシア

『世界第 2 位の学習者数を抱えるインドネシアでは、2015 年度調査と同様に、機関数、教師数が増加している一方で、学習者数は前回よりも減少している。教育段階別にみると、初等、高等、学校教育以外では機関数、教師数、学習者数が揃って増加しているものの、同国の日本語教育において最大の規模である中等教育において前回に引き続き学習者数が減少している。同国は中等教育の学習者数が全体の 9 割以上を占めるが、2013 年の教育課程改訂によって、それまで必修科目だった第二外国語が選択科目になって以来、日本語クラスの開講を取り止めたり、クラスを縮小する中等教育機関が出ていることなどが理由として考えられる。ただし、2015 年度調査に比べると減少幅は小さくなっており、学習者数の減少に歯止めがかかりつつあることもうかがえる。
 初等教育については国全体に占める割合は大きくないものの、前回調査より機関数、教師数、学習者数ともに増加している。初等教育の学習者は西ジャワ州とバリ州に集中しているが、前回調査で初等教育の学習者数が最も多かった西ジャワ州では生徒数の多い公立の小学校で日本語のクラスを取りやめた学校がいくつかあったことが影響し、学習者数は約 2,600人減少している。一方でバリ州では州内の大学と連携しているいくつかの小学校で日本語クラスが新たに確認されたため、約 3,800人学習者数が増加している。
 高等教育についても同様に地域毎に差はあるものの、
学習者数の多いジャカルタ首都特別州や西ジャワ州で増加しており、国全体としては前回調査に比べて増加となっている。
 民間の日本語学校や研修機関等を含む学校教育以外のカテゴリでは、高校卒業程度のインドネシア人が民間の機関において短期間で日本語を学習し、技能実習制度等を利用して渡日するケースがみられる。このカテゴリの学習者数は前回調査に比べて3 倍近くになっており、地方部においても学習者数の増加が顕著な州が多くみられる。2019 年度からは新しい在留資格である「特定技能」が創設され、就労を目的として訪日する人が増加することも見込まれ、日本語学習者数もそれに従って増加する可能性もある。』

スポンサーリンク

問5の解き方

初等教育:小学校

中等教育:中学高校

高等教育:大学・大学院

用語について詳しくは、2015年度国際交流基金『海外日本語教育機関調査』4ページ参照

2015年度国際交流基金『海外日本語教育機関調査』19ページに教育段階別の機関数(2012年度との比較)があります。それによると

増加:初等教育、高等教育、その他の教育、複数段階教育

減少:中等教育

「語学学校等」はありません。

よって、答えは1

参考までに

2018年度国際交流基金『海外日本語教育機関調査』21ページ

増加:初等教育、中等教育、学校教育以外

減少:高等教育

タイトルとURLをコピーしました