中間言語とは?
中間言語とは、母語でも目標言語でもない、中間的な発達途上の言語体系。学習者が目標言語(ターゲット言語)を習得していく過程で形成する独自の言語体系
中間言語は、学習者独自の言語体系で、動的なものと考えられています(平成23年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題8問1)。
英語は、interlanguage
令和4年度からの日本語教育能力検定試験及び公認日本語教師の試験範囲である必須の教育内容50の(29)が「中間言語分析」なのでしっかりと理解しておかなければなりません。誤用分析が発展した中間言語分析では、学習者の正用、誤用両方を含めた目標言語の使用を研究対象としています(平成28年度日本語教育能力検定試験Ⅲ問題105より)。
中間言語の特徴
- 動的で可変的
学習の進行に応じて変化します。新しい知識を得たり、誤った知識を修正したりすることで、中間言語は発展・修正されます。 - 系統的
誤り(ミス)にも一貫性があります。つまり、ランダムではなく、あるルールに従っていることが多く、分析可能です。 - 言語転移(transfer)の影響
母語の文法や語彙が影響することがあり、これが中間言語の構造に反映されます。 - 過剰一般化(overgeneralization)
学習者は学んだ規則を過度に適用する傾向があります(例:「goed」など)。 - 化石化(fossilization)
一部の誤りが修正されずに定着してしまう現象。ある程度の言語能力で満足してしまう場合などに起こります。
中間言語の具体例
日本語を学んでいる学習者が、形容詞の過去形を全て「でした」にする「おいしいでした」「かわいいでした」「きれいでした」
日本語母語話者が英語を学んでいる場合:
- 正しい英語:I ate breakfast.
- 中間言語:I eated breakfast.
このように、過去形の「-ed」ルールを一般化しすぎている状態は、中間言語の一例
中間言語が出題された日本語教育能力検定試験の過去問
・令和6年度日本語教育能力検定試験Ⅲ問題12問1
・令和元年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題10【中間言語分析】
・平成28年度日本語教育能力検定試験Ⅲ問題8問5【ディクトグロスに期待される効果の1つは学習者の中間言語と目標言語の認知比較を促すこと】
・平成28年度日本語教育能力検定試験Ⅲ問題10問5【中間言語分析の説明】
・平成26年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題8問5選択肢4【訂正フィードバックによる否定証拠がなければ、中間言語の再構築は起こらない?】
・平成24年度日本語教育能力検定試験Ⅲ問題10問5選択肢1【コミュニケーション・ストラテジーが言語習得に有利に働く理由の1つは中間言語に関する学習者の仮説検証に貢献するから】
・平成23年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題8問1【中間言語の説明】
・平成23年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題13問1選択肢3【中間言語化】