平成25年度日本語教育能力検定試験Ⅲの問題6は【中級修了者対象の語彙・文法・読解・聴解・作文の試験と上級レベルの作文授業】です。
問1
1,解答者の心理的な負担を軽減することと、振り分け試験の信頼性を高めることに関連性はないと思います。いえ、心理的負担がなさすぎて結果のばらつきが出ないと振り分け試験としての機能が果たせなくなってしまうので、むしろ信頼性を低めることになるのでしょうか。
2,偶然による正解が多くなると振り分け試験としての信頼性が低くなってしまいます。偶然による正解を防ぐため選択肢数が適当かどうか検討するのは、信頼性を高める方法として適当だと思います。
3,上級コースへの振り分け試験なので、解答者のレベルによる影響が必要です。
4,思わず吹き出してしまいました。選択肢4は日本語教育能力検定試験に対する批判です。すでに過去問を数年分解いた方はご存知のように、日本語教育能力検定試験は毎年問題形式がほぼ同じなのです。よって、この選択肢は正しくありません。もし、4が正しいなら、日本語教育能力検定試験は信頼性が低いと自ら主張することになってしまいます。
よって、正解は2です。
問2 中級修了者のライティングの能力を測るテストです。
1,400字程度の文章を読むことはリーディングの能力が要求されるので、ライティング能力を測るテストとして適当ではありません。
2,初級レベルなので、中級修了者の上級コースへの振り分けテストとして適当ではありません。
3,適当だと思います。
4,スポーツ好きが有利になってしまうので、ライティング能力を測るテストとして信頼性に問題があります。
よって、正解は3です。
問3
1,メモをとらないと忘れてしまうので、取ってもよいのでは。
2,気をつけないと、欠点ばかり指摘して二人の仲が険悪になってしまう恐れがあるので、まずは良かった点を褒めるというのは大事だと思います。
3,〈資料2〉作文の評価シートをみると、語彙・表現の正確さも評価の観点になっていますので、文法・語彙にもこだわる必要があります。
4,率直に言い過ぎると殴り合いの喧嘩が始まるかもしれないので、場合によっては間接的な言い方も必要です。
よって、正解は2です。
問4
「面白いが全体的に冗長」というのは内容に関する評価なので、評価シートの観点「内容」を見てみると、「努力しよう」の段階では、「内容が多すぎたり、少なすぎたり」(分量)という基準から評価しているのに対し、「できた」の段階では、「内容の選択」という基準から評価しているので、評価基準が変わってしまっています。
よって、正解は4です。
問5
4,評価としてその「合計点」を相手に伝えさせるのでは、具体的にどの観点がどんなふうに良くなかったのかが分からず、改善できません。
よって、正解は4です。