新方言とネオ方言の違いとは?

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新方言の意味

新方言とは、「めっちゃ、あつい」のように、共通語(「めっちゃ」という言葉はなかった)とも伝統方言(大阪弁に「めちゃ」はあった)とも異なるが、若年層がよく使っているもの。若い人が今まで共通語になかった語彙を方言から取り入れて使う現象。井上史雄による命名。

元は方言だが、元の方言の使われ方とは異なる新しい方言の使われ方なので「新方言」という。

東京新方言と呼ぶ人もいます。

東京新方言とは、各地の方言が東京に逆流し、若い世代を中心に使われるようになったもの。

井上史雄氏の新方言の定義

①若い人が

②くだけた場面で使う

③共通語にない言い方

若い世代が今広がりつつあり、改まった場面では余り用いられず(つまり文体が低く)、しかもいわゆる標準語、共通語とは語形が違うもの

[書評]井上史雄著『新しい日本語ー≪新方言≫の分布と変化ー}より

新方言の具体例

・京都の方言「まったり」(とろりとした口当たりの食べ物)→新方言「まったり」(落ち着いた感じの気分)

・東京多摩地方の方言「うざったい」→新方言「うざい」

・北関東の方言「かったるい」→新方言「だるい」

うっとうしい、わずらわしいなどの意味で使われる「うざったい」は、元は東京・多摩地方の方言。80年代に山の手(東京23区の西部)で若者が使うようになり、全国に広まった。短縮した「うざい」という言葉まで生まれている。

「うざったい」は、意味も変化した。多摩地方で使われていたころは▽雨でズボンのすそがぬれたとき▽庭の石を動かして虫がたくさんいたとき--などの、具体的な不快感や気味悪さを表現する言葉だった。が、最近は「今日の残業うざい」などのように、経験する前の面倒くささやうっとうしさも表すようになった。

北関東の方言だった「かったるい(たるい)」も、元は疲れた、だるいという意味だったが、今は「明日の朝練(部活動などの朝の練習)たるい」などと、やはり経験する前の乗り気でない気分を表す言葉として使われ、意味がずれてきている。

呼び名でわかる:東京新方言 各地の言葉が逆流 毎日新聞

・静岡近辺で使われていた「ら抜き言葉」→新方言「ら抜き言葉」

「来れる」「見れる」などの「ら抜き言葉」は、もともとは静岡近辺で使われていた言葉。「出席ですか?」という質問を「出席です?」というふうに「か抜き」して使うのは広島近辺の方言だという。「見ちった(見ちゃった)」「いくない(よくない)」「かたす(片付ける)」は北関東。「違かった(違った)」「みたく(みたいに)」は東北南部の方言で、埼玉、千葉などを経由して東京に入った。

呼び名でわかる:東京新方言 各地の言葉が逆流 毎日新聞

・大阪弁「むかつく」(吐き気がする気持ち悪い)→新方言「むかつく」(他人に対して腹が立つ)

大阪など「西日本発」の東京新方言も多い。吐き気がするような気持ち悪い状態を表す「むかつく」は、「他人に対して腹が立つ」意味の言葉となって全国区に。恐れおののく意味で使われた「びびる」は、今では「びっくりする」と同義語になっている。「ど真ん中」などで使われる「ど」は戦後、野球解説者がメディアを通じて広めたとか。ちなみに、それまで東京では「まん真ん中」と言っていたそうだ。

これまでMSN毎日インタラクティブを通じて行った調査で「あなたが当然、標準語だと思って使っていた言葉は」との質問に、複数の横浜市の読者が「じゃん」と回答した。「そうじゃん」「いいじゃん」などと言葉の最後に使う。全国的におなじみで、横浜地方の方言だという認識は根強い。

井上さんによると「『じゃん』は新方言で、元々は中部地方の言葉。山梨、静岡あたりから戦前、横浜に入って一部の人が使うようになり、戦後に広まった」。東京では60年代後半以降、使われるようになったそうだ。ところで、新方言とは何か。井上さんの定義は(1)若い人が(2)くだけた場面で使う(3)標準語にない言い方。全国各地に存在するが、東京新方言は地方から東京に入り、全国へ広まる傾向を持つ。

呼び名でわかる:東京新方言 各地の言葉が逆流 毎日新聞
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ネオ方言の意味

ネオ方言とは、共通語と地域方言が接触し、二つの形式が混ざり合って生まれた言葉( ・令和元年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題11問3より)

共通語の影響のもとで生まれた新しい方言の形(「方言コスプレ、新方言、ネオ方言… 平成になって復権した理由とは?」より)

共通語と方言の接触により、その混交形式として生まれた中間的なスタイル。

ネオ方言の例

「行かへなんだ」(関西方言)+「行かなかった」(共通語)→「行かへんかった」(ネオ方言)

「あきまへんがな」(関西方言)+「だめじゃないか」(共通語)→「あかんやないか」はさらに、「あかんやんか」「あかんやん」

※「方言コスプレ、新方言、ネオ方言… 平成になって復権した理由とは?」より引用

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ネオ方言と新方言の違いとは?

新方言を命名した井上史雄氏によると

新方言の定義は①若い人が②くだけた場面で使う③共通語(標準語)にない言い方

です。

③のように今までの共通語になかったものを新方言と呼んでいます。

一方で、ネオ方言方言が共通語の影響で変化したものです。

新方言 :共通語←方言…共通語(東京方言)が地域方言の影響を受けた

ネオ方言:方言←共通語…地域方言が共通語(東京方言)の影響を受けた

新方言、若い人が今まで共通語になかった語彙を方言から取り入れたもの

ネオ方言は、方言が共通語の影響を受けて変化したもの

国際交流基金ソウル日本文化センター『カチの声』新方言とネオ方言参照)。

ただし論者や書籍によって定義が異なるときもあるので、「ネオ方言」と「新方言」の区別が日本語教育能力検定試験に出るなら、問題文で定義が示されると思います。

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ネオ方言と新方言の違いを問う問題

アルクの『日本語教育能力検定試験に合格するための社会言語学10』121頁や『CD付 増補版 日本語教育能力検定試験 合格するための問題集』20頁問3に、ネオ方言と新方言を見分ける問題があります。

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新方言やネオ方言が出題された日本語教育能力検定試験の過去問

令和元年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題11問3【ネオ方言の説明】

平成29年度日本語教育能力検定試験Ⅲ問題14問4【新方言の説明】

平成28年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題11問1選択肢3【ネオ方言】選択肢4【新方言】

平成23年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題13問3【「混交」の例である「ネオ方言」の説明】

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