平成30年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題3Aの解説【アクセント】

関西弁のアクセントH30試験Ⅰ

平成30年度(2018)日本語教育能力検定試験 試験Ⅰ問題3Aは【アクセント】です。

また来たー! アクセントちゃん! 大人気ですね。

問題3は毎年ABCDの4つに分かれていて(平成24年度はEも)、4つのトピックが言語一般から出題されます。文法問題が多いです。分からない言葉も出てきますが、文の中にヒントが隠されていたりするので、たくさん過去問と向き合って、解くコツを身につけたい。

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過去問解説(1)アクセントの機能

(1)はアクセントの機能を選ぶ問題ですね。選択肢を見ると(ア)は弁別認知の2択。(ア)の前に語の意味を区別すると書いてある。これがヒントですね。弁別と認知。どちらに区別するという意味があるか? 弁別ですね。

弁別とは、違いを理解した上で区別すること

例えば、「アメ」を

「高低」のアクセントで発音すれば「雨」

「低高」のアクセントで発音すれば「飴」

語を区別できます。

(イ)は指示統語の2択。ヒントは(イ)の前に書いてある文の構造や違いを示す。「指示」と「示す」。漢字が同じなので「指示」に飛びつきたくなりますが、ちょ、ちょっと待って。「指示」しても「文の構造」は示せないのでは? 「統語」を見てみよう。「統」という漢字には「まとめる」という意味がある。統一とか。じゃあ、「統語」というのは、語をまとめること? どこで語がまとまるか、とか、構造っぽいぞ。

統語とは、語をまとめること

例えば、「オオカミオトコ」を

「低高高高高低低」と発音すれば、「狼男」と1語に聞こえますね。満月の夜に変身するあれです。

「高低低低低高高」と発音すれば、「狼・男」と2語に聞こえますね。男のオオカミ? オスのオオカミ? あるいは、オオカミと人間の男がいるのでしょうか。

この統語機能によって、文の構造、どこまでが1語なのか、わかりますね。

よって、答えは2です。

なお、

認知機能とは、めてる。覚えたり考えたり理解したりする頭の機能全般のこと。

指示機能とは、す。例えば、指示語の「それ」などは指し示す指示機能がありますね。

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過去問解説(2)超分節的特徴

超分節的特徴??? 分からない、オワタ……と、諦めそうな貴方に、試験マニアの私が小手先のテクニックを伝授します。

小手先のテクニック①

不適当なものを選ぶ問題で、答えがわからない場合、知らない言葉を選ぼう

  1. 「フォルマント」知らない。
  2. 「イントネーション」知ってる。
  3. 「リズム」知ってる。
  4. 「ポーズ」知ってる。

よって、答えは1

このテクニックは100%ではありませんが、「知っているものは勉強したことがあるから適当なものだ。知らないものは勉強したことがないから不適当なものだ」という理屈です。

超分節的特徴とは

赤い本の索引には「節」が載っているのですが、この問題は「節」なので気を付けてください。

分節とは、音けること。

例えば「こねこさん」は「こ・ね・こ・さ・ん」に分けることができます。

超分節的特徴とは、分節えた特徴。1つ1つの音ではなく連続した音の特徴のこと。韻律的特徴ともいいます。アクセント、イントネーション(抑揚)、リズム、ポーズなどです。

①アクセント

例えば、高低アクセントは、他の音に比べて低いか高いかなので1つの音ではなく連続した音の特徴ですね。

②イントネーション(抑揚)

イントネーションは文全体の音の上がり下がりのことなので連続した音の特徴ですね。

③リズム

リズムとは、例えば3拍子のリズムなど決まった型が繰り返されることなので連続した音の特徴ですね。

④ポーズ

ポーズとは、一時停止。ちょっと止まること。例えば「こねこ」とすぐに発音せずに「こ・ねこ」と発音。「こ」と「ねこ」の間にポーズをとる。次の音にすぐ行かず区切ることなので1音ではできない。連続した音の特徴ですね。

なお、フォルマントとは、この記事によると、「音色の特徴を決定づける、他の帯域に比べて特に強く出ている周波数のピークのこと」だそうです。

フォルマントは日本語を教える際に必要な知識ではないので覚えなくて大丈夫です。

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過去問解説(3)強弱アクセントの言語

こういう問題は知っているかどうかなので知らなければ鉛筆転がして次に行きましょう。

タイ語やベトナム語は中国語と似てて、音の上がり下がり、声調があったよな。同じグループかな? じゃあ仲間外れはポルトガル語かな? という風に私は考えました。

  1. タイ語 高低アクセント
  2. 中国語 高低アクセント
  3. ベトナム語 高低アクセント
  4. ポルトガル語 強弱アクセント

よって、答えは4です。

過去問解説(4)標準語のアクセント

解き方

こういう問題は、各選択肢のルールに当てはまらない例を探していくわけですが、考え過ぎると、あっという間に時間が過ぎてしまう恐ろしいワナです。分からなければ鉛筆転がし、次に行きましょう。

ただ選択肢2は基本的なルールなのでこのルールを覚えている人は、他の選択肢を検討する必要なく、すぐに答えが出るかと。答えは2です。

私も以前の動画で紹介していますのでよかったらどうぞ。

【日本語教師になりたい人必見】日本語の共通語のアクセント【日本語教育能力検定試験の対策】

他の選択肢も見ていきましょう。

1.検定(低高高) 能力(高低低)  解説(低高高)

これを見てみると、語末から3拍目で下がっているのは「能力」だけなので「多い」とは言えなさそうです。

3.一拍名詞の「歯」と「葉」に助詞「を」をつけてみよう。

「歯を(高低)」→頭高型(1拍名詞のとき名詞の次が下がるのは尾高型ではなく頭高型

「葉を(低高)」→平板型(1拍名詞のとき名詞の次が上がるのは平板型

日本語教育能力検定試験完全攻略ガイド第4版p429参照

1種類じゃないですね。

4.

どの拍もアクセントの核(下がり目)になりえることを考えると拍の数だけアクセントの型があると、さらに核のない平板型もあるので、拍数をnとしたらn+1の可能性があると。

例)3拍の場合(3+1=4パターン)

  1. 高低低   頭高型
  2. 低高低   中高型
  3. 低高高(低)尾高型
  4. 低高高(高)平板型

「尾高型」の場合、次の助詞が下がります(例:おとこが)、平板型の場合、次の助詞が下がりません(例:さくらが)。

と考えると選択肢4は正しそうなのですが、「ちょ、待てよ」と。

あえて「動詞の辞書形」と書いているのはなぜか? 

「n+1」という基本のままなら、「動詞の辞書形」いらないよね? と考えます。

ここでふと気づく。「尾高型」と「平板型」を見分けるときは、後ろに助詞の「を」や「が」を入れるけれど、動詞の辞書形の後ろに格助詞の「を」とか「が」って来るっけ

「逃げるが勝ち」

みたいに「ことわざ」では使うけれど…。普通は来ないよな。だから3種類と考えます。

用語の意味

漢語名詞とは、音読みの名詞。古い時代の中国から入ってきた言葉。

複合名詞とは、数の名詞がして1つになった名詞。

1拍名詞とは、1拍の名詞

3拍動詞とは、3拍の動詞

過去問解説(5)方言のアクセント

小手先のテクニック②

選択肢1と2は「見られない」と言い切ってますね。こういう例外を認めない選択肢は誤りの可能性が高いです。知らなかった人はぜひ覚えておいてください。

というわけで選択肢3と4を比較します。方言はいろいろあるので、その種類の数が共通しているとは思えないですよね。常識的に考えて。だから答えは4

念のため、選択肢1と2も見ておきましょう。

1.近畿地方の京阪式アクセントでは、高く始まった場合(高起式)、高高と続くこともある。

例)はんしん(高高低低)

山下好孝著『関西弁講義』p71より

関西弁が勉強できる面白い本でした。

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2.日本人の多くが使っているSNSのLINE 

皆さんはどう発音しますか?

低高高の平板式?

高低低の頭高式?

2パターンあるようです

というわけで、1つの語に複数のアクセント型はあります。

解説動画

この問題の解説動画も用意しましたのでよかったらどうぞ。勉強は反復が大事です。サイトを読んで考える。YouTubeを聞いて考える。繰り返してみてください。

平成30年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題3A【アクセント】の解説
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