【過去問解説】令和元年度日本語教育能力検定試験Ⅲ問題11【2019】日本語を母語としない児童生徒

R1試験Ⅲ
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問1の解き方

日常では流暢に日本語を話している外国人の子ども。でも、中学校の授業にはついていけない。

どうして?

カミンズさんは言いました。

①生活言語能力(BICS)

生活場面で言語を使う能力

②学習言語能力(CALP)

学習場面で言語を使う能力

は違う。

1.BICS(ビックス)とCALP(カルプ)

①生活言語能力(BICS)

Basic Interpersonal Communicative Skills

②学習言語能力(CALP)

Cognitive Academic Language Proficiency

①生活言語能力(BICS)

生活場面で言語を使う能力。習得に2年。

文脈(コンテクスト)が助けてくれる。

(高コンテクスト) 場面依存的

認知的負担が少ない(比較的頭を使わない)

例)言葉がわからなくてもその時の状況や相手の表情、ジェスチャーなどで理解できる。

②学習言語能力(CALP)

学習場面で言語を使う能力。

習得に5~7年以上。

文脈が助けてくれないことが多い。

(低コンテクスト) 場面独立的

認知的負担が大きい(頭をめっちゃ使う)

例)英語で数学を勉強する大変さ。

カミンズさんは言いました。

母語で培った認知能力は第二言語にも転移しうる。

発達相互依存仮説

例)

母語で数学100点の子どもと数学50点の子ども、第二言語で数学のテストを受けたらどうなる?

認知能力はテストで測定できる能力

例)IQ

非認知能力はテストで測定できない能力

例)EQ、忍耐力、自信

※試験Ⅰ問題13

1.認知能力は試験Ⅰ問題13問1にも出てきましたね。逆ですね。

発達相互依存仮説

2.どちらにもコミュニケーションはあるからコミュニケーションで発達する。

3.生活言語能力のほうが場面依存的

4.生活言語能力:2年

  学習言語能力:5~7年以上

答えは2

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問2の解き方

フィードバックいろいろ

1)インプット型

①明示的訂正

②リキャスト:自然にさりげなく。

2)アウトプット型(プロンプト)

③誘導

④明確化要求

⑤繰り返し

⑥メタ言語的フィードバック

プロンプト(prompt)

刺激する。促す。きっかけを与える。

学習者自身で間違いに気づいてもらい、正しい発話をするように促すこと。

①明示的訂正

S「私は漢字を読む、できます」

T「違います。漢字を読むことができます、です」

②リキャスト

S「漢字を読む、できます」

T「そうですか。漢字を読むことができますか」

③誘導

S「私は漢字を読む、できます」

T「漢字を読む…?」

④明確化要求

S「漢字を読む、できます」

T「え、もう一度お願いします」

⑤繰り返し

S「漢字を読む、できます」

T「漢字をよむ、できます?」

⑥メタ言語的フィードバック

S「漢字を読む、できます」

T「できますの前は名詞ですね。でも読むは? 動詞を名詞にするときは?」

1.繰り返し(プロンプト)

2.明確化要求(プロンプト)

3.誘導(プロンプト)

4.自然にさりげなくリキャスト

答えは4

問題)どんなフィードバック? 

T「昨日、何をしましたか」

S「秋葉原に行きます」

T「そうですか。秋葉原に行きましたか」

答え)リキャスト

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問3の解き方

児童生徒の不安を軽減するような対応・指導

①意思を伝えられないと不安なので、意思を伝えられるように。文法の正確性より伝わるかが大事。

②教科学習のサポートに取り出し指導や入り込み指導

取り出し指導

:クラスから取り出して別室で個別指導

入り込み指導

:日本語指導担当教員や母語支援者がクラスに入り、サポート。

③母語の使用を禁止しない。日本語をおしつけない。

 母語でのサポートもあり。

④日本の文化や規範を押し付けない。

 これが日本文化だ! 

 じゃなくて、こうすれば日本人は話を聞いてくれやすいよ。とか。

1.意思疎通ができるようになると不安軽減

2.教科学習の支援も大事

取り出し指導や入り込み指導  

3.伝わる言葉で不安を軽減

4.押し付けはストレスになる。

答えは1

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問4の解き方

言語を覚える順番の傾向

①音の特徴を覚える

(中国語はわからないが中川家の漫才は分かる)

②簡単な言葉、挨拶を覚える

③文法を覚える

④語彙を増やす

(日本人の子どもと大人の差は語彙の量)

忘れる順番は逆になる傾向

語彙→文法→音声

①音の特徴を覚える(中川家の漫才)

②簡単な言葉、挨拶を覚える

③文法を覚える

④語彙を増やす(日本人の子どもと大人の差は語彙の量)

忘れる順番は逆になる傾向 語彙→文法→音声

答えは4

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問5の解き方

イマージョン教育とは

immersion:浸す、没頭

 英語ならあらゆることに英語を使う。学校で、算数、理科、社会など教科の授業もネイティブスピーカーが英語で行う。

 少数言語の環境に多数言語話者を入れること。

 多文化主義(言語の多様性を重視)の考え。

例)

・日本で日本人がインターナショナルスクールに行く。

1.イマージョン教育は母語じゃない。

2.取り出し授業は母語保持のためじゃない。

3.小さい子供ほど忘れやすい。

4.読み書きの方が難しい。

答えは3

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