【過去問解説】平成26年度日本語教育能力検定試験Ⅲ問題10

H26試験Ⅲ
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平成26年度日本語教育能力検定試験Ⅲの問題10は【語彙知識と初級の語彙指導】です。

問1
プライミング効果とは、先の刺激の処理が、後の刺激の処理に影響を及ぼすこと。
よって、「先」というキーワードがある2が正解です。
プライミング効果の意味が分からない場合は、問題文の本文を見ます。
「語の意味」「によってネットワーク化されて記憶に貯蔵」とあります。
「語の意味によってネットワーク化される」というのは、類似語を関連付けて覚える等のことであると分かります。
よって、正解は2です。

問2
コロケーションとは、「風邪」といえば「引く」のように、「通常一緒に使われる単語と単語の繋がり」のことです。
よって、正解は3です。

問3
チャンク(まとまり)とは、単語や文法などの細部にこだわらない、複数の語のまとまりのこと。チャンキングとは、複数の語をまとまりとして処理すること。
よって、正解は2です。

問4
1,人の名前を覚えるときも、水野真紀さんと水野美紀さんだと、類似性が高いので、どっちがどっちか分からなくなる記憶の干渉が起こってしまいます。
よって、正解は1です。

問5 初級学習者に新出の対義語・類義語を指導する際の留意点について不適当なものを選ぶ問題です。
1,「きれいな人」といえても「汚い人」とはいえません。すなわち「きれいな」と「汚い」は完全な対義関係にはありません。そのことを学習者に理解させるために、語の意味に合わせてそれぞれ異なる場面設定で導入したほうがよいと思います。
2,「長い」「短い」の使用頻度が分かりませんでしたので、グーグル先生の力を借りました。
「長い」の検索結果は、約 153,000,000 件
「短い」の検索結果は、  約 66,100,000 件。
よって、少なくともインターネット上では、「長い」と「短い」には使用頻度にはっきりとした違いがありました。とすれば、初級学習者に対しては、使用頻度が高い、つまり必要度も高い「長い」から導入したほうがよいといえそうです。
3,問4の答えのように、類似性のある語を同時に覚えようとすると記憶の干渉が起こってしまいます。記憶の干渉を避ける一つの方法は、それぞれに別のイメージを植え付けることです。よって、「異なるものと組み合わせて導入したほうがよい」といえそうです。
4,試験Ⅰの問題9の問3でやりましたように、日本語と母語では似たような意味の単語でも、使える範囲が全く同じとは限りません。よって、4は明らかに誤りです。
よって、正解は4です。

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