【過去問解説】平成26年度日本語教育能力検定試験Ⅲ問題9【トップダウンとボトムアップで聞く力をつける方法】

H26試験Ⅲ
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新解説 問2

下線部B「テキストから得た情報自分の既有知識と関連づけて解釈する段階」の処理の例を選びます。

つまり「テキストから得た情報」と「自分の既有知識」を分けることができるかがポイントです。

各選択肢の「テキストから得た情報」と「自分の既有知識」を確認します。

選択肢1

テキストから得た情報:日本の学校の制服に対する討論

自分の既有知識:この意見に自分が賛成できるかどうか考えるには、例えば今まで学んできたことや人経験などが考慮される。これらは既有知識といえる。

選択肢2

テキストから得た情報:日本の食生活

自分の既有知識:自分の国の食生活

選択肢3

テキストから得た情報:記憶の仕組みに関する話

自分の既有知識:実際に自分が物事を忘れたときの経験

選択肢4

テキストから得た情報:日本の会社経営に関する講義

自分の既有知識:なし

選択肢4のみ「自分の既有知識と関連づけて解釈する」とは言えない。

よって、答えは4

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旧解説

平成26年度日本語教育能力検定試験Ⅲの問題9は【初級クラスの聴解練習】です。

問1 早口で、難しい単語・表現が含まれている教材を使う目的を選ぶ問題です。
2,予測や推測は、速いスピードでも、遅いスピードでもします。
3,早口で、難しい単語・表現が含まれている教材を使う目的は、曖昧な理解ではなく明確に意味を理解しようとする習慣を身につけさせることである。
何を言ってるのか分かりません。曖昧な理解ではなく明確な意味を理解しようとする習慣を身につけさせてどうしたいんでしょうか。何の役に立つのか分かりませんので間違いです。
4,「知らない語があった場合は聞き流さないで、その都度その語に注意を向ける」そして、どうしろと? 何の役に立つのか分かりませんので、間違いです。
よって、正解は1です。

問2
1,日本の学校の制服に対する討論(「テキストから得た情報」)を聞いて、この意見に自分が賛成できるかどうか考えるには、「自分の既有知識と関連づけて解釈する(例:自分の国と比較する)」必要があります。
2,日本の食生活についての説明(「テキストから得た情報」)を、自分の国の食生活と比べながら、日本の食生活の特徴を理解するのは、「自分の既有知識と関連づけて解釈する段階」といえます。
3,実際に自分が物事を忘れたときの経験と照らし合せながら、分かりにくい部分を推測するのは、「自分の既有知識と関連づけて解釈する段階」といえます。
4,固定資産税という言葉がわからなかったので、「税」で終わる言葉は税金の種類と推測する、というのは、テキストの言語処理をする段階であり、解釈をする段階ではありません。
よって、正解は4です。

問3 ボトムアップで聞く力に関して、下位レベル、すなわち知覚の段階の処理の失敗で、テキスト全体の理解ができない例を選ぶ問題です。
1,「美容院」を「病院」?
どうやら、「びよういん」を「びょういん」と聞き間違えたようです。知覚の段階の処理の失敗です。

よって、正解は1です。

問4
実際に(心の中で)発音してみると、
3,洗濯機は「せんたっき」とも発音することに気がつきます。
よって、正解は3です。

問5
1,シャドーイングは、次々と流れてくる音声を、聴きながら発音することなので、意味内容の理解は重視されず、自動化もされません。
2,音声を聞き逃さないようにしながら、そのまま正確に発声するシャドーイングは、ワーキングメモリをフルに使うので、ワーキングメモリを鍛える効果があるとされています。その結果、より多くのワーキングメモリがテキストの理解に使えるようになると思います。
3,聞いた文をそのまま発声するので、単音より、プロソディーに関して効果を発揮します。
4,いちいち意識していたら聞き逃してしまうので、音の知覚段階は自動化されるようになります。耳から入った音をそのまま口から吐き出すロボットのようなイメージです。
よって、正解は1です。

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