【過去問解説】日本語教育能力検定試験Ⅰ問題13【平成28年度】2016年

H28試験Ⅰ

※この解説は日本語教師になる前に書いたものです。今年の試験前までに書き直します。

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平成28年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題13は、【フェイス】です。

問1 
言語人類学者ブラウン&レビンソンのいう「フェイス」とは、 人間がもつ基本的欲求(basic wants)であり、他者に理解、共感されたいというポジティブ・フェイスと、他者に立ち入られたくない、邪魔されたくないというネガティブ・フェイスがある(研究社日本語教育事典176R)。

よって、正解は1です。

問2
1,談話管理理論とは、談話における諸現象を、話し手の心的操作による談話の管理という観点から説明しようとする理論(研究社日本語教育事典147L)。

2,発話行為理論とは、オースティンが提唱した発話行為(言語行為)の3分類(①発語行為②発語内行為③発語媒介行為)。詳しくは、 平成24年度日本語教育能力検定試験Ⅲの問題4【発話行為】の解説をご参照ください。

3,ポライトネス理論とは、互いの「フェイス」を傷つけないように言語的配慮を行いながらコミュニケーションを行うことに関する理論。

4,アコモデーション理論とは、話す相手によって自分の話し方やスタイルが変わることを説明しようとする理論で、日本語では適応理論応化理論と呼ばれる(日本語教育能力検定試験に合格するための用語集96頁)。

以上より、正解は3です。

問3「ポジティブフェイスへの配慮」の例を選ぶ問題です。
ポジティブフェイスに配慮した発話の例、ネガティブフェイスに配慮した例は平成23年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題11【フェイスとポライトネス】で問われています。

日本語教育能力検定試験に合格するための用語集63頁によると、
・ポジティブフェイス…他人に認められたい、よく思われたい、賞賛されたい、といった自分のフェイスを高めたいという積極的な気持ちのこと。

・ネガティブフェイス…他人にじゃまされたくない、バカにされたくない、自分の領域を守りたい、というフェイスを守るための自己防衛的な意識のこと。

1,相手を避難するときに「私が悪いのかな?」と聞くのは、控えめな表現なので、ネガティブフェイスへの配慮です。

2,相手の壊したものを「壊れちゃったかも」と言うのは、控えめな表現なので、ネガティブフェイスへの配慮です。

3,相手の髪型の変化について話題にするのは、普通の男なら気づかない些細な変化でも君のことなら何でも気づく、そう、僕ならね。だから、君も僕を受け入れてくれ、など他者に理解されたいという欲求の現れなので、ポジティブフェイスへの配慮です。

4,相手が断りやすい表現で飲み会に誘うのは、相手が断ったとしても、たまたまその日、彼女は仕事が忙しかっただけなんだ、僕が嫌われているからじゃないんだ、そもそも僕はそんな期待なんかしてなかったし、僕だって仕事が忙しいからむしろラッキーだし、など自己防衛的な意識の現れなので、ネガティブフェイスへの配慮です。

以上より、3が正解です。

問4「フェイス」への配慮よりも伝達の効率性が優先されるのは、例えば、緊急事態のときなので、3が正解です。

問5「フェイス」侵害の度合いの3つの要因に関する問題です。
研究社日本語教育事典175Rによると、
フェイスを脅かす行為(face-threatening acts, FTA)の度合いは、
①話し手と聞き手の社会的距離(social distance)
→選択肢2「話し手と聞き手の社会的距離

②聞き手の話し手に対する力(power)
→選択肢1「話し手と聞き手との力関係

③ある行為がある特定の文化で相手にかける負荷の度合い(rank of imposition)
→選択肢3「特定文化における行為の負担度
の3要素によって見積もられる。

よって、4が正解です。

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