【過去問解説】平成28年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題2(3)【2016】

H28試験Ⅰ
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問題2(3)の解き方

【】内を直してどんな誤用か考えます。

地下鉄の乗り方はまだたくさんわかりません→地下鉄の乗り方はまだよくわかりません

「たくさん」→「よく」

選択肢を見て仲間外れを探します。

1 「たくさん」→「よく」

2 「たくさん」→「たくさんの」

仲間外れです。

3 「たくさん」→「よく」

4 「たくさん」→「よく」

よって、答えは2

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日本語教師になる前に書いた解説

※解き方、考え方にはいろいろあることを見てもらうため、あえて残しています。

(3)「よく」と「たくさん」の違い

「たくさん」は、一つ、二つ、三つ…と数えていって、その集合として数量が多いという気持ち(森田良行著基礎日本語辞典218頁)なので、数えられないものに対しては使うことができません。一方で、「よく」は、行為・作用の完全さ・頻繁さを表す場合(森田良行著基礎日本語辞典1187頁)に使うことができるのできます。「たくさん分かりません」ではなく「よくわかりません」とすべきです。

1,「よくこの注意を読んだほうが」とすべきを「たくさんこの注意を読んだほうが」としている誤用です。

2,「たくさん」は名詞を修飾する場合、 「の」をつけなければならない(日本語誤用辞典320頁)のに、そのまま名詞を修飾してしまったという誤用です。日本語誤用辞典では319ページの誤用例文11に同一の誤用があります。

3,「よく覚えていません」とすべきを「たくさん覚えていません」としている誤用です。

4,「よく見てください」とすべきを「たくさん見てください」としている誤用です。

よって、答えは2です。

「たくさん」の誤用に対する指導のポイント

「たくさん」は具体的な形で数量が多いことを示す副詞である。学習者は「たくさん」を多用しがちだが、肯定の程度表現には「よく」「かなり」、否定には「あまり」などを使うように指導する。

(日本語誤用辞典320,321頁より引用)

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