現代日本語文法は日本語の文法を網羅した本としては最高の本です。
だから皆さんに読んでほしい!
ですが難しすぎて挫折する人ばかりでした。
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本日の問題
【 】内に示した観点から見て、他と性質の異なるものを1つ選べ。
(23)【「から」の用法】p123-124
1 お盆と正月は、移動する人が多いから、新幹線が込む。
2 このパソコンは高性能で安いから、よく売れている。
3 時間がないから、旅行に行けない。
4 息子はよく宿題を忘れたから、先生に怒られてばかりいました。
5 道がぬれているから、雨が降ったのだろう。
第4章条件節 第1節【条件節とは】
1. 条件節の4タイプ
p93~
条件文とは、ある事態が、別の事態を引き起こすこと。
順接条件文とは、仮定的な因果関係を表す文
順接条件文の例)猫を触ると、心があたたかくなります。
順接条件文の条件を表す節「猫を触ると」を順接条件節といいます。
逆接条件文とは、因果関係が予測に反して成り立たない文
逆接条件文の例)毎晩ケーキを食べたのに、痩せた。
逆接条件文の条件を表す節「ケーキを食べたのに」を逆接条件節といいます。
順接 | 逆接 | |
---|---|---|
仮定的 | 猫を触ったら幸せになる | 猫を触っても幸せにならない |
事実的 | 猫を触ったので幸せになった | 猫を触ったのに幸せにならなかった |
2. 仮定的な条件文と事実的な条件文の関係
p94~
①猫を触ったら、幸せになった…順接(きっかけ)
②猫を触ったので、幸せになった…順接(原因・理由)
③猫を触っても、幸せにならなかった…逆接
④猫を触ったのに、幸せにならなかった…逆接
①と②は違いがあるので、それぞれを①順接条件節②原因・理由節と呼ぶ。
③と④には違いがあまりないのでまとめて逆接条件節と呼ぶ。
順接 | 逆接 | |
---|---|---|
仮定的 | 順接条件節 | 逆接条件節 |
事実的 | 原因・理由節 | 逆接条件節 |
3. 誘導推論
p95~
誘導推論とは、条件文の裏に暗示される意味のこと。
・猫がいるなら、行く。
上の文は「猫がいなければ、行かない」という意味を暗示する。これが順接条件文の誘導推論。
第4章条件節 第2節【順接条件節】
1. 順接条件節の規定
p96~
順接条件節を表す基本形式は「ば」「たら」「と」「なら」
丁寧形とつながるのは「たら」「と」のみ
・終わりましたら、こちらのボタンを押してください。
「なら」のみ、非過去形にも過去形にもつながる。
・日本に来るなら遊ぼうよ。
・日本に来たなら遊ぼうよ。
1.3 順接条件節のタイプ
p98~
仮説条件文とは、まだ起こっていない事態の仮定的な因果関係を予測する文
・おにぎりを食べたら、元気になるだろう。
反事実条件文とは、現実とは逆の事態が起こっていれば別の結果が起こったであろうことを予測する文
・おにぎりを食べたら、元気になったのに。
一般条件文とは、因果関係が一般的に常に成立することを示す文
・腐ったおにぎりを食べたら、お腹を壊します。
反復条件文とは、反復的な因果関係を表す文
・私はお酒を飲んだら、すぐ顔が赤くなる。
事実条件文とは、原因も結果も事実である文
・お酒を飲んだら、顔が赤くなった。
2. 仮説条件文「ば」「たら」「と」「なら」
p99~
2.1 意味と用法
まだ起こっていない事態を表す仮説条件文は「ば」「たら」「と」「なら」で表せる。
事実的な仮説条件文とは、主節の事態は未実現だが、従属節の事態が実現している仮説条件文
・私は毎日10時間勉強してきた。これだけ勉強したら、試験に合格するだろう。
2.2 形式間の違い
「たら」の特徴
p100~
もっとも広い範囲で使えるのは「たら」
「たら」は、従属節あるいは主節に疑問語を含むことができる。
・何時間勉強したら、試験にうかりますか。
「たら」は主節の発見にも使える。
・ここを右に曲がったら、図書館があります。
「ば」の特徴
p101~
「ば」は主節が判断を表す文によく使われる。
・この本を読めば、わかるかもしれない。
「ば」は望ましい結果を引き起こすために必要な条件を提示する場合も。
A:どうすれば、試験に合格しますか。
B:毎日10時間勉強すれば、合格できますよ。
「と」の特徴
p102~
「と」は、主節の事態が必ず起こる。一般条件、反復条件、事実条件に使われる。
・春になると、桜が咲く。
主節に好ましくない結果が来る場合は、1回的な未実現の仮定的な事態を表せる。
・今勉強しないと、明日の試験に落ちる。
「なら」の特徴
p103~
「なら」は、話し手が受け取ったばかりの情報を仮定的に取り上げる。
A:来週、東京に行くんだ。
B:え、東京に来るなら、遊ぼうよ。
3. 反事実条件文「ば」「たら」「なら」
p105~
反事実条件とは、従属節・主節ともに反事実の事態であり、予測された因果関係が実現しなかったこと。半事実条件は「ば」「たら」「なら」で表す。
・猫がいたら、幸せなのに
→事実は、猫がいない(従属節)、幸せじゃない(主節)
4. 一般条件文「ば」「と」
p106~
一般条件とは、自然の法則や科学的な法則のように、従属節の事態が成立した場合に必ず主節の事態が成立するという関係が、過去、現在、未来の時間に関わらず成立すること。一般条件は「ば」「と」で表すことが多い。話し言葉では「たら」もよく使われる。
・水を冷やすと氷になる。
5. 反復条件文「ば」「と」(「たら」「なら」)
p107
反復条件とは、従属節の事態が成立した場合に必ず主節の事態が成立するという関係が繰り返し成立すること。反復・習慣は「ば」「と」で表すことが多い。
・彼は時間があると、いつもネットカフェに行く。
6. 事実条件文「たら」「と」(「ば」)
p108~
事実条件とは、過去に1回の事態が成立したこと。
・猫を触ろうとしたら、ひっかかれた。
○久しぶりに友達の家にいったら、猫がいた。
×久しぶりに友達の家にいって、猫がいた。
×久しぶりに友達の家にいったら、友達と話した。
○久しぶりに友達の家に行って、友達と話した。
7. そのほかの順接条件節
p110~
省略
8. 複合的な順接条件節
p115~
省略
第4章条件節 第3節【原因・理由節】
1. 原因・理由節の規定
p121~
原因・理由節とは、ある事態を引き起こす別の事態を表す節
2.「から」と「ので」
p122~
「から」「ので」は、①事態の原因・理由②判断の根拠を表す。
3.「ため(に)」
p127~
「ため(に)は、事態の原因・理由を表す。判断の根拠を表すことはできない。
4. テ形・連用形
p128~
テ形や連用形が原因・理由を表すことがある。
イ形容詞のテ形の原因・理由)天気が悪くて、外に出られなかった。
イ形容詞の連用形の原因・理由)天気が悪く、外に出られなかった。
動詞のテ形の原因・理由)ご飯を食べて、元気になった。
動詞の連用形の原因・理由)ご飯を食べ、元気になった。
5.「のだから」「からには」「以上」「うえは」
p130~
「のだから」「からには」「以上」「うえは」は、従属節の事態を確かな事実と示して、そこから必然的な主節につながる。
・試験に申し込んだからには、合格したい。
6.「おかげで」「せいで」
p133~
「おかげで」:望ましい結果を引き起こした原因
「せいで」:望ましくない結果を引き起こした原因
・彼女のおかげでこの会社で働くことになりました。
・彼女のせいでこの会社で働くことになりました。
7.「だけに」「だけあって」
限定を表すとりたて助詞「だけ」は、
「だけに」「だけあって」の形で、原因・理由を表す。主節は、程度・状態を表す形容詞が多い。
8.「ばかりに」
p136~
限定を表すとりたて助詞「ばかり」は
「ばかりに」の形で、原因・理由を表す。
9.「ものだから」「もので」
p137~
形式名詞「もの」は
「ものだから」「もので」の形で、原因・理由を表す。話し手にとって主観的・個人的な判断。
・連絡が遅れてすみません。最近、忙しかったもので。
10.「ことだから」「ことだし」
p138~
「ことだから」「ことだし」は、話し手の判断や行為要求の根拠となる事情を表す。
・日本語教育能力検定試験も終わったことだし、ディズニーランドでも行こうか。
11. そのほかの原因・理由節
p140~
省略
12. 因果関係の不確定性を提示する原因・理由節
p145~
「からか」「ためか」「せいか」「おかげか」は、従属節の事態が主節の事態の原因・理由であることが不確定であることを表す。
・ニンニクを食べたせいか、口がくさい。
「のか」は、従属節の事態の成立が不確定
・ニンニクを食べたのか、口がくさい。
第4章条件節 第4節【逆接の条件節】
1. 逆接条件の規定
p146~
逆接条件文とは、2つの事態の間に予測された因果関係が実現しないことを表す文。
逆接条件文の例)新しいおもちゃを買ったのに、猫が遊んでくれない。
逆接条件節のうち①仮定的な場合は逆条件節②事実的な場合は逆接節という。
①逆条件節の例)アメリカに行っても、英語は上手にならないだろう(仮定的)
②逆接節の例)アメリカに行ったのに、英語が上手にならなかった(事実的)
2. 逆条件節
p146~
逆条件節とは、仮定的な場合を表す条件節
・明日は雨が降っても、ディズニーランドに行く。
3. 逆接節
p156~
逆接節とは、事実的な場合を表す条件節
・昨日は台風が来たのに、ディズニーランドに行った。
本日の問題の答え
【 】内に示した観点から見て、他と性質の異なるものを1つ選べ。
(23)【「から」の用法】p123-124
1 お盆と正月は、移動する人が多いから、新幹線が込む…「〜から」は事態の原因・理由を表す。
2 このパソコンは高性能で安いから、よく売れている…「〜から」は事態の原因・理由を表す。
3 時間がないから、旅行に行けない…「〜から」は事態の原因・理由を表す。
4 息子はよく宿題を忘れたから、先生に怒られてばかりいました…「〜から」は事態の原因・理由を表す。
5 道がぬれているから、雨が降ったのだろう…「〜から」は判断の根拠を表す。
5のみ判断の根拠
よって、答えは5