平成30年度日本語教育能力検定試験Ⅱ問題4【会話】の解説

日本語教育能力検定試験,聴解,音声,対策,解説1.言語と社会の関係

試験Ⅱの問題4は、毎年、日本語を母語とする人と日本語を母語としない人の会話などを聞いて複数の問いに答える問題です。

最初に問題4の説明があるので、その間に各問題をできるだけ読んでおきましょう。そうしましょう。

各問題の音声が流れる前にもちょっと間(ポーズ)があるので、せっせと問いと選択肢を読みましょう。1回しか聞けませんからね。

①各問題の説明を読む。

どんな状況? 会話か発表か? だれが最初に話すか?

聞く前に状況を確認しておくことで、推測できる。

②問いと選択肢を読む。

聞く前に聞くべきポイントを確認。

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1番 日本語の授業で発表

問1 音声的な特徴

聞く前に確認。1番は「発表」

問1の各選択肢のポイントも確認(私はポイントを〇で囲います)

  • a.「上昇調のイントネーション」…最後が変に上がっていないか?
  • b.「頭高アクセント」…多くの単語のアクセントが「高」から始まっているか?
  • c.「多様なフィラー」…「あのう」「えっと…」「まあ…」などのフィラーが多用されているか?
  • d.「不自然な位置でポーズ」…変なところで止まっていないか?

では、聞いてみましょう。

「行った」「旅行」「東京」「紅葉」「とても」「はじめて」「まんじゅう」などの単語が標準語のアクセントと異なり、頭高になっています。

※頭高ということは分からなくても、アクセントに違和感があるのは簡単にわかりますね?

よって、答えはb

問2 話し方の特徴

聞く前に各選択肢のポイントを確認

  • a.「スピーチスタイル」…スピーチスタイルとは、「行った」「おいしかった」などの普通体(カジュアル)で話すか、「です・ます」などの丁寧体で話すか。
  • b.「複文」…複文とは、述語が複数ある文。例)猫カフェに行ったとき、彼女に出会った。
  • c.「言いさし」…言いさしとは、途中で終わる文。例)昨日は、忙しくて…。
  • d.「美化語」…美化語とは敬語の一種。相手と関係ない敬語。例)「茶」「菓子」

聞いてみると、「お話いたします」と敬語を使っていたり、「日光に行った」「おいしかった」などカジュアルに話していたりします。

よって答えはaです

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2番 教授と留学生の会話

問1 

聞く前に確認、2番は会話。最初に話すのは留学生。

さらに、各選択肢のポイントを確認

  • a.「目上の人を労っている(いたわっている)」
  • b.「与益表現」…与益表現とは、「~てあげる」私の行為はあなたに益がありますよ。例)教えてあげる
  • c.「受益表現」…受益表現とは、「~てくれる」「~てもらう」他の人の行為で私に益がありました。例)教えてくれる
  • d.「尊敬語と謙譲語を混同」

聞いてみると、手作りをクッキーを強引に食べさせ、先生の荷物を強奪し、二人きりのアフターを狙うという留学生の手口に唖然…これは恋の力なのでしょうか? あるいは単位が欲しい下心? 二人の行く末が気になるところですが、我々は無慈悲にも問題を解かねばなりません。聴解試験に一時停止はありません。ロマンスに浸る時間などないのです。というわけで邪念を振り払うと「運んであげますよ」「してあげられる」に違和感。

よって答えはb

問2 断り方

聞く前に選択肢のポイントをチェック

  • a.「理由」
  • b.「感情」
  • c.「言いよどみ」…言いよどみとは、すらすら言わないで「えっと…」「あのう…」「ちょっと…」など口ごもること。
  • d.「謙遜表現」

「甘いものはちょっと…」「今日はまだちょっと…」 

言い淀んでますねー。

よって答えはc

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3番 作文について

問1 誤解した理由

聞く前に確認、3番は作文を見ながら会話。最初に話すのは教師。

各選択肢のポイントをチェック

  • a.「特殊拍」…特殊拍とは、撥音(「ん」)、促音(小さい「っ」)、引く音(伸ばす音。カタカナの「-」)のこと。
  • b.「アクセントパターン」
  • c.「音声にも表れ」
  • d.「表記にも反映」

教師は作文を見ながら「このおやこうどんというのは…」と話しているので、表記に反映された誤りのせいで誤解しています。

よって答えはa

問2 この教師がしていないこと

聞く前に選択肢の大事なところを〇で囲う。

  • a.「繰り返」
  • b.「書き直」
  • c.「表記上の間違い」
  • d.「発音上の間違い」

聞いて確認

「「おやこうどん」じゃなくて「おやこどん」です。長くないです」→d

「作文に書いてある「う」は消しましょう」→c

「「親子どん」になおしてください」→b

よって答えはa

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授業に役立つ豆知識

2番の問題のように、「てあげます」を不適切な場面で使う学習者は多いです。それは学習者が悪いのではなく、教科書と教え方が悪いです。こういう与益表現は実際の会話ではかなり使う場面が限定されるということを伝えていないからです。「てあげる」に限らず、新しい文型を導入するときは、どんな場面で使うのか使えないのかをよく考えてから、学生に伝える必要があります。みなさんは、どんなときに「てあげる」を使いますか?

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