平成30年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題9【第二言語習得】の解説

第二言語習得 適性処遇交互作用 学習ストラテジー 認知スタイル 内発的動機づけH30試験Ⅰ
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平成30年度(2018)日本語教育能力検定試験 試験Ⅰ問題9は【第二言語習得】です。

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問1【適性処遇交互作用の意味】

適正処遇相互作用とは、適性と処遇は相互に作用しますよということ。適性とは学習者の適性、どんな勉強の仕方が適しているか。処遇とは教師の指導法、学習方法、学習時間などの学習条件。適性と処遇の組み合わせがナイスカップルだと学習効果が高まります

適性処遇交互作用は日本語教育能力検定試験完全攻略ガイド第4版には載っていないキーワードですが、平成27年度日本語教育能力検定試験試験Ⅰ問題10問4では適性処遇交互作用の説明として最も適当なものを選ぶ問題が出ています。え! そうです。今回の問1と全く同じ。あらびっくり。選択肢は微妙に違いますが。やはり過去問大切ですね。

え? 過去問やっていない? 安心してください。過去問やっていなくても、言葉がわからなくてもこの問題は解けます。キーワードが分からない時は前後の文を読むといいです。

「適性処遇交互作用の観点」を踏まえると、「習得過程と適性との関わりという視点」になるといっているのだから、「習得過程と適性との関わり」について述べている選択肢が正解だとわかります。

  1. 変化するのは「学習者の適性」ではなく「学習効果」です。
  2. 変化するのは「学習者の適性」ではなく「学習効果」です。
  3. ですよ。
  4. だから「高める効果が期待できる」のは「適性」じゃなくて、「学習効果」だってばよ!

正解は3です。

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問2【認知スタイルの意味】

認知スタイルとは、情報をどうやって処理するか。どんなやり方が得意かは人によって異なる。

場依存型とは、場面に依存している。そのシチュエーションに関連付けてとらえる。なので、場面設定などがあるコミュニケーションが得意全体を直感で理解する。環境に依存する。年少者に多い。

場独立型とは、場面から独立してとらえる。なので、場面設定などがあるコミュニケーションよりも、文法などを論理的、分析的に勉強するほうが得意。場から離れて分析的・論理的に考える年長者に多い。

順序型とは、順番に考える。ストーリーで覚える。例えば、昨日の夕食に何を食べたか思い出すときに、「昨日は買い物に行ったっけ? うん、行った。さんまを買った。焼いて食べた。あと、みそ汁の残りをレンジでチンしたな。あ、そうそう実家から送られてきたブドウもデザートにしたな」という風に、順序だてて考えます。継次処理型とも。順番に入ってくるので耳からの情報に強い

全体型とは、まず、全体を俯瞰的に見る。それから細部へ。例えば、昨日の夕食に何を食べたか思い出すときに、食卓の上の映像が頭に出てくる。それが全体。そこから細部を見ていき、あ、さんまがあった。みそ汁とブドウもある、と気づく。同時処理型とも。一目で全体が把握できるので目からの情報に強い

  1. 「場独立型」の説明です。
  2. 「場依存型」の説明です。
  3. 「経験や信念に根ざした自分なりの理解を構築しようとする」のは特定の学習者に限らず、皆そうなのでは。「ビリーフ」の説明かな? 
  4. ですよ。

よって、正解は4です。

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問3【学習ストラテジーのうち直接ストラテジーの例】

学習ストラテジーとは、うまく学習するための工夫です。

学習ストラテジーには、直接ストラテジーと間接ストラテジーがあります。

直接ストラテジーとは、語呂合わせで年号を覚えるなど学習に直接関係するストラテジー

間接ストラテジーとは、勉強会を作ったり、勉強の計画を立てたりして、学習を間接的に支えるストラテジー

学習ストラテジーはよく出題されるので確実に理解しておきたい。このサイトでもいずれまとめて記事にします。また、試験対策の動画もYouTubeで作る予定です。

  1. 「友達を作ったり」「一緒に」など人と関わるのは間接ストラテジーの社会的ストラテジーです。
  2. 学習を管理するのは、学習を上から見ている、外から見ている、メタ的に見ているので、間接ストラテジーのメタ認知ストラテジーです。よく「メタ発言」っていいますよね。あれは、漫画のキャラクター自身が「これをマンガだ」と言うように、マンガを上から見ている、外から見ている、読者のような立場で見ているから「メタ発言」といいます。あのメタです。
  3. アンダーラインを引いたり、ノートにまとめたり、それを繰り返し読んだりして、頭の中の情報を整理するのは直接ストラテジーの認知ストラテジーです。
  4. 「自分を励ます」など気持ちにに関するのは間接ストラテジーの情意ストラテジーです。

よって、答えは3です。

なお、直接ストラテジーは【記憶ストラテジー】【認知ストラテジー】【補償ストラテジー】3つに分けられますので、確認しておきましょう。

記憶ストラテジーとは、いわゆる記憶術です。覚えるための工夫。語呂合わせ、イメージと結びつける、繰り返し書くなど。覚えるための単純作業。

認知ストラテジーとは、勉強するためのいろいろな工夫。テキストに線を引いたり、ノートに書いたり、色分けしたり、問題を解いたり、辞書で調べたり。

補償ストラテジーとは、足りない知識を補う工夫。推測したり、知らない言葉を別の言葉で説明したり、ジェスチャーを使ったり。

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問4【不安を軽減するための教室作りの方法】

  1. 「やれやれ! おらおら! テスト結果は公開して、最下位だった奴はみんなにメシおごりな?」などと競争心を煽ると、自分に自信がない人は不安になるでしょう。
  2. ですよ。
  3. ですよ。
  4. ですよ。

正解は1です。

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問5【内発的動機づけの意味】

内発的動機づけと外発的動機づけの違い

動機づけよりも最近はモチベーション(若い人はモチベ)という言葉を使うでしょうか。どうしてやる気になるのか、ということですね。

動機づけ(motivation)は、体の内からあふれ出す内発的動機づけと外に利益がある外発的動機づけの2種類。

内発的動機づけとは、勉強が楽しいので勉強自体がモチベーション。勉強していたらオラ、何だかワクワクすっぞ。ドラゴンボールの孫悟空が戦うのは内発的動機づけでしたね。

外発的動機づけとは、外に目的があるモチベーション。お金のためとか賞賛のためとか試験合格のためとかモテるためとか世界制服のためとか地球を守るためとか。

解き方

  1. 親や先生に言われたからやるのは完全に外からですね。外発的動機づけ
  2. 試験合格という外にある目標なので外発的動機づけ。
  3. 褒美という外にある目的なので外発的動機づけ。
  4. クラスメートと勉強したら何だか楽しいな。これって青春? それとも恋? 勉強するとなんだかワクワクするので内発的動機づけ。

よって、答えは4です。

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関連する過去問

平成27年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題10【適性処遇交互作用の説明、学習ストラテジーのうち補償ストラテジーの例】

平成25年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題8【第二言語習得、動機づけの種類】

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