気づかない方言とは、話者自身が方言だと認識せずに日常的に使っている言葉や表現のことを指します。このような方言は、話者にとってあまりにも自然に使われているため、他の地域では通じなかったり、標準語とは異なっていたりして初めて「自分が方言を使っていた」と気づくことがあります。
気づかない方言の特徴
- 日常生活に深く根付いている:地元で育った人にとっては当たり前の表現で、地域全体で広く使われているため、方言として認識しにくいです。
- 標準語と似ているが微妙に異なる:音や意味が標準語と似ているため、違いが分かりづらく、他地域の人にとっても意味が通じやすいことがあります(例:「おる」や「おんなじ」など)。
- イントネーションやアクセント:言葉自体は標準語と同じでも、特有の抑揚やイントネーションが含まれている場合も、話者がそれを方言として認識しないことがあります。
例
- 「なおす」:西日本では「片付ける」「しまう」の意味で使いますが、標準語では「修理する」を指します。
- 「えらい」:東海地方では「疲れた」という意味で使われますが、標準語では「立派な、すごい」を意味します。
- 「放課」:中国地方などで「放課後」を意味しますが、標準語では通常使われない表現です。
気づかない方言に気づく場面
気づかない方言は、他の地域の人と話しているときや他の地域に移住したときなど、異なる方言や標準語と接する場面で気づくことが多いです。
気づかない方言でやりたい過去問
・令和6年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題12問3