なぜ高低アクセントは日本語教師の試験にいつも出るのか

日本語教育能力検定試験の対策

A:Bさんの家に行きたい!

B:うーん、いつかね。

A:オッケー。5日ね!

B:え…。

という悲劇を救うためです。

いつか(高低低)

5日(低高高)

アクセントが変われば意味が変わる。

外国人の日本語が外国人っぽいのはアクセントが変だから。アクセントが正しければネイティブのように聞こえるし誤解も生じない。アクセントを制する者が日本語を制するのです。

だから、アクセントは日本語教育能力検定試験の試験Ⅱ問題1で毎年出題されますし、試験Ⅰにも登場したりします。どこでも見かける日本語教育業界の大人気アイドル、それがアクセントちゃん。

この記事ではアクセントについて解説していますが、読むのが面倒くさい、あるいは目が疲れたという方は動画(聞くだけも可)も用意しておりますので、よかったらどうぞ。今ならアクセントの問題も10問ついています。アクセントに自信がある人はチャレンジしてみてください。

【日本語教師になりたい人必見】日本語の共通語のアクセント【日本語教育能力検定試験の対策】
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アクセントの種類

アクセントとは、単語の中で音が強くなったり弱くなったり、高くなったり低くなったりすることです。

日本語のアクセントは高低アクセント(ピッチアクセント)です。

高低アクセントとは、単語の中で他の音に比べてその音が高いか低いか決まっているものです。

強弱アクセント(強勢アクセント)とは強く読むか弱く読むか。英語はどこを強く発音するかが大事なのは学生のころに勉強しましたよね。

高低アクセントの言語

中国語ベトナム語タイ語、ラオス語、トルコ語

リトアニア語、ラトビア語などのバルト語派

強弱アクセントの言語

過去問:平成30年度(2018)日本語教育能力検定試験Ⅰ問題3(3)

英語、ドイツ語、オランダ語などのゲルマン語派

スペイン語、ポルトガル語、イタリア語、フランス語などのロマンス語派

ロシア語。

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共通語のアクセントのルール

日本語の共通語のアクセントには大切なルールがあります。

ルール①1拍目と2拍目は必ず音の高さが違う。

最初が低けりゃ次は高い、最初が高けりゃ次は低い。同じ高さは嫌よ嫌、ソーシャルディスタンスを保っています。

ルール②1度下がったら2度と上がらない。

単語の中で1度下がった音が再び上がることはありません。落ちぶれたアイドルに這い上がるチャンスなし。アクセント業界はとても厳しい。だから、どこで下がるかがとても大切です。

この下がるところを、アクセントの滝(アクセントの核)と言います。

アクセントの滝とは、アクセントが高→低に変わるところ

落ちるから滝。覚えやすいですね。

アクセントの核とは、アクセントが高→低に変わる最後の高い拍のこと

ただし、アクセントの滝とアクセントの核を同じような意味で使うこともあります。

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アクセントの型

あなた、アクセントの核を持っているんですか? どこにあるんですか? それで、アクセントの型(パターン)がわかります。

アクセントの核があれば起伏式(起伏型)

アクセントの核がなければ平板式(平板型)

平板ちゃんは息の長いアイドルなので上がったまま下がらないのです。ジャニーズの嵐さんですか? 平板という名前のくせに、1拍目→2拍目は低→高ですから気をつけてください。「平らなくせに上がるんじゃねえ!」怒りで拳を握りしめながら覚えましょう。

一方、起伏式とは、アクセントの核(音の下がり目)があるパターンのこと。

アクセントの核がある起伏式は、どこにアクセントの核があるかによって①頭高型中高型尾高型の3つに分けられます。

頭高型とは、1拍目にアクセントの核があるパターンのことです。

例)パンダ(高低低)

中高型とは、途中の拍にアクセントの核があるパターンのことです。

例)におい(低高低)

尾高型とは、最後の拍にアクセントの核があるパターンのことです。

例)おとこ(低高高)

平板型とは、アクセントの核がないパターンのことです。

例)さくら(低高高)

赤線(\)のところで高→低に変わります。

こうして並べてみると、1拍目が高いのは頭高型だけということがわかりますね。「私、いんです…」漢字そのまま覚えやすい!「漢字様、ありがとうございます」拝みながら覚えましょう。

尾高型と平板型の見分け方

尾高型のおとこ(低高高)

平板型のさくら(低高高)

尾高型と平板型は単語だけだと同じアクセントになります。

その後に助詞の「を」あるいは「が」をつけてみましょう。

おとこが(低高高低)

さくらが(低高高高)

尾高型は「が」を付けたら低くなっちゃいましたが、平板型は高いままですね! さすが平さん!

日本語の高低アクセントの機能とは?

過去問:平成30年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題3A

日本語のアクセントである高低アクセントには2つの機能があると言われてます。弁別機能統語機能です。

アクセントの弁別機能とは?

アクセントの弁別機能とは、アクセントで単語の違いが分かる機能のことです。

例えば、「イツカ」を

「高低低」のアクセントで発音すれば「いつか」

「低高高」のアクセントで発音すれば「5日」

アクセントのおかげで語の違いが区別できます。聞いてわかります。

アクセントの統語機能とは?

アクセントの統語機能とは、どこまでが1つの単語か分かる機能のことです。

「統語」の「統」は「まとめる」という意味がありますね。全国統一とか。「語をまとめる」ので、どこまでが1つの単語かわかります。

例えば、「ユキオンナ」を

「低高高低低」のアクセントで発音すれば、「雪女」という1つの単語に聞こえます。妖怪です。『地獄先生ぬ~べ~』のヒロインです。綺麗でセクシーすぎたため、中学生の私は一目ぼれしました。閑話休題。

「低高低高高」のアクセントで発音すれば、「雪・女」という2つの単語に聞こえます。舞い散る雪の中、物憂げな表情で空を見上げている女性が目に浮かびますね。

方言のアクセント

過去問:平成30年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題3A

1.京都、大阪、四国地方のアクセントである京阪式アクセントでは、語頭から高高…と高い音が続くアクセント型の名詞(高起式)があります。

2.一つの語に複数のアクセント型を有する方言もあります。

3.東北・関東・九州などの一部地域は、無アクセントです。アクセントで語が区別できない(無アクセントでは「飴」も「雨」も同じ)ので、前後の文脈から判断します。

アクセントの勉強におすすめのテキスト

アクセントをしっかり勉強したい人は「音声を教える」という本がおすすめです。国際交流基金のシリーズはどれもよい本ばかりですが「音声を教える」が私は特に好きですね。著者は何とあの「まるごと」を作った方。過去にはJLPTの聴解問題の作成も担当されていたようです。エヴァンゲリオン風の問題を作成し当時かなりの話題になったらしい。2ちゃんねるで。この本は試験勉強にもちろん役立ちますが、真価を発揮するのは日本語を教えるようになってから。アクセントの教え方もいろいろ具体的な方法が書かれているのでかなり参考になるかと。

アクセントとイントネーションの違い

なお、アクセントに似ている言葉にイントネーションがありますね。

アクセントは単語の中での音の変化を指します。

イントネーションは文全体の音の変化を指します。

イントネーションについてはまた別の記事で解説します!

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