0項動詞と1項動詞と2項動詞と3項動詞の見分け方
例えば「くれる」という動詞
例)マドンナが3時に学校で僕にチョコをくれた。
この文には5つの格助詞があります。
ですが最低限必要なのはいくつの格助詞でしょうか?
「くれる」という動詞を使う時、必要な情報は何ですか?
「だれが何を誰にくれたのか」
ですね。
時間や場所はなくても大丈夫です。
例)マドンナが僕にチョコをくれた。
「くれる」は3つの格助詞が必要です。
よって、「くれる」は3項動詞といえます。
ガ格、ニ格、ヲ格が動詞「くれる」の必須成分です。
「その動詞を使う時、必要な情報は何か?」を考えれば
「0項動詞か1項動詞か2項動詞か3項動詞か」を区別することができます。
「1項動詞と2項動詞と3項動詞」の3つに分ける学者さんもいます。
自動詞は0項動詞と1項動詞
他動詞は2項以上の動詞
と分けることもできます。
0項動詞とは?
0項動詞とは、格助詞がいらない動詞。名詞句がいらない動詞、格を取らない動詞、0項型の文型を取る動詞ともいう。
自然現象の発生や持続を表す動詞には、ガ格名詞さえとりにくいものがある。動詞の中に主体が含み込まれているようなタイプである
現代日本語文法②p15より
0項動詞の一覧と例文
・春めく
だんだん春めいてきた。
・停電する
急に停電した。
・吹雪く
突然、吹雪き始めた。
1項動詞とは【ガ格】
1項動詞とは、1つの格助詞が必要な動詞。1つの名詞句が必要な動詞、ガ格だけを取る動詞、1項型の文型を取る動詞ともいう。
1項動詞(一項動詞)の一覧と例文
・降る
雨が降る
・泣く
赤ちゃんが泣いている。
2項動詞とは?
2項動詞とは、2つの格助詞が必要な動詞。2つの名詞句が必要な動詞、 ガ格ともう1つの格を取る動詞、2項型の文型を取る動詞ともいう。
2項動詞(二項動詞)の一覧と例文
・食べる
彼が納豆を食べる。
・愛する
私が彼を愛する。
・ぶつかる
彼が壁にぶつかる。
・結婚する
彼があの人と結婚する。
・できる
彼が英語ができる。
3項動詞とは
3項動詞とは、3つの格助詞が必要な動詞。3つの名詞句が必要な動詞、3項型の文型を取る動詞とも。
3項動詞(三項動詞)の一覧と例文
・教える
彼が私に日本語を教えてくれた。
・置く
彼が机にペンを置いた。
4項動詞とは【ガ格ヲ格カラ格二格】
4項動詞とは、4つの格助詞が必要な動詞。4つの名詞句が必要な動詞、ガ格ヲ格カラ格二格を取る動詞、4項型の文型を取る動詞とも。
・運ぶ
彼が荷物をお店から家に運んだ。
0項動詞・1項動詞・2項動詞・3項動詞・4項動詞が登場した日本語教育能力検定試験の過去問
・平成29年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題3B(9)選択肢3【2項動詞か3項動詞か】
・平成28年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題3B(8)選択肢1【3項型の文型を取る】選択肢4【格を取らない0項型の文型を取る】
・平成27年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題1(9)【動詞の項の数】