複合動詞の意味
複合動詞とは、2語以上の複合によってできた動詞です。
複合動詞の具体例)
思う+出す→思い出す
疲れる+果てる→疲れ果てる
走る+切る→走り切る
狭義の複合動詞は「動詞+動詞」のみ。
広義の複合動詞は「いろいろな品詞+動詞」です。
平成24年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題3Dの問題文では広義の複合動詞を「複合動詞」と呼んでいます。詳しくは問題文を見てみてください。
「動詞+動詞」の複合動詞の場合、前の動詞の形はマス形(連用形)になります。
「動詞+動詞」 の複合動詞は、語彙的複合動詞と文法的複合動詞の2つに分けられます。
学者さんによっては他の分け方をしています(「日本語複合動詞研究の現状」参照)。
語彙的複合動詞の意味
語彙的複合動詞とは、前の動詞と後ろの動詞が固定的に結びついているもの。語彙的複合動詞の組み合わせは決まっていて、新しい単語を作り出すことはできない。(現代日本語文法①p139)
語彙的複合動詞の具体例
・立ち止まる
・伝え聞く
語彙的複合動詞についてもっと勉強したい方は下記の論文がおすすめです。
文法的複合動詞の意味
文法的複合動詞とは、さまざまな前部要素に後部要素が文法的に結びつくもの(現代日本語文法①p139)。前部要素が後部要素の主語になったり目的語になったりする。
統語的複合動詞とも。
文法的複合動詞の例
前部要素が主語の例
働きすぎる→働くことがすぎる
片付けおわる→片付けることがおわる
前部要素が目的語の例
歩きはじめる→歩くことをはじめる
食べつづける→食べることをつづける
前の語が動詞以外の品詞の複合動詞の例【広義の複合動詞】
名詞+動詞
・旅立つ
・名指す
・色づく
・勉強する、体験する、実施するなどのサ行変格活用の動詞(3グループの動詞)を複合動詞だと考える日本語教師は少ないですが、実はこれも広義の意味では「名詞+動詞」の複合動詞と言えます。
詳しくは、奥田智樹「日本語の複合動詞研究の諸相」をどうぞ。
形容詞の語幹+動詞
形容詞が使われるときは語幹(活用しても変わらない部分)を使います。
・若返る(若い+返る)
・かわいすぎる(かわいい+すぎる)
・長引く(長い+引く)
・元気づく(元気+つく)
副詞+動詞
・ニコニコする
・ぼんやりする
複合動詞が出題された日本語教育能力検定試験の過去問一覧
・令和3年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題1(9)【「きる」の意味】
・令和元年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題1(8) 【補助動詞】
・平成30年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題1(12)【「~直す」の用法】
・平成29年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題3B(9)選択肢4【語彙的複合動詞か統語的複合動詞か】
・平成28年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題1(7)【複合動詞の意味】
・平成27年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題1(15)【複合名詞と複合動詞の対応】
・平成26年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題1(6)【複合動詞の前項と後項の自他】
・平成25年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題1(4)【複合動詞の意味】
・平成24年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題3D【複合動詞】
・平成23年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題1(3)【複合動詞の名詞化】
・平成23年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題1(5)【複合動詞の意味】
複合動詞を学ぶのにおすすめのテキスト【現代日本語文法】
日本語の文法を網羅したテキストでもっとも詳しいのは現代日本語文法です。
日本語教育能力検定試験の文法のネタ本です。
他の文法項目もあわせてしっかり学びたいという人におすすめ。
複合動詞は現代日本語文法①p136〜