「ば」も「たら」も条件です。どちらも使える時もありますが、入れ替えると変になるときもあります。
ここでは「ば」と「たら」の使い分けを見ていきます。
「ば」の性質とは
「ば」の後ろには、「期待する状況」がきます。
「期待する状況」を実現するには何かが必要です。
「期待する状況」に必要なものを「ば」を使って表現します。
令和2年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題1(12)の各選択肢が「ば」を使った条件節なので見てみましょう。
1 明日になれば雨もやむでしょう。
→「雨が止む」という「期待する状況」を実現するための条件が「明日になる」
2 1,000円も出せば大丈夫でしょう。
→「大丈夫」という「期待する状況」を実現するための条件が「1000円出す」
3 タクシーに乗れば早く着くでしょう。
→「早く着く」という「期待する状況」を実現するための条件が「タクシーに乗る」
4 この本を読めば分かるでしょう。
→「分かる」という「期待する状況」を実現するための条件が「この本を読む」
5 こちらの道を行けば迷わないでしょう。
→「迷わない」という「期待する状況」を実現するための条件が「こちらの道を行く」
「たら」の性質とは
「たら」は「動作」や「出来事」が順番に起こります。
「AたらB」
・Aが起こる→Bが起こる
例)日が暮れたら、寒くなった。
・Aが起こる→Bをする
例)5時になったら、帰ります。
・Aをする→Bが起こる
例)走ったら、お腹が空いた。
「ば」と「たら」の使い分け
「ば」:後に期待する状況
「たら」:動作や出来事が起こる順番
「ば」「たら」条件を表す表現が出題された日本語教育能力検定試験の過去問
令和2年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題2(5)の【】内の「ば」の後は、「乗り換える」という状況です。
これは「ば」の「期待する状況」ではありません。
東京駅に着く→乗り換える
ただ、順番を表しますので「たら」を使います。