令和元度日本語教育能力検定試験Ⅱ問題6【誤用】の解説

日本語教育能力検定試験,聴解,音声,対策,解説2.言語習得・発達

試験Ⅱの問題6は、毎年、学習者が言う短い文の中から、誤りを判別する問題です。

例が流れている間に、問題の選択肢を読めるだけ読んで確認しておきましょう。

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問題6の解き方

①学習者の誤りを直してみる。

②誤りと正しい文を比較する。

③選択肢から探す。

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1番

学習者の誤りを直してみる。

「映画は好きけど」→「映画は好きけど」

日本語教育において形容詞は二種類です。

イ形容詞とナ形容詞。

イ形容詞とは、名詞に「イ」でつながる形容詞

例)かわい猫→「かわいい」はイ形容詞

ナ形容詞とは、名詞に「ナ」でつながる形容詞

例)好き猫→「好き」はナ形容詞

接続助詞「けど」につなげるとき、イ形容詞は「イ」、ナ形容詞は「ダ」に活用します。

活用とは、動詞、形容詞などの語尾の変化のこと。

イ形容詞の例)かわいいけど

ナ形容詞の例)好きだけど

ところが学習者は「好き」を「好きだ」と活用していません。

よって答えはbです。

授業で役立つ豆知識

イ形容詞とナ形容詞で学習者がよく間違えるのは「きれいkirei」「べんりbenri」などです。

これらは母音の「i」で終わる形容詞ですが、名詞をつなげると

きれい猫→「きれい」は「ナ」形容詞

べんり猫→「べんり」は「ナ」形容詞

形容詞を導入するときは、この点に気を付けてください。

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2番

やりざるをえない」→「やらざるをえない」

「ざるをえない」という文法の前の動詞の活用は、ナイ形(未然形)「やらない」です。

ところが学習者はマス形(連用形)「やります」にしています。

よって答えはdです。

3番

「遊んだことだ」→「遊んだものだ」

「こと」と「もの」の間違いですが、これらは形式名詞です。

名詞には実質名詞と形式名詞があります。

実質名詞とは、「猫」「犬」「人」など、それだけで意味がわかる名詞。

形式名詞とは、「ことだ」の「こと」、「ものだ」の「もの」「わけだ」の「わけ」、「はずだ」の「はず」など実質的な意味をもたない名詞。

よって答えはbです。

4番

「若者を中心した集まり」→「若者を中心した集まり」

助詞の「と」が脱落しています。

よって答えはaです。

5番

たまたま日本語の練習をします」→「たまに日本語の練習をします」

「たまたま」は偶然を表す副詞

「たまに」は頻度を表す副詞

「日本語を練習をします」というのは意図的な行為なので、偶然を表す副詞は使えません

偶然を表す副詞は意図的ではなものに使います。

例)昨日、YouTubeで見たところが、たまたま試験に出た。

よって答えはaです。

6番

「携帯電話なくしてしまいました」→「携帯電話なくしてしまいました」

助詞の「が」や「を」は格助詞です。

格助詞とは、名詞と述語(動詞)との関係を表す助詞

よって答えはcです。

7番

「現在の課題は、労働条件を変えていきます」→「現在の課題は、労働条件を変えていくことです」

これは

「N1(名詞)はN2(名詞)です」

「N1(主語)はN2(述語)です」

という文です。

「こと」という形式名詞を使って「変えていきます」という動詞を「変えていくこと」という名詞にしなければなりません。

主語に対応した述語(名詞)になっていないので、主語と述語がねじれています。

よって答えはdです。

8番

「好きなタイプは優しい、面白い人です」→「好きなタイプは優しくて、面白い人です」

「し」が使えるのは、その前だけで文が成立するときです。

例)

あのレストランはおいしい、やすい。

「あのレストランはおいしい」だけでも文が成立する。→「し」が使える

一方、問題の文は

「好きなタイプはやさしい」だけでは文が成立しません。

ですから「し」ではなく、「くて」をつかって文をつなげなくてはいけません。

「し」や「くて」は並列表現です。

並列表現とは、「し」「くて」「や」「と」「たり」など、同じレベルで言葉を並べる表現。

よって答えはcです。

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