(8)【形式名詞】の解き方
この問題は難しいのでできなくても大丈夫です。
形式名詞は単独では使えないので単独で使えるか検討します。
下線部だけを主語にして文を作ってみます。
1 わけ
わけがわからないよ 〇
単独で主語になり文がつくれたので形式名詞ではありません。
2 はず
はずがわからないよ ×
はずがないよ ×
単独で使えません。
「そんなはずがないよ」のように修飾する語が必要です。
3 ため
ためがわからないよ ×
ためがないよ ×
単独で使えません。
4 こと
ことがわからないよ ×
ことがないよ ×
事を起こす 〇
事を起こすの「事(こと)」は単独で使えますが、これは「事件、問題、重要なこと」という意味がある実質名詞です。選択肢4の「こと」とは異なります。
5 うち
うちがわからないよ ×
家がないよ 〇
家がないよの「家(うち)」は単独で使えますが、これは「住む建物」という意味がある実質名詞です。選択肢5の「うち」とは異なります。
形式名詞と実質名詞について詳しくは下記記事をどうぞ。
日本語教師になる前に書いた解説
※解き方、考え方にはいろいろあることを知ってもらうため、あえて残してあります。
平成28年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題1(8)【形式名詞】を検討します。
選択肢1,わけ
この文の「わけ」は「理由」という意味があります(「わけ」を「理由」に言い換えることができる)。僕が知りたいのは彼が遅刻したこと、ではなく、彼が遅刻した理由です。実質名詞です。
選択肢2,はず
この文の「はず」は実質的な意味を持ちません。形式名詞です。
選択肢3,ため
この文の「ため」は実質的な意味を持ちません。形式名詞です。
選択肢4,こと
この文の「こと」は実質的な意味を持ちません。形式名詞です。
選択肢5,うち
この文の「うち」は実質的意味を持ちません。形式名詞です。
よって、1が正解です。