問1の解き方【間接的表現の例】
選択肢1
「棚の上の物を取って」という直接的な表現ではなく
「あそこの棚届く?」という間接的な表現を使っています。
よって、答えは1
間接的発話行為については下の記事をどうぞ
問2の解き方【母語習得】
選択肢1
話し手が猫を指さして「にゃんにゃん」と言うことで、子どもは同じ対象(ネコ)に注意をむけます。それによって「にゃんにゃん」という言葉の意味を推測し習得します。
〇
選択肢2
生まれた直後は母語と外国語の違いはありません。
選択肢3
ことばの発達にはいくつかの段階があります。それは、言語の違いや聴覚障害の有無によるのではなく、どの子供にも基本的に共通する発達の道筋です。
ろう学校.comより
選択肢4
国語文法は小学校でも勉強するように「養育者の発話の模倣」だけでは足りないかと。
よって、答えは1
問3の解き方【語用論的転移の例】
英語で誘う時に使われる
Would you like to ~
を直訳してしまい
「飲みに行きたいですか」
と言ったと思われます。
よって、答えは2
語用論的転移について詳しくは下の記事をどうぞ
問4の解き方【語用論的転移が起こりやすい場合】
選択肢1
距離が近いと思っていると、まさか使い方が違うとは思わないので誤用が置きます。
選択肢2
様々な表現方法が誤用の可能性は確率的に減りそうです。
選択肢3
特異性を持っていると思っている場合は、使い方に気を付けるだろうから誤用は減りそうです。
選択肢4
違うと思っている場合は、同じように使わないだろうから誤用は減りそうです。
よって、答えは1
問5の解き方【タスクを先に行うロールプレイと表現学習を先に行うロールプレイ】
選択肢1
タスクを先に行うほうが縛られないので自由度が高まります。
選択肢2
タスクを先に行う場合は、すでに一定の表現方法を知っている必要があるので、初級前半レベルだときついです。
選択肢3
タスクを先に行う方が自分の手持ちの表現で対応しないといけないので、状況対応力を養うことができます。
選択肢4
タスクを先に行うと自分のしたいこととできることの差に気づきやすいです。
〇
よって、答えは4
ロールプレイの2つの方法について詳しくは下の記事をどうぞ
以下は日本語教師になる前に書いた解説です。
※他の解き方、考え方を知るのに役立つので、あえて残しています。
平成27年度日本語教育能力検定試験Ⅲの問題11は【外国語教育の変遷】でした。
平成28年度日本語教育能力検定試験Ⅲの問題11は【コミュニケーション・スタイルと語用論的転移】です。
問1「間接的表現」といえば「間接発話行為」が思い浮かびます。「間接発話行為」といえば、
平成24年度日本語教育能力検定試験Ⅲの問題4【発話行為】の問3と問4です。
1,棚の上の物を友達に取ってもらいたいとき、「あそこの棚の荷物取ってくれない?」という直接的な表現を用いずに、「あそこの棚届く?」と可能表現にすることで、間接的に気持ちを伝えています。試験Ⅲ 問題3【どのように言うか】の問5選択肢2「難しいです」と同じような配慮ですね。
よって、正解は1です。
問2「母語習得」に関する問題です。
1,子どもが話し手と同じ対象に注意を向けることで、言葉の意味を推測し習得することを理論的基盤にしたのが、TPRではないでしょうか。『幼児の言語習得を促すバイアス』も参考になりました。
正解は1と思料します。
問3 英語母語話者が母語を直訳した結果、語用論的転移となった例
2,英語では、飲みに誘うとき、「Would you like to go for a drink?」(一杯、飲みに行きたいですか?)と言うため、日本語に直訳すると語用論的に不適切になります。
よって、正解は2です。
問4「語用論的転移が起こりやすい場合」
1,母語と目標言語との言語間の距離を近いと感じている場合では、違いを意識せず直訳してしまい、「語用論的転移」が起こりやすいといえそうです。
よって、1が正解と思料します。
問5 ロールプレイには「タスクを先に行う方法と表現学習を先に行う方法がある」ことに関する問題です。
1,表現学習を先に行うと、学習した表現を意識するため、発言内容や表現形式の自由度は低まると思います。
2,タスクを先に行うには、ある程度の表現方法を知っている必要があるので、初級前半レベルの学習者に適してはいません。
3,タスクを先に行う方が、知らない表現にも対応しないといけないので、状況対応力を養うことができます。
4,タスクを先に行うことで、したいこととできることのギャップに気づきやすいです。
よって、正解は4です。