【記述対策】平成28年度日本語教育能力検定試験Ⅲ問題17の書き方【2016】

記述問題対策
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私は平成28年度に日本語教育能力検定試験に合格し、日本語教師になったのですが、

平成28年度の記述問題について当時の私が書いたブログ記事をさきほど発見しました!

試験直後に書いた受験生の生の声はレアだと思うので

あえて修正せずにここにのせます。以下は当時のブログ記事です。

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こんな記述問題は想定外でした

思ってたんと違う!
最後の問題を見た瞬間、愕然としました。

順番が前後して恐縮ですが、言いたくて我慢できないので試験Ⅲの解説は記述式問題からさせてください。

私はあまりに驚いたので、平成23年以降の記述式問題について、確認してみました。
以下のとおりでした。

平成23年度記述問題【教室活動の中で、間違いの指摘及び訂正をどのように扱うか】

平成24年度記述問題【『好きくない」について、授業でどのように扱うか。文法的な説明を加えつつ記述】

平成25年度記述問題【初級のアクセント指導をどうするか。東京方言でのコミュニケーションにおいてアクセントが果たす役割についても言及】

平成26年度記述問題【グループ活動における日本語能力差についてどう考え、どのようにグループ構成するか】

平成27年度記述問題【「論理的思考能力を高める」ため授業でディベートを取り入れることについて】

いずれも、
日本語教師としての授業方針
が問われています。

ところが今年の試験問題は、
ただのアドバイス
です。

一応、
教師と学生という立場でありますが、
友人同士であっても答えはさほど変わらないでしょう。

そういうことです。

今回の問題は、日本語教師としての知識が一切不要、なんです。
勉強していなくても、だれでも書ける問題です。
知識は一切問わない、ただ論理的な文章が書ければいい。
問題作成者はそう言っているのです。

昨年までの記述試験で要求されていたのは、
専門性+論理性
でしたが、
今年の記述試験では、
一般常識+論理性
に変わったのです。

しかし、です。
書くのが容易になり、
皆が高得点を取ると予想されるときこそ、要注意です。
基本をおろそかにしたら、自分だけ点が低くなってしまいますから。

次回は、記述問題6ヵ条に沿って書いた私の再現答案を公開します。

2016-10-25 18:04:00

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平成28年度の記述問題の書き方その1【問いに応える】

記述問題6ヵ条に基づいて説明しながら、答案を再現します。

第1条 問いに応える

問いに応えるために、まずは問題文の問いに印をつけます。

1(メイン)「あなたはこのような状況において、この学生にどのようにアドバイスしますか。理由とともに400字程度で記述してください」

2(サブ)「なぜお母さんがそのように言ったのかを推測し、その推測を踏まえて論じてください」

平成27年度記述式問題を解説したときと同じように、まずはメインの問いに応えます(サブの問いから応えたほうが書きやすいという方はもちろんサブが先でも構いません)。

メインの問「あなたはどのようにアドバイスしますか」
応答「贈り物をするときは物を褒めないほうが良いというアドバイスを私はする。」

※太字は問いの言葉です(第2条 問いの言葉をなるべく使う)。

問いに対し、一文で応えたら、次は一文で理由を書きます。問われていなくても書くべきですが、本問では、理由も書けと明確に問われているので、絶対に書かなければなりません。必ず書かなければならないことは、早めに書きます。忘れるといけないので。

「贈り物をするときは物を褒めないほうが良いというアドバイスを私はする。日本で暮らしやすくするためだ。」

まだ、必ず書かなければならないことが残っているので、どんどん書いていきます。サブの問いに対する応答です。

サブの問「なぜお母さんがそのように言ったのかを推測し、その推測を踏まえて論じてください」
応答「ホストファミリーのお母さんも同じ理由で、学生に忠告したと推測する。謙遜を良しとする日本において、お土産を渡す際に自ら「高級な物」と主張するのは無礼な表現だからだ。特に、目上の人に対しては使うべきではないので、そうアドバイスする。 」

※二行目(謙遜を良しとする〜)が、「その推測を踏まえて論じて」いる部分です。
メインの問いの後に書いた理由(日本で暮らしやすくするためだ)は論理の流れを飛ばしすぎて、それだけでは意味が分かりづらいですが、ここで理由を補強しようと思っていたので、あえて上のように書きました。

これで問いには全て答えました。
最低限の点数は確保できたと思いますので、次は加点を狙っていきます。

2016-10-25 22:30:22

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平成28年度の記述問題の書き方2【反対意見に配慮しつつ具体的に書く】

記述問題第3条【反対意見の根拠に配慮する】

自分の意見は日本のやり方(日本ではそんなふうには言わない)ですから、
反対意見とは学生の国のやり方(学生の国ではそんなふうに言う)になります。

反対意見に配慮した再現答案は以下のとおりです。

「もっとも、ささやかなものですがと言いなさい等と強制するわけではない。ホストマザーに言われてびっくりしているということは学生の国では異なった考え方をするのであろう。」

「言われてびっくりしました」という問題文の言葉を解釈(記述問題第4条)して「学生の国では異なった考え方をするのだろう」という反対意見を示しました。
その反対意見に配慮しているのが、
「ささやかなものですがと言いなさい等と強制するわけではない。」
という部分です。

じゃあ、具体的にどうするんですか?

記述問題第5条【抽象論・一般論に加え、具体論・個別論も書く】の登場です。

以下、再現答案を最後まで書きます。

「その点に配慮するため、まず私は、学生の国のやり方について聞いてみたい。日本のマナーと学生の国のマナーの違いについて、マナーの元となった価値観について、学生と話し合ってみたい。そのほうが一方的なアドバイスよりも、学生にとって受け入れやすいはずだ。私も異文化を学ぶことで教師として成長できる。」

学生の意見にも耳を傾ける心の広い人間であることをアピールするとともに、
常に学ぶことを忘れない意識の高い教師であることも採点者にアピールしています。

※上記再現答案は、直前期に書いた平成27年度の記述式問題【ディベート】の影響が現れていますね。

再現答案の全文は以下のとおりです。

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平成28年度日本語教育能力検定試験で実際に書いた記述式の合格答案

 贈り物をするときは物を褒めないほうが良いというアドバイスを私はする。日本で暮らしやすくするためだ。ホストファミリーのお母さんも同じ理由で、学生に忠告したと推測する。謙遜を良しとする日本において、お土産を渡す際に自ら「高級な物」と主張するのは無礼な表現だからだ。特に、目上の人に対しては使うべきではないので、そうアドバイスする。 
 もっとも、ささやかなものですがと言いなさい等と強制するわけではない。ホストマザーに言われてびっくりしているということは学生の国では異なった考え方をするのであろう。その点に配慮するため、まず私は、学生の国のやり方について聞いてみたい。日本のマナーと学生の国のマナーの違いについて、マナーの元となった価値観について、学生と話し合ってみたい。そのほうが一方的なアドバイスよりも、学生にとって受け入れやすいはずだ。私も異文化を学ぶことで教師として成長できる。

2016-10-25 23:05:36

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