試験Ⅱの問題2は発音上の問題点です。
問題3は単音での問題点
問題2はプロソディでの問題点
プロソディとは、まとまった音の性質。韻律とも。
間違いが1つとは限らないところが問題2の難しさです。
問題2の詳細な対策は以前別の記事で書いて動画も作っていますので
まだの方はご覧ください。
試験Ⅱ聴解問題2の解き方
選択肢に出てくる単語はほぼ決まっています。
まずは毎年出てくるレギュラーたちを覚えましょう。
まずは各用語の意味を理解しましょう。
拍の長さ | 日本語は基本、ひらがな1つで1拍です。拗音(きゃきゅきょ)はセットで1拍 |
プロミネンス | 文のどこを強く言うか。相手に伝えたい情報を強調します。 |
アクセントの下がり目 | アクセントに違和感があるか。単語ごとに考えます。日本語は高低アクセント。どこで下がるかが大事です。 |
句末・文末イントネーション | 文(句)ごとに考えます。最後が上がるか下がるか。このブログで句末・文末イントネーションは↓↑で表します。 |
問題2は「教師が、学習者の発音上、問題のある個所を言い直します」
つまり、「学習者の発音」と「教師の発音」の違うところが答えです。
間違いは1つとは限りません。
聞く前に選択肢をチェックしておかないと
間に合いません。
先に選択肢を見て
間違いを予想しておくのです。
どうやって?
同じ言葉を探しましょう。
選択肢に何度も出てくる言葉は正解の可能性が高いです。
同じ言葉を同じマークで分けておきましょう。
例えば
拍の長さは:〇
プロミネンスは:△
アクセントの下がり目は:アンダーライン(下線)
句末・文末イントネーションはマークなし
いつ選択肢を見るか?
説明と例の時間です。
問題2の説明が55秒
問題2の例が59秒
合計で2分近くあります。
問題2が始まったらすぐに例を見て
いつもと同じ例であれば説明と例を聞く必要はありません。
この間に各問題の選択肢をチェックしましょう。
1番
聞く前に選択肢を見ます。
拍の長さ:a,b
プロミネンス:b
アクセントの下がり目:c,d
句末・文末イントネーション:d
2回出てくる「拍の長さ」と「アクセントの下がり目」が怪しい
と考えながら聞きます。
教師が言い直しているところを確認
L:それはざねんですねえ。
T:それはざんねんですねえ。
「ざんねん」が「ざねん」になっています
4拍が3拍
拍の長さが違います。
よって、答えはa
2番
聞く前に選択肢を見ます。
拍の長さ:a,b
プロミネンス:a
句末・文末イントネーション:b,c,d
アクセントの下がり目:c
3回出てくる「句末・文末イントネーション」が怪しい
と考えながら聞きます。
教師が言い直しているところを確認
L:へえ、どんな映画を見ったんですか↓
T:へえ、どんな映画を見たんですか↑
質問なのに学習者の文末イントネーションは上がっていません。
また
「見た」が「見った」になっています。
2拍が3拍
拍の長さが違います。
よって、答えはb
3番
聞く前に選択肢を見ます。
拍の長さ:a
アクセントの下がり目:a,c
プロミネンス:b
句末・文末イントネーション:c,d
2回出てくる「アクセントの下がり目」と「句末・文末イントネーション」が怪しい
と考えながら聞きます。
教師が言い直しているところを確認
L:へえ、そうですかあ↑
T:へえ、そうですかあ↓
学習者の文末イントネーションは疑問のように上昇調になってしまっています。
また
「そうです」のアクセントは「高低低低」
「そ」の後、下がるはずなのに
学習者は最初から低い「低低低低」になっている。
よって、答えはc
4番
聞く前に選択肢を見ます。
拍の長さ:a,b,c
プロミネンス:b
アクセントの下がり目:c,d
3回出てくる「拍の長さ」が怪しい
と考えながら聞きます。
教師が言い直しているところを確認
L:今日は、かぜをひいて休んでいます。
T:今日は、かぜをひいて休んでいます。
「ひいて」のアクセントは「低高高」
ですが学習者は「高低低」
アクセントが違います。
よって、答えはd
今回は「最も多いキーワードが答え」というテクニックが通用しない問題でした。
こういうこともあります。
5番
聞く前に選択肢を見ます。
拍の長さ:a,b
プロミネンス:a,c
アクセントの下がり目:b,c
句末・文末イントネーション:c,d
どれも2回ずつ出てくるので怪しい
と考えながら聞きます。
教師が言い直しているところを確認
L:友達とダンスのサークルに入りました↑
T:友達とダンスのサークルに入りました
質問は「どのサークルに入ったんですか」
なので大事な情報は「ダンス」
「ダンス」を強調していうべきなのに「入りました」を強調しています。
プロミネンスに問題があります。
また
答えているのに、文末のイントネーションが上昇調になっており、質問のように聞こえる。
よって、答えはc
6番
聞く前に選択肢を見ます。
拍の長さ:a,b
プロミネンス:a,c
アクセントの下がり目:b,c,d
句末・文末イントネーション:d
3回出てくる「アクセントの下がり目」が怪しい
と考えながら聞きます。
教師が言い直しているところを確認
L:時間があれば行きます。
T:時間があれば行きます。
「土曜日のパーティに行きますか」という質問に対して
「時間があれば」という条件を付加しています。
この条件は新情報
新情報は相手が聞き逃さないように強く言う(プロミネンス)必要がああります
伝えるべきは「時間があれば」
なので「時間があれば」を強調すべきなのに
学習者は「行きます」を強調しています。
プロミネンスに問題があります。
ですが、プロミネンスだけの選択肢はありません。
aはプロミネンスと拍の長さ
cはプロミネンスとアクセントの下がり目
拍の長さの誤りはすぐわかりますが
拍の長さが違うところはありませんでした。
「行きます」のアクセントが変かな?
そうです。
「行きます」のアクセントは「低高高低」
ですが学習者は「低高低低」
アクセントが違います。
よって、答えはC
3番もそうでしたが
アクセントの誤りが他の誤りとセットで出てくると難しいですね。
動詞の活用形のアクセントを調べるのにおすすめのサイト
なお、動詞の活用形のアクセントを調べるときは、
日本オンラインアクセント辞書のOJADが便利です。