スキーマとは?
スキーマとは、過去の経験に基づいて作られた心理的な枠組み。抽象的な知識構造。
例えば、「ボール」と言われると過去の経験から「丸いもの」がイメージされます。
これがスキーマです。
スキーマは、形式スキーマと内容スキーマにわけられる。
形式スキーマとは?
形式スキーマとは、文法、表現方法、接続詞の使い方など言語形式の体系的構造に関する知識
英語では、formal schema
例えば、話題を変える時に「ところで」を使うというのは形式スキーマです。
形式スキーマの具体例
・談話展開に関する知識(平成28年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題9問4)
内容スキーマとは?
内容スキーマとは、書かれている情報の内容に関する背景知識。
英語では、content schema
例えば、「猫」という文字を見てイメージされるものは内容スキーマです。
形式スキーマと内容スキーマの違いとは?
内容スキーマと形式スキーマの違いは試験Ⅲ問題17の記述問題で考えるとわかりやすいかもしれません。
記述問題の構成に関する知識は形式スキーマです。
例えば
①簡潔に問いに応える
②反対説に配慮する
③自説を具体的に補強する
④まとめ
このような文章構成に関する知識は形式スキーマです。
実際の記述答案にこれらは現れません。内容ではないからです。
一方で以下はどうでしょうか。
・がくせいの漢字は「学生」と書く(文字に関する知識)。
・短期的な情報の保持と情報処理に用いられる記憶のことをワーキングメモリという(専門用語に関する知識)。
・日本ではお土産を渡すときに「これ、とても高級なものです」とは言わない(文化・社会に関する知識)。
これらは実際に記述答案に書く「内容」です。
内容スキーマです。
スキーマが出題された日本語教育能力検定試験の過去問
・令和2年度 日本語教育能力検定 試験Ⅰ問題10【スキーマ活性化】
・令和元年度日本語教育能力検定試験Ⅲ問題6問4選択肢1【聴解になっているためスキーマが活性化しない?】
・平成28年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題9問4【形式スキーマに該当するもの】
・平成25年度日本語教育能力検定試験Ⅲ問題11問1【スキーマの一種であるスクリプトの例】
・平成23年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題9問2選択肢1【形式スキーマと内容スキーマ】
・平成23年度日本語教育能力検定試験Ⅲ問題3問2選択肢1【イメージ・スキーマ】