【過去問解説】平成27年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題4

H27試験Ⅰ
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平成27年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題4は【外国語教授法とその日本語教授法への影響】です。

試験Ⅰの問題4は毎年、教授法が出題されています。
ということは、
平成28年度の試験Ⅰ問題4も教授法に関する問題だろうと予想できます。

各年度の問題4を比較して、教授法についてどのように問われているのか要検討です。

問1
ダイレクト・メソッド直接法)は、学習者の母語を使わずに教える教授法。

フォネティック・メソッドは、19世紀後半に文法訳読法への批判からフィーエトルスウィートイェスペルセンらが提唱した音声重視の教授法(ヒューマンアカデミー『日本語能力検定試験 50音順 用語集』253頁)。 

オーラル・メソッドは、応用言語学者パーマーによって開発された。ダイレクト・メソッドの理論的不備を、応用言語学の異論によって補った。言語観と学習感はダイレクト・メソッドから引き継ぎ、話し言葉や帰納的理解を重視している。教材・教具はダイレクト・メソッドと共通で、絵カード、レアリア、ジェスチャーなどを用いる。ダイレクト・メソッドと同じく、反復と代入を中心とした口答練習。利点及び欠点は、ダイレクト・メソッドと同じく、音声面の能力向上は期待できるが、理解に時間がかかりがち。パーマーは戦前来日し、ともに仕事をした長沼直兄(なおえ)によってオーラル・メソッドが日本語教育に導入された。

ナチュラル・メソッド自然法)は、幼児の言語習得過程を取り入れ、音声面を重視するという考えから開発された直説法による教授法。グアンのグアン法サイコロジカル・メソッドともいう)や、ベルリッツのベルリッツ・メソッドがある。ナチュラル・アプローチとは異なる教授法なので注意。

サイコロジカル・メソッドとは、幼児が思考の順に言葉を使うことに着目した教授法。一連の出来事を起こった順に文に分け、教師が動作と言葉で表現し、学習者にそれを再現させる手法。シリーズ・メソッドともいう。山口喜一郎台湾での日本語教育に導入。

よって、正解は3です。

問2
1,SAPL(Self-Access Pair Learning サプル)は、スイスのファーガソンによって開発された、ペアやグループで学習するコミュニケーション重視の学習法。学習者の自律性を重んじる。

2,TPR(Total Physical Response)は、心理学者アッシャーが提唱した聴解優先の教授法。幼児の母語習得過程が理論的基板。

3,CLL(Community Language Learning)は、心理学者カランカウンセリングの理論を基板に提唱した教授法。カウンセリング・ラーニングとも呼ばれる。

TPRとCLLについては、平成24年度日本語教育能力検定試験Ⅰの解説 問題4の問5に詳しい説明があります。

4,VT法(Verbo-Tonal Method)は、言調聴覚論に基づいた発音指導法

よって、正解は2です。

問3 サジェストペディアの特徴を選ぶ問題です。平成24年度日本語教育能力検定試験Ⅰ 問題4の問4はサジェストペディアに関連した用語を選ぶ問題です。解説はそちらをご参照ください。
正解は1です。

問4 オーディオ・リンガル・アプローチ(オーディオ・リンガル法)の特徴を選ぶ問題です。
なお、平成24年度日本語教育能力検定試験Ⅰ 問題4の問1では、オーディオ・リンガル法の練習方法に関する問題が出されています。

1,オーディオ・リンガル・アプローチのミム・メム練習では、教師のモデル発音をまねして復唱することで発音矯正を行います。

2,オーディオ・リンガル・アプローチでは、口答能力を重視しています。利点は、文法を体系的に理解できること、反復による記憶促進および正確さの向上が期待できること。欠点は、アーミー・メソッド同様、練習が単調になりがち、コミュニケーション能力が育ちにくいこと。
四技能とは、読む・書く・話す・聞く。

3,オーディオ・リンガル・アプローチでは、ミム・メム練習パターン・プラクティス文型練習)、ミニマル・ペアの練習などで、「刺激ー反応」が繰り返され、習慣形成が促されます。

4,オーディオ・リンガル・アプローチでは、上記の口答練習を通じて、母語話者並みの正確で素早い反応が要求されます。

よって、正解は2です。

問5 コミュニカティブ・アプローチ(コミュニカティブ言語教授法)における重要な役割を果たしたシラバスとは、ウィルキンズの機能シラバスです。
機能シラバスは、誘う、依頼する、助言する、ほめるなど、言語の持つコミュニケーション上の働きを中心にしたものです。
よって、正解は3です。

なお、平成24年度日本語教育能力検定試験Ⅰの解説 問題4の問2ではコミュニカティブ・アプローチが重視する現実のコミュニケーション過程の三つの要素に関する問題が出されています。
また、機能シラバスについては、平成24年度日本語教育能力検定試験Ⅲの問題4の問5で出題されています。

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