【過去問解説】平成27年度日本語教育能力検定試験Ⅲ問題12

H27試験Ⅲ
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平成27年度日本語教育能力検定試験Ⅲの問題12は【言葉の言い換え】です。

問1
1,熟年については、wikipedia参照
2,化学のことを「ばけがく」と呼ぶのは、科学との混同を避けるための湯桶読み。
3,医療ドラマでよく出てくるように、お医者さんは手術を「オペ」って言いますよね。
4,モラルハザードを「倫理崩壊」というのは、外来語の言い換え。
よって、正解は3です。

問2
隣接ペアとの再会です。たった八問前に出会ったばかりなのに。
隣接ペアには「苦情ー謝罪/弁明」のように、第二成文を二つ以上持つものがあります。
このうち、肯定的対応を優先応答(preferred response)、否定的対応を非優先応答(dispreferred response)といいます。人はなるべく肯定的対応を取ろうとし、否定的対応をする場合でも、まずは肯定的な対応をしようとしたり(「すみません(謝罪)。ですが〜(弁明)」)、言いにくそうに、婉曲的に否定的対応をします。そのため、肯定的対応を優先応答といいます。

よって、正解は4です。

問3
質の公理は、平成24年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題11で出題されています。
質の公理とは、自分が間違いだと思っていることや不確かなことを言わないことです。
よって、正解は3です。

問4
1,「何か」の意味
2,「など」の意味。単数なのに複数にぼかしています。
3,軽んじる意味。
4,「何か」の意味。
よって、正解は2です。

問5
日本語教育能力検定試験に合格するための用語集』の63頁、64頁が参考になります。
また、平成23年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題11に【フェイスとポライトネス】が出題されていますので、要チェックです。

ポジティブ・フェイス…他人に認められたい、よく思われたい、という自分のフェイスを高めたい積極的な気持ち。
ネガティブ・フェイス…他人に邪魔されたくない、バカにされたくない、自分の領域を守りたい、というフェイスを守るための自己防衛的な意識。

ポジティブ・ポライトネスとは、ポジティブフェイスを満足させるための発話行為。
例…仲間内でのみ通じる言葉を使う、冗談を言って親しい雰囲気をつくる、など。
ネガティブ・ポライトネスとは、ネガティブフェイスを保障するための発話行為。
例…必要以上に謝る、直接的な表現を避ける、など。

 黄美花著『接触場面の自然会話における「なんか」の機能のポライトネス効果』によると 、
ブラウン&レヴィンソンポライトネス理論は、フェイス侵害行為が行われるときにその侵害度を少しでも軽減するためのストラテジーとして、ポライトネスを位置づけているが、フェイスの侵害行為にかかわらない、あって当たり前のポライトネスもあるはず。そこで、フェイス侵害行為にかかわらない当たり前のポライトネスを無標ポライトネス、フェイス侵害行為にかかわるポライトネスを有標ポライトネスと捉えた。

仲間内の言葉はポジティブ・ポライトネス、控えめに表現するための「ヘッジ」はネガティブ・ポライトネスとして機能する。
よって、正解は3です。 

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