問1の解き方
話者の属性のうち、年齢や性差などの観点から言葉の差異を捉えたのは社会方言です。
よって、答えは2
社会方言について詳しくは下の記事をどうぞ
ネオ方言と新方言については下の記事をどうぞ。
問2の解き方
選択肢1
先生とか大人の前で聞かれてまずいことでも若者言葉なら先生は分からないからだいじょうぶ!
選択肢2
激怒した時も「激おこぷんぷん丸」といえばマイナス評価の語も和らぎますね。
選択肢3
「ぴえん」こえて「ぱおん」とか感覚に訴えているでしょう。
選択肢4
新しい面白い言葉を使うことで、会話に笑いを生じさせて楽しむことができます。マジ卍(まんじ)。
よって、答えは3
問3の解き方
ある集団で話されている言葉を集団語と言います。
1 ダイクシス
ダイクシスは「これ」など場面によって意味が決まる言葉。詳しくは下の記事をどうぞ。集団語ではありません。
2 スラング
スラングは俗語のこと。ある特定の集団で使われる俗語は集団語といえます。
3 職業語
ある特定の集団で使われる職業語、いわゆる業界用語は集団語と言えます。
例)弁護士は予定がある時に「差し支えです」といいます。
4 術語
術語とは学問・技術などの特定の分野で定義が限定されて使われる語。集団語といえます。
例)法律用語で「善意」とは何も知らないことです。好意のことではありません。
よって、答えは1
問4の解き方
隠語とは、特定の職業・社会の者の間だけで通用する特殊な語。仲間以外の者から秘密を守るためや、仲間同士であることを確認しあうために使われる(大辞林より)
1 「妊婦」を意味する「マタニティ」
外来語
2 「犯人」を意味する「ホシ」
警察の間だけで通用する隠語
3 「賭け事」を意味する「ギャンブル」
外来語
4 「離婚1回」を意味する「バツイチ」
俗語。籍を抜いた時に戸籍原本に「×」が記入されることが語源とされる。
よって、答えは2
問5の解き方
1 「わがはい」は知的階級の男性を想起させます。
2 「それがし」は武士を想起させます。
3 「わちき」は江戸の遊女を想起させます。
4 「あたい」は元気な若い女の人を想起させます。
よって、答えは1
以下は日本語教師になる前に書いた解説です。
※他の解き方、考え方を知るのに役立つので、あえて残しています。
どこよりも早い解説付き解答速報。
平成28年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題11は、【方言と言葉の変種】です。
問1
1,階層方言という言い方はあるのでしょうか。初めて見ました。
2,社会方言については、 上の記事をご参照ください。
3,4,ネオ方言と新方言については、ネオ方言と新方言の違いをご参照ください。
年齢や性差などの観点から言葉の差異を捉えたのは、社会方言と思料しますので、正解は2です。
問2 「若者言葉」を使用する目的に関する問題です。
3,逆ではないでしょうか。理性よりも感覚に訴えるため。
よって、3が正解であると思料します。
問3
日本語教育能力検定試験には大好きなキーワードがいくつかありますが、そのうちの一つがダイクシスで繰り返し繰り返し問われています。
ダイクシス(直示)とは、発話された場面によって意味が決まるもの。
詳しくは、 平成25年度日本語教育能力検定試験Ⅲの問題4【直示(deixis)】をご参照ください。
よって、正解は1です。
問4「隠語」の例を選ぶ問題です。
2,「犯人」を意味する「ホシ」は刑事ドラマでも有名です。
2が正解です。
問5「特定の人物像を想起させる言葉」(役割語)の例を選ぶ問題です。
1,「わがはい」は知的階級の男性を想起させます。なのに、実際は猫であるというギャップが『吾輩は猫である』の面白さかと存じます。
正解は1です。