【過去問解説】平成27年度日本語教育能力検定試験Ⅲ問題10

H27試験Ⅲ
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新解説 問3

引用とは、他人の文章などを自分の文章の中に引いて説明に用いること。

引用動詞とは、引用する動詞

引用動詞の例)「先生はいますか?」と言っていたから、

下線部Cの例)「○○はいる?」ってったから、

引用節とは、発言や考えの内容を述べる節。

例)彼は「私は猫が好きだ」と言いました。

引用節:私は猫が好きだ

主節:彼は言いました。

[引用とは]令和2年度 日本語教育能力検定 試験Ⅰ問題3Cの解説

標識とは、めじるし(大辞林)。

引用標識とは、引用のめじるし

例)彼は猫が好きだと言いました。

引用動詞:言いました

引用標識:

引用節:猫が好きだ

主節:彼は言いました。

各選択肢を確認

選択肢1 引用動詞引用節に先行させている。

(家に人が訪ねてきたのか、と問われて)表ドア、「ピンポーン」って。「だれかなあ」って思ったよ。「○○はいる?ってったから、「うんいるよ」って。

引用節引用動詞に先行させています。逆。

選択肢2 引用標識を使っていない。

(家に人が訪ねてきたのか、と問われて)表ドア、「ピンポーン」って。「だれかなあ」って思ったよ。「○○はいる?」ってったから、「うんいるよ」って

上記太字の通り引用標識を使っています。

選択肢3

(家に人が訪ねてきたのか、と問われて)表ドア、「ピンポーン」って。「だれかなあ」って思ったよ。「○○はいる?」ってったから、「うんいるよ」って

太字は簡略化した言語形式です。

選択肢4

(家に人が訪ねてきたのか、と問われて)表ドア、「ピンポーン」って。「だれかなあ」って思ったよ。「○○はいる?」ってったから、「うんいるよ」って。

修飾構造はシンプルです。

よって、答えは3

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旧解説

平成27年度日本語教育能力検定試験Ⅲの問題10は【明示的知識と暗示的知識】です。

問1
明示的知識とは、誰かに習ったり本を読んだりして意識的に得た知識。
暗示的知識とは、自然と習得した知識。
1,明示的知識と暗示的知識の違いは、習得方法の差であって、言語運用に関わる知識かどうかとは関係ありません。明示的知識(学校で習った発音・文法・語彙)にも暗示的知識(自然習得した発音・語彙)にも、正確で流暢な言語運用に関わる知識があります。
2,母語話者でも、国語の授業で覚えた漢字など明示的知識はいくらでもあります。
3,暗示的知識は、言語に対する直観的知識です。
4,暗示的知識は、自然と得られるものなので、演繹的に学習するわけではありません。
よって、正解は3です。

問2 
直接引用は、元の言葉を変えず、引用部分を「」 で囲みますので、1と2は誤りです。
例…昔の生徒が「翌月の私達の同窓会に先生も出席して頂きたいんです」と言ってきた。
間接引用は、「」を使いません。元発話の文体は普通体に変更されます。元発話のダイクシス表現は使われる場合もあります。
例…昔の生徒が翌週の自分達の同窓会に私も出席して欲しいと言ってきた。
よって、正解は3です。


なお、直接引用ダイクシスについては、平成24年度日本語教育能力検定試験Ⅲ 問題2の問6で出題されています。 

問3
1,引用節が引用動詞(ってった)に先行しています。
2,「って」という引用標識を使っています。
3,簡略化した言語形式です。
4,文要素の修飾構造は単純です。
よって、正解は3です。

問4
意味論は、語や文にどんな意味があるか論じる。
語用論は、どのようにコミュニケーションを行うかを論じる。

統語論は、語順などの観点から文の成り立ちや構造を論じる。
形態論は、意味を持つ最小単位形態素を対象に語の成り立ちを論じる。

自然習得環境では、コミュニケーション能力が向上すると思われます。
よって、正解は2です。


なお、平成23年度日本語教育能力検定試験問題7の問3では、【語用論的な適切さに関わる誤用】が問われていますので、要チェックです。

問5
自然習得環境の良い点は、談話の種類が豊富なこと

よって、正解は4です。

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