【過去問解説】平成27年度日本語教育能力検定試験Ⅲ問題14

H27試験Ⅲ
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平成27年度日本語教育能力検定試験Ⅲの問題14は【言葉の地域差】です。

問1 日本の方言の比較表が参考になります。
1,九州方言の特徴についてはwikipedia参照。
2,近畿方言は、母音を丁寧に発音するので、母音の無声化が起こりにくいです(詳しくはwikipedia参照)。
3,東京方言では、アクセントの下がり目の有無や位置で単語を区別します。
例…アメ(低高)→飴
  アメ(高低)→ アメ
  ニワトリ(高低低高)→二羽鳥(※東京方言では1語につきアクセントの山は1カ所のみ)
  ニワトリ(低高高高)→鶏
なお、二羽鳥と鶏のように、アクセントによってどこまでが語のまとまりかを示すことをアクセントの統語機能といいます。
4,東北方言については、wikipedia参照。 
よって、正解は2です。

問2 
選択肢のうち、方言形の数が少ないのは、「目」「口」のような基本的な身体部位を表す語彙です。
よって、正解は1です。

問3 周圏分布をなす文法形式の例を選ぶ問題です。
1,来たらが中央(関西)、来ればが周辺(関東)です。
2,見よが中央(関西)、見ろが周辺(関東)です。
3,知らん中央(関西)、知らないが周辺(関東)です。
4,断定の助動詞「だ」「じゃ」「や」の分布図によると、「や」が中央、「だ」が周辺です。
よって、正解は1です。
方言周圏論については、探偵ナイトスクープの企画が元になった面白い本があります。

 問4
混交(混淆)とは、意味や形の似た二つの語・句が混じって、新しい語・句ができることです。
例…「やぶる」と「さく」から「やぶく」
よって、正解は4です。

問5
1,方言は地域や世代によって異なりますので、どの地域、世代の言語変種を選定するか考慮する必要があります。
2,方言は地域によって異なりますので、普遍性を考慮しなくてもよいと思います。
3,教材を開発する上で、何のために用いるか(方言を理解させることか、使用させることか)を考慮する必要があります。
4,教材を開発する上で、その目的(学習者は地域社会の中でどのような役割を担うことが期待されているか)を考慮する必要があります。
よって、正解は2です。

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