【過去問解説】平成28年度日本語教育能力検定試験Ⅲ問題8【2016】

H28試験Ⅲ

平成27年度日本語教育能力検定試験Ⅲの問題8は【上級レベルの留学生を対象としたクラスにおける読解・口頭表現・作文を組み合わせたグループワーク】でした。
平成28年度日本語教育能力検定試験Ⅲの問題8は【中級前半レベルの文法・読解クラス】です。

授業で使用したテクスト要約+α
タイやベトナムでは入っているのに日本の十二支にネコが含まれていないのはネズミにだまされて神様にあいさつに行くのが一日遅れたから。それ以来、ネコはネズミを追いかけるようになり、トムとジェリーが生まれました。

問1
日本語教育能力検定試験 完全攻略ガイド 第3版194頁によると、
1,ディクトコンポ…文を途中までディクテーションさせ、その続きを考えさせる。

2,ディクトグロス…①まとまりのある内容を持つ短めの文章を、教師が数回音読している間、学習者はキーワードのメモを取る、②その後、学習者が個別に、または他の学習者と協働して、元の文章と同等の内容・構成になるよう、文章を復元していく活動。
CD付 日本語教育教科書 日本語教育能力検定試験 完全攻略ガイド 第3版 (EXAMPRESS)

3,ディクテーション… 読み上げた外国語を書き取ること。また、その試験。(スーパー大辞林3.0)

4,ディクタカンバセーション…なんですかこれは? dictaconversation?

正解は2です。

問2「テクスト」を選ぶ際の留意点
1,注意深く聞かなくても理解できる文章だと習得に結びつきません。インプット仮説。
2,簡単に字句を記憶できる長さだと、ディクトグロスの意味がありません。
3,どこからそのような数字が……
4,中級前半レベルの文法・読解クラスですから、学習対象は文法です。活動の流れ④で「教師が、テクスト中の注意すべき文法項目について説明する」ことからしても、「テクスト」を選ぶ際に大事なのは、「学習対象の文法項目が含まれていること」になります。
よって、正解は4です。

問3
1,振り返ってみるに、小中高大、いずれにおいても、グループ学習において、成績(習熟度)が同程度によって分けられた記憶はありません。同じ中級前半レベルのクラスなのですから、その中でさらに習熟度で分ける必要はないと存じます。

2,学習者の様子を見ながら、テキストを読み上げるスピードを調整する配慮が大事だと思います。問2の選択肢のように簡単すぎても、難しすぎても、習得に結びつきませんから。

3,中級前半なんですから、日本語で頑張ってください。

4,固定する必要はないかと。

よって、正解は2です。

追記)
何の疑問も持たずに正解は2だと決めつけて、よくよくアルク他の解答速報を確認したら、いずれも正解は3になっておりました。日本語教育の経験もないくせに偉そうなことを言って誠に申し訳ございませんでした。
グーグル先生のお力も借りた結果、以下の資料にあたることができました。

中級学習者に対するディクトグロスの実践
ディクトグロスを用いたリスニング能力を伸ばす指導

読んだ結果、考えが変わりました。
2,読み上げる途中でスピードを訂正していたら、学習者の注意力が削がれるのではないかと。
3,あくまで「文法的に正しく整合性のある文章を再構築する」ことが目的なのだから、日本語がうまく話せない学習者には母語使用を認めるべきだろうと。

よって、正解を3に訂正いたします。

問4
「ネコは含まれていない」→「ねこは入られていない」
「ネコがネズミにだまされた」→「ねずみがねこにだました」
など受動表現に問題があるので、正解は1です。

問5 ディクトグロスに期待される効果
1,暗示的な指導…説明しないで自然に習得できるよう誘導
明示的な指導…学習目標となる言語項目を、学習者がはっきり意識するように説明して教える。
活動の流れ③が暗示的指導、④が明示的指導ではないかと存じます。融合されてます。

2,聞くというインプット活動と、話す書くというアウトプット活動を統合してます。

3,私にはどういうことなのかよく分かりませんでしたので、保留。

4,聞いた目標言語を、自分の言葉で書いてみることで、学習者の中間言語と目標言語の認知比較を促せます。

以上より、消去法で3が正解です。

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