【過去問解説】平成28年度日本語教育能力検定試験Ⅲ問題9【2016】異文化トレーニング

H28試験Ⅲ
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問1の解き方【異文化トレーニング】

例外を認めない選択肢は誤りの可能性が高いので外すというテクニックで解けます。

選択肢1

そのとおりです。

選択肢2

講義形式も行います。大学の講義もあります。

選択肢3

滞在中や帰国後に行うこともあるでしょう。

選択肢4

異文化にはいろいろあるので一度異文化体験をすればトレーニング不要というわけではありません。

よって、答えは1

異文化トレーニングについて詳しくは下の記事をどうぞ

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問2の解き方【自文化中心主義】

選択肢1

自文化の価値基準を、他の文化にも当てはめようとすることが自文化中心主義です。

選択肢2

他の文化と比較して優劣をつけないのは文化相対主義です。

選択肢3

自文化を客観的に見て、その価値を中立の立場で捉えるのは文化相対主義的な考え方かと。

選択肢4

自文化の思考過程は、母語に影響されていると考えるのはサピア・ウォーフの仮説セス。

よって、答えは1

自文化中心主義と文化相対主義について詳しくは下の記事をどうぞ

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問3の解き方【異文化シミュレーションゲーム】

バファバファでは、二つの仮想文化圏に分かれ、それぞれの文化を学習したあと、相互に交流します(令和元年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題8問5選択肢2より)。残念ながらバファバファ人は登場しません。

よって、答えは4

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問4の解き方【ファシリテーター】

選択肢1

意見が対立して議論が進まなくなった場合は、サポートします。

選択肢2

ファシリテーターは議論を促します。

選択肢3

議論を促すために、感情の動きや参加者相互の関係性などの心理的プロセスには関わります。

選択肢4

議論を促すために、参加者の発言に対して、必要があれば質問や復唱を行います。

よって、答えは2

ファシリテーターについて詳しくは下の記事をどうぞ

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問5の解き方【エポケー】

自分とは異なる価値観に遭遇した際はすぐに良い悪いを決めつけず判断を留保したい。そう、エポケーです。

よって、答えは3

エポケーについて詳しくは下の記事をどうぞ

エンパシーは、感情移入のこと。

ラポールについては下の記事をどうぞ

エンブレムについては下の記事をどうぞ

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以下は日本語教師になる前に書いた解説です。

※他の解き方、考え方を知るのに役立つので、あえて残しています。

平成27年度日本語教育能力検定試験Ⅲの問題9は【来日外国人児童生徒と文化受容態度】です。
平成28年度日本語教育能力検定試験Ⅲの問題9は【異文化トレーニングの方法】です。

平成23年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題10【異文化接触】では、「文化に対する気づき」「理解」「対処」の三段階を通して、異文化接触の際に必要となる能力が養われるとしていました。
本問も同じことを言っているのですが、それぞれ「認知レベル」「情動レベル」「行動レベル」と用語が異なっています。
このように、本試験では、過去問と(ほぼ)同じことを言っているのに、違う用語を使ってくることがよくありますので要注意です。

問1「異文化トレーニング」に関する問題です。
「例外を認めない選択肢は誤りの可能性が高い」ストラテジー を使うと、
2,講義形式の学習は行わない
3,滞在中や帰国後に行うことはない
4,過去に異文化体験をしたことのあるものはトレーニング不要
といずれも例外を認めない選択肢なので、残りの1が正解と推測できます。

2,
異文化トレーニングのやり方については、
平成23年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題10【異文化接触】
の問題文で説明されていますので、一部引用します。
ソーシャルスキル(社会的スキル)とは、対人関係における、挨拶・依頼・交渉・自己主張などの技能。(スーパー大辞林3.0)

(引用始め)
学生「(異文化接触で生じる現象の対処は)経験から学ぶしかないのでしょうか。」
教員「いいえ。教育の方法も考えられます。異文化間ソーシャルスキルを学ぶなどするとよいでしょう。」
(引用終わり)

だからその「異文化間ソーシャルスキル」とやらをどうやって学ぶんですか!
とツッコミたくなる問題文でございますが、その答えは異文化トレーニングという本にあります。
異文化トレーニング

こちらの記事でも紹介しましたように、上記本を読むだけで異文化トレーニングできます。講義形式の学習の教科書に最適ですね。
よって、選択肢2は誤りと思います。

3,
異文化トレーニングは、「異文化に接触した際のスムーズな適応のため」行うものですから、滞在中も必要であれば行うべきであり、選択肢3は誤りです。

4,
平成23年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題10【異文化接触】問3の解答のように、異文化接触で生じる現象は「どの文化との接触でも起きる文化一般的な内容と、特定文化との接触で起きる文化特異的な内容」がありますので、過去に異文化体験をすれば、どの異文化にも適応できるというわけではなく、異文化に応じてトレーニングは必要ですから、選択肢4も誤りです。

1,
異文化接触で生じる現象は「どの文化との接触でも起きる文化一般的な内容と、特定文化との接触で起きる文化特異的な内容」がありますので、「参加者それぞれの文化的背景を考慮して、プログラム内容を構築する」必要があります。

以上より、1が正解です。

問2「自文化中心主義」に関する問題です。
自文化中心主義(エスノセントリズム)とは、自己の属する集団のもつ価値観を中心にして、異なった人々の集団の行動や価値観を評価しようとする見方や態度。自民族中心主義。(スーパー大辞林3.0)
※エスノ…「民族」「人種」 を表す接頭辞。

よって、1「自文化の価値基準を、他の文化にも当てはめようとすること」が正解です。

問3「情動レベル」のトレーニングでは、心理テストロールプレイ異文化シミュレーションゲーム等が用いられますが、このうち異文化シミュレーションゲームの名称と内容の組み合わせを選ぶ問題です。

この問いを見た私は、
心のなかで「よっしゃ!」と叫びました。
「異文化トレーニング」の記事で書いた「異文化を理解するためのシミュレーションゲーム」4例(エコトノスアルバトロスバーンガバファバファ)がそのまま出題されたからです。
しかし、内容を読んでいくうち不安になりました。自分で記事を書いたくせに記憶があやふやで、どの名称がどの内容なのか自信が持てなかったのです。
ですが、
バファバファ人というのは見たことがないぞ?
と思い、
なんとか選択肢4をつかみ取りました。

バファバファの正しい内容の説明はこちらのサイトにありました。

問4
スーパー大辞林3.0によると、
ファシリテーターとは、後援者・補助役・まとめ役の意。ファシリテーションを行う人。
ファシリテーションとは、グループによる活動が円滑に行われるように支援すること。特に、組織が目標を達成するために、問題解決・合意形成・学習などを支援し促進すること。また、そのための方法。

よって、正解は2「参加者の考え方や論理の筋道などの思考的なプロセスに関与して、議論を促す」と思料します。

問5 自分とは異なる価値観に遭遇した際に取るべき措置。
1,エンパシーとは、共感。感情移入。
2,ラポールとは、互いに親しい感情が通い合う状態。打ちとけて話ができる状態。(スーパー大辞林3.0)
3,エポケーとは、断定留保。判断中止。
4,エンブレムは、象徴。

以上より、3が正解です。

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