[声帯振動とは]令和2年度 日本語教育能力検定 試験Ⅰ問題3Aの解説

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令和2年度(2020年)日本語教育能力検定試験 試験Ⅰ問題3A【声帯振動】の解説です。

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(1) 声帯振動の有無を感じる方法

簡単ですねえ。

喉に手を当てたらわかりますよ。

震えたら有気音、震えなかったら無気音

余裕の表情で選択肢を読みます。

え…まさか…

喉に手を当てるがない…だと…

冷や汗をかきながらもう一度選択肢を読む。

答えが分からないときは消去法で選択肢を減らしていく

選択肢1 口の前に薄い紙を垂らして発音してみる。

薄い紙が揺れるかどうか

それは呼気の量の違い。

中国語の有気音、無気音、韓国語の激音、平音

これを見分ける方法だろう。

声帯振動とは、呼気を出すときに喉頭(こうとう)にある声門が開いたり閉じたりして声帯が震えること。

呼気の量とは関係ない。

1は絶対違う。

選択肢2 鼻から息を抜くように発音してみる。

鼻から息を抜くようにというのは鼻音の発音のことだろう。

2も違う。

選択肢3 耳を手でふさいで発音してみる。

「耳をふさいでも自分の声は聞こえる」ことと関係あるだろうか?

保留

選択肢4 鼻をつまんで発音してみる。

これは鼻音を見分ける方法として有名だ。

「ナ行」などの鼻音は鼻から呼気が出るので鼻をつまむと変な音になる。

4も違う。

消去法で3しかなさそうだ。

「耳を手でふさぐ」ということは鼓膜からの空気伝導では音が聞こえないということ。

だが、耳をふさいでも自分の声は聞こえる。

それはどうしてか?

骨伝導だ。

声を出すと頭蓋骨に震えが伝わり、それが聞く器官(蝸牛(かぎゅう))を振動させる。

この聞こえ方は声帯振動の有無によって変わりそうだ。

よって、答えは3

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(2) 母音の無声化のルール

母音の無声化とは、あるべき母音を発音しなかったり声帯振動なしに発音すること。

本来、母音は有声音であり声帯振動があるので、声帯振動がないと母音が消えて聞こえます。

迷ったときに使うストラテジー

答えに迷ったときのストラテジー(工夫)をお伝えします。

実は選択肢には、正解になりやすい言葉と、間違いになりやすい言葉があります。

正しい可能性が高い言葉は、例外を認める言葉

「~しやすい」「~なりやすい」「~することがある」

これらの言葉は、例外を認めているので、正しくなりやすいです。

誤りの可能性が高い言葉は、例外を認めない言葉

「~しない」「いつでも~する」「~することはない」

これらの言葉は、例外を認めていないので、誤りになりやすいです。

このルールで問題を見てみると

「~やすい」を使っている選択肢1が正解の可能性が高いですね。

では見ていきましょう。

選択肢1 方言差が大きく、例えば東京方言では無声化が起こりやすい。

イケボ(イケてるボイス)に憧れていた時期が私にもありました。

そこで、ある声優さんからzoomでボイストレーニングを習うことにしました。

声優の先生は言いました。

「声優やナレーターになるためには母音の無声化ができるようにならなければならない。でも、関西など地方の人は母音の無声化をしないで話すので大変苦労する」と。

というわけで1はそのとおり。

選択肢2 母音が無声化しても、アクセント核の位置には影響を与えない。

アクセント核があると無声化が起こりにくいことは日本語教育能力検定試験完全攻略ガイド第4版p423や東京外国語大学言語モジュールにも記載があるので大丈夫だと思います。

ですが、母音が無声化した場合、アクセント核の位置に影響があるかについてはどうでしょうか。

私は寡聞にして存じませんでした。

こちらの論文によると、

「磯村 (2009) は, 外国人日本語学習者の場合, 母音の無声化は子音の有声・ 無声の区別にも関係したり , 拍の長さやアクセントの問題にも影響したりすると述べている」とのことです。

選択肢3 一つの語の中に無声化し得る環境が連続する場合、いずれも無声化する。

これは上記の声優の先生に習いました。無声化を連続させてはいけないと。1つおきに無声化しなさいと。日本語教育能力検定試験完全攻略ガイド第4版p423にも同じようなことが書いてあります。

試験のテクニック的にも「いずれも」とか「どれも」などと書いてあるものは誤りの可能性が高いですね

選択肢4 母音が無声化するかしないかは、発話の意味理解に影響を与える。

母音を無声化しても意味は変わりません。

よって、答えは1

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(3) 母音の無性化が起こりやすいときとは

母音の無声化は、

狭母音が以下の条件①②にあるとき起こりやすいです。

なお、狭母音は「きょうぼいん」あるいは「せまぼいん」と読みます。

[i](い)[ɯ](う)

のことです。

無声子音:[k](カ行)、[ɕ][s](サ行)、[t][tɕ][ts](タ行)、[h][ç][ɸ](ハ行)、[p](パ行)に挟まれたとき

②無声子音の後ろで、語末/文末

③語頭で、後ろに無声子音 ※①、②より無声化しにくい。

よって、答えは4

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(4) 広母音や中母音が無声化する例

広母音(こうぼいん/ひろぼいん)[a](あ)や、中母音[o](お)も無声化が起こることがあります。

①「カカ」or「ココ」で始まる語で、アクセントが「低高」のとき、語頭の「カ」「コ」が無声化する。

例)「かかと」「こころ」

②「」or「ホ」で始まり、次が無声子音になる語で、アクセントが「低高」のとき、語頭の「ハ」「ホ」が無声化する。

各選択肢を見ていくと、

選択肢4の「北西」が②のルールにあたり「ほ」が無声化します。

よって、答えは4

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(5) 連濁のルール

この選択肢2は過去問に出ていましたね。私の試験直前ライブでも質問してくださった方がいたのでそのライブを見ていた方はラッキーだったかと。

平成29年度試験Ⅲ問題4の本文です。80ページ。

持っている方はぜひ見てください。

持っていない方は買いましょう

過去の問題文は最高のテキストです。

しっかり読み込むと、最高の勉強になります。

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H29は「尾鰭」の話でした。

「尾にある鰭」という修飾関係にある場合は「おれ」と読む

「尾と鰭」という並列関係にある場合は「おひれ」と読む

つまり、選択肢2が言っていることは逆です。

修飾関係にある場合、連濁が起こりやすい。

よって、答えは2

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YouTube解説動画

【令和2年度】日本語教育能力検定試験の解説【試験Ⅰ問題3】声帯振動とは?
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