日本語教育能力検定試験では、副詞の分類(様態副詞・程度副詞・陳述副詞)が頻出テーマの一つです。
本記事では、各副詞の意味・用法・例文を詳しく解説し、違いがしっかりわかるようにまとめています。試験対策だけでなく、日本語教師としての説明にも役立つ内容になっています。
副詞とは?
副詞とは、動詞・形容詞・副詞・文全体などを修飾する語であり、品詞の一つです。
副詞は、意味や働きによって様々に分類されますが、ここでは以下の3つに注目します:
- 様態副詞
- 程度副詞
- 陳述副詞
様態副詞とは?
◆ 定義
様態副詞(ようたいふくし)は、動作や状態が「どのように」行われるかを表す副詞です。
言い換えると、「どんなふうに?」という問いに答える副詞です。
◆ 例文
- ゆっくり歩く(→どのように歩くか)
- しっかり勉強する
- にこにこ笑う
- 静かに話す
◆ ポイント
- 修飾対象:主に動詞
- 動作の様子や態度、方法を表す
- 擬態語や擬音語も多く含まれる(例:どきどき、にこにこ、しっかり)
程度副詞とは?
◆ 定義
程度副詞(ていどふくし)は、動詞・形容詞・副詞などの程度・強さを表す副詞です。
◆ 例文
- とても寒い(→どのくらい寒いか)
- かなり高い
- 少し疲れた
- まったくわからない
◆ ポイント
- 修飾対象:動詞・形容詞・副詞
- 多くは「程度(どのくらい)」を問う文に答える
- 否定と共に使われる副詞も多い(例:あまり~ない、まったく~ない)
陳述副詞とは?
定義
陳述副詞(ちんじゅつふくし)は、話し手の判断・感情・態度を文全体に対して述べる副詞です。
「話し手の気持ち」や「推量」「評価」が込められます。
例文
- たぶん雨が降るだろう(→話し手の推量)
- きっと成功するはず(→話し手の期待)
ポイント
- 修飾対象:文全体
- 文の冒頭に置かれることが多い
- 話し手の「モダリティ(心的態度)」を表す
【比較表】様態副詞・程度副詞・陳述副詞の違い
| 分類 | 修飾対象 | 意味・働き | 例 |
|---|---|---|---|
| 様態副詞 | 主に動詞 | 動作・状態の「様子・方法」 | ゆっくり、しっかり |
| 程度副詞 | 動詞・形容詞など | 「どのくらいか」の程度や強さ | とても、少し、まったく |
| 陳述副詞 | 文全体 | 話し手の判断・気持ち・態度 | たぶん、実は、幸い |

