【日本語教育の歴史】平成29年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題15の解説

H29試験Ⅰ
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H29(2017年度)日本語教育能力検定試験 試験Ⅰの問題15【日本語教育の始まり】の解説です。

問題15は知識問題です。

知らなければすぐ諦める勇気も大切

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問1の解き方【日本大文典の説明】

この問題は推測で何とか解けるでしょう。

選択肢1

明らかに変です。

昔の本は堅苦しいイメージなのに、話し言葉を登場人物の対話形式で記した会話書ってノリが軽すぎます。

近年のベストセラーには多いパターンですが。これとか。

選択肢2

16世紀に来日した宣教師といえば、ポルトガル!

選びたくなる選択肢です。

ですが

「文典」というタイトルで「語彙」を記すか?

ちょっと違和感。

選択肢3

ポルトガルに加えて文法!

「文典」というタイトルは文法っぽい!

選択肢4

なぜ、ヨーロッパの宣教師が「漢語と和語」に分け記すのか。

なら中国人か日本人では?

違和感

よって、答えは3です。

日本大文典とは?

日本大文典とは、宣教師が日本語を習得するために書かれた。当時の日本の口語文法を中心にポルトガル語によって詳細に記した文法書。ロドリゲス著

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問2の解き方【日本大文典の呼ばれ方】

これも推測で解けましたでしょうか。

戦国時代の宣教師に一番なじみ深い言葉を選択肢から探します。

キリシタンとかバテレンが記憶にあります。

キリシタン大名とかバテレン追放令とか勉強しました。

ここから選択肢を1つに絞るのは難しい。

適当なものを選ぶときは

よりなじみ深い方を選びます。

バテレンよりキリシタンのほうが有名。よく聞く。

よって、答えは1です。

キリシタンとは?

キリシタンとは、ポルトガル語でキリスト教徒のこと。

戦国時代にポルトガルから来た宣教師が「キリシタン」と呼ぶのを聞いて

日本人もそう言うようになったのでしょう。

ジーザスとは?

ジーザスとは、「イエス・キリスト」の英語読み。「ジーザス・クライスト」。ラテン語読みでは「イエズス」

デウスとは?

デウスとは、ラテン語で「神」を表す言葉

バテレンとは?

バテレンとは日本にキリスト教が入ってきた当時の宣教師の呼び名。

豊臣秀吉が発令したバテレン追放令が有名ですね。

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問3の解き方【鎖国時代に遭難して国外で日本語教育した人】

これは難しい。

推測もできなかったです。

近年の日本語教育能力検定試験では

こういう問題

推測できない完全なる知識問題はあまり出ないので

できなくても気にしなくていいです。

「海上遭難した日本人漂流民」は大黒屋光太夫(だいこくやこうだゆう)です。

よって、答えは3です。

松本亀次郎と譯解日語肯綮大全

松本亀次郎と譯解日語肯綮大全については下の記事をどうぞ

三矢重松と日本語教科書

三矢重松(みつやしげまつ)は、明治・大正時代に活躍した国語学者。三矢文法と呼ばれる文法研究で知られる。

『日本語教科書』とは、明治39年発刊宏文学院編纂『日本語教科書』のことかと。

大黒屋光太夫と欽定全世界言語比較辞典

大黒屋光太夫(だいこくやこうだゆう)は、江戸後期の船頭(船長)

嵐で漂流してロシアに行き、9年半後に日本に戻ってきたすごい人

その人生を想像するだけでドキドキワクワクします。

女王エカチェリーナ2世にも謁見し、『欽定全世界言語比較辞典』の改定に携わりました。

欽定(きんてい)とは、君主の命令による選定のこと。ここではエカチェリーナ2世ですね。

大黒屋光太夫の人生は、小説漫画にもなっています。

私はみなもと太郎氏の漫画を読んでみましたが、つい夢中になってブログを忘れてしまいました。大黒屋光大遊が漂流したのは徳川家康のせいなんですね。色々なつながりが分かって面白い上にすごく勉強した気持ちにさせてくれるマンガです。話が丁寧でわかりやすくスワイプする指が止まりません。7巻から黒屋光太夫の話です。10巻には江戸時代にあったロシアで初めての日本語学校の話も出てきます!キンドルだとすぐ見れますのでよかったらどうぞ。

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岡本千万太郎と日本語の批判的考察

岡本千万太郎は、強そうな名前ですね。この人の前では一太郎がゴミに見えます。読み方は「せんまんたろう」じゃなくて「ちまたろう」。文法学者。詳しくは、東京外国語大学論集第78号(2009)参照

日本語の批判的考察については、書評がありました。

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問4の解き方【長崎出島のオランダ商館医といえば】

長崎出島のオランダ商館医といえば、シーボルトですね。

これは中学か高校で勉強した記憶

よって、答えは2です。

他の方々も確認しておきます。

ウィリアム・ジョージ・アストン

ウィリアム・ジョージ・アストン(William George Aston)は、19世紀の英国の外交官。日本語の歴史の研究に貢献

バジル・ホール・チェンバレン

バジル・ホール・チェンバレン(Basil Hall Chamberlain)は、イギリスの日本研究家。明治時代に日本に滞在し、日本人に英語を教える。東京帝国大学文学部名誉教師

ヨハン・ヨーゼフ・ホフマン

ヨハン・ヨーゼフ・ホフマン(Johann Joseph Hoffmann)は、言語学者。ライデン大学の初代の日本語担当教授。『日本語文典』などの著作

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問5の解き方【ヨーロッパで最初に日本語学講座が設立された大学は?】

ヨーロッパで最初に日本学講座が設立された高等教育機関は、オランダのライデン大学です。

ライデン大学は、1575年に設立されたオランダ最古の大学。日本学科は1855年に世界で初めて設置されました。

ライデン大学の日本語学科は今でも有名です。いつか行ってみたい。

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試験勉強を仕事につなげよう

オランダと日本は歴史的なつながりが深いですね。

日本人はオランダで最恵国待遇を受けることができます。

理由は、日蘭通商航海条約

この条約には最恵国待遇があります。

日本とオランダはお互いを最も優遇しなければなりません。

例えば、2016年まではスイス人は労働許可なしでオランダで働くことができました。日本は最恵国待遇なので、他の国を優遇した場合、日本人も自動的に同レベルに優遇されます。

よって、スイス人と同様、労働許可なしで働くことができました。

海外で働いた経験がある人は、労働許可証を取るのがいかに大変かお分かりのはず。

それがいらなかったってすごいですよね。

オランダでは日本人が自由に仕事も副業もアルバイトもできたんです。

今はスイスとの条約が変わり、労働許可が必要になってしまったようですが。

今でも「個人事業主ビザ」を使って、フリーランスとして働くことは、他の国と比べるとかなり容易なようです。

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