【CLL】コミュニティ・ランゲージ・ラーニングとは?

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コミュニティ・ランゲージ・ラーニング(Community Language Learning, CLL) は、学習者中心のアプローチを特徴とする語学学習法で、心理学者カール・ロジャーズの「カウンセリング・ラーニング(Counseling-Learning)」の概念を基盤に開発されました。アメリカの教育学者チャールズ・カラン(Charles A. Curran)によって提唱されたこの方法は、学習者の心理的な安全と感情を重視し、教師がカウンセラーのような役割を果たす点に特徴があります。


特徴:

  1. 学習者主導の学習
    • 授業は学習者のニーズや興味に基づいて進められます。学習者が自分たちで学びたい内容を決め、それを教師がサポートします。
  2. グループ活動を重視
    • 学習者は小グループで話し合いや対話を行い、自然な形で言語を習得していきます。この中で相互支援が促進され、心理的な安心感が生まれます。
  3. 教師の役割:カウンセラー
    • 教師は、学習者に指示を与えるのではなく、学習者をサポートする「ファシリテーター」や「カウンセラー」の役割を果たします。学習者が困ったときには助け舟を出し、不安を和らげます。
  4. 母語の使用
    • 学習初期には母語を積極的に使い、学習者がリラックスして学べる環境を作ります。これにより新しい言語への恐怖心を軽減します。
  5. 録音を活用
    • 学習者が対話を録音し、その内容を後で聞き返しながら学習します。これにより、自分の進歩や課題を客観的に確認できます。

授業の進め方(一般的な流れ):

  1. 自由対話
    学習者が話したい内容を母語で話し、それを教師が学習言語に翻訳して提供します。
  2. 録音
    対話の内容を録音し、後でそれを繰り返し聞いて学習します。
  3. 振り返りと練習
    録音した会話を聞きながら、発音や文法、語彙を確認し、学んだ内容を練習します。
  4. 学習者の発展
    学習が進むにつれて、学習者は母語を使わず、学習言語で直接対話できるようになります。

長所:

  • 学習者の心理的な負担が少なく、リラックスした環境で学習できる。
  • 学習者同士の相互支援や協力が促進される。
  • 学習者の自発性や主体性を育む。
  • 実生活で使える実践的な言語能力が身に付く。

短所:

  • 教師に高度なカウンセリングスキルが求められる。
  • 学習者が積極的に参加しない場合、効果が出にくい。
  • 構造的な文法学習や体系的な語彙習得が難しい場合がある。

日本語教育への応用:

日本語教育においても、この方法は初心者向けのクラスや、学習者の緊張をほぐすための導入活動として活用されることがあります。特に、学習者が自分の体験や考えを自然に日本語で表現できるようになるための基盤を作るのに役立つとされています。

この方法は特に、「学習者の心理的な安心感を大切にしたい」と考える場面で効果的です。

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コミュニティランゲージラーニングでやりたい過去問

令和6年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題5問2

令和3年度日本語教育能力検定試験Ⅲ問題10問3

平成25年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題4問2

平成24年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題4問5

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