令和2年度(2020年)日本語教育能力検定試験 試験Ⅰ問題2(3)の解説です。
解き方①例がどんな誤用か考える
「一番」は変ですね。
どんな言葉で言い換えられるか考えます。
どうして学習者は「一番」を使ったのか?
「やさしい」を強調したかったのだろう。
では、「一番」じゃなくて「とても」とか「すごく」を使ってみてはどうだろう。
解き方②選択肢が同じ誤用か検討
各選択肢の「一番」を「とても」に言い換えてみます。
- バスよりも地下鉄で行った方が「とても」早いです×
- 「とても」さむくなってきましたね。〇
- 「とても」恥ずかしいです。〇
- 「とても」素晴らしいスピーチ。〇
1番は「バス」と「地下鉄」の二者を比較した結果を述べているので、「とても」を使うと変になります。
「もっと」などが適切かと。
よって、答えは1
試験勉強を日本語のレッスンにつなげよう
「どうしてダメですか?」
と聞いてくる学習者がいます。
今回の誤用「吉田先生も一番やさしい先生だと思います。」
これはどうしてダメですか?
学習者に聞かれたら何と答えますか?
私の対応は最後に書きますが
見る前に自分ならどうするか考えてみてください。
誤用の問題を解く時は
学習者が同じ誤りをした場合
自分ならどう対応するか考えながら解くと
勉強も具体的実践的になって楽しくなってきますし
日本語教師になったときに焦らなくてすみます。
今回の誤用、私であれば
「『も』はどんな時に使いますか?」
と学習者に聞きます。
T「『も』を使う例文を教えてください」
L「猫も好きです」
T「いいですね。『猫も好きです』と『猫が好きです』は何が違いますか?」
L「『猫も好きです』は『犬も好きです』」
T「そうですね。『も』は1つだけじゃないです。ほか『も』好きです。だから1番はだめです」
一方的に知識を伝えるのではなく
学習者に具体的に考えてもらい
自分で答えにたどり着いてもらうのが
私の理想です。
私の教え方に興味がある方はDiscordでお待ちしています。
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